「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」

ぶっちゃけた研究

 先日、このような研究結果が論文化され、世界に向けて発表されました。

 

jech.bmj.com

 健康意識の低い男性に対し健康診断を受けてもらうべく

 パチンコ店にて

 若い女性従業員にセクシーな白衣(通常看護師が着るのとは違う)を着てもらい受付

 

いやー、女性の人権問題を考えると炎上しますねこの研究。

 

 しかし、世の中はきれいごとではすみません。

 

そう、食事の内容について虚偽の報告をして森田医師を疑い深い人間にしてしまったクロちゃんのように。

togetter.com

 彼は、グループで一緒に活動しているHIROが脳出血で倒れて奇跡の復活をしたのを見ても(実際は入院先に行っていない:パチンコを優先したようです)上記の行動をしているのです。食い扶持を失う危機だったにも関わらずこの調子です。

 

 何度栄養指導運動指導をしても生活改善をしない患者さん

(施しようのない状態になったり、生活がかなり制限される状況になって医療従事者に泣きつく患者さんも多くいます。もしくはそのような状態になっても生活を改善しない人もいます)

 

 見通す将来の範囲が極端に短い患者さん

(今生活を改善すれば簡単に治療できると言っているのにそれが出来ない人。先の見通しが長すぎて、節制しすぎて人生が楽しくなくなって却ってストレスになってQOLが非常に下がってしまう人もいるので程度問題と思います)

 

 お薬手帳の持参を何度言っても持ってこない患者さん

 

 医療費の未払いをして、連絡してもつながらない患者さん

 

このような方はたくさんいます。

 そして、このような患者さんに振り回されて疑い深い性格になってしまった医療従事者もたくさんいます。

  日本中(いや世界中)ありふれた光景です。そんなのがありふれてるのもいかがなものですが。

 

 医療従事者の中には、生活改善をしない患者さんに堪忍袋の緒が切れ層になった経験のある方はたくさんいるのではないでしょうか。そこで、このようなぶっちゃけた実験に走ったのではないか思われます。相手の懐に入る。極端な方法なのですが、方向性は間違っていないと考えます。

 なぜなら、「綺麗事ですまない患者は斬って捨てよ」という方針ではないからです。

こうなると、非人道的なことになりますよね。

「綺麗事ですまなくても医療は見捨てない」という方針です。

自分の欲求にストレートに沿った刺激で動く人がいることに目を背けていないのです。

綺麗事でなくても、真正面から見つめる姿勢は大事です。多少生活習慣がゆるくても、人生が楽しめれば結果として長生きするかもしれませんし、死ぬ時に「やることはやった」と後悔しないかもしれません。むしろこれからは後者の気持ちを持って亡くなる事が大事なのではないでしょうか。

 

 今後、研究デザインをもう少しソフトにして折り合いをつける方向になるのでしょう。人間のストレートな感情や欲求に沿ったアプローチが効果的な人がいる。今回の実験は倫理的にちょっとまずいところがあるので、感情的なアプローチはそのままにして改善する必要がある。洗練させなければいけない。実際、論文内にもそのような主旨で書かれています。ぜひともそのような方向に向かってほしいですね。

 

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

内服の便秘薬の換算表

keisyuke-blogyakkyoku.xyz

で書かれたセンノシド下剤の力価換算表を作ってみました。

 

f:id:miyaq:20180505170411p:plain

 「プルゼニドを粉砕したい」という申し出が合った場合→1錠あたりセンノシド細粒0.15gに変更するよう処方提案

 「ラキソベロンを粉砕したい」という申し出が合った場合→1錠あたりセンノシド細粒0.13gに変更するよう処方提案

(きっちり計量できるので、飲む薬の量が安定するのと、調剤器具の清掃が少し楽になりますね)

 ラキソベロン1錠あたりラキソベロン液は5滴という考え方もできます。

ラキソベロン内用液1本10mlあたりは150滴とされています。

f:id:miyaq:20180505174531p:plain

頓用で出す場合に、ラキソベロン内用液に換算した場合に何本必要か計算する時にどうぞ。

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

ケトプロフェンの光線過敏症はベンゾイル基?

 モーラスに代表される、ケトプロフェン製剤を使用した後に起こる光線過敏症。

他の痛み止めの湿布でも起こるのかという疑問が起こりそうですね。

 
f:id:miyaq:20180503102947j:image

非常に雑に各NSAIDsの構造式を描いてみました。

緑色で囲ってあるのが各化合物に共通すると感じた部分です。

はっきりとした確定はないのですが、ケトプロフェンの構造式の左半分の部分が光線過敏症に関わるという推察があります。

 日焼け止めで過敏症を起こしたことある方はケトプロフェン製剤は使わないようにお願いします。

オキシベンゾン(ちょうどケトプロフェンの左半分の骨格と類似)

KEGG DRUG: オキシベンゾン

オクトクリレン、

オクトクリレン - Wikipedia

が該当成分に当たります。

 

ケトプロフェン製剤を使う場合は、使用終了後4週間は光に当てないか、光に当たらないところだけの使用にしましょう。(使用部位を薬剤師は確認しましょう)

(湿布やテープだけでなく、ローションやゲルでも起こりえます)

 薄手の服だと、光線過敏症を起こすことがあったり、使用終了後4週間語を超えて過敏症を起こす場合もあるので、腰や背中に限定した使用にするのも無難でしょうね。

 過敏症の起こりにくい消炎鎮痛成分に貼付剤にする方法もあります。上の図にあるロキソプロフェンの貼付剤は過敏症を起こしにくいとされています。

 

 

参考

ケトプロフェン外用剤による光線
過敏症に係る安全対策について

http://www1.mhlw.go.jp/kinkyu/iyaku_j/iyaku_j/anzenseijyouhou/276-1.pdf

第一三共の資料(ロキソニン外用剤)

 

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

緑内障の点眼薬まとめ

 

 

ざっくりとした緑内障という病気の解説

目の中を循環する房水の流れが滞る

→眼球を押す圧が高くなる

→視神経を押す

→視神経の細胞がやられる

→見えづらくなる

 

 日本人の場合、ほとんどの緑内障は一気に見えなくなるもの(閉塞隅角緑内障)ではありません。徐々に視神経がやられて見えにくくなっていきます(開放隅角緑内障)。眼圧が正常なのに視神経が房水が詰まって起こる、眼球全体を押す力についていけなくなる(正常眼圧緑内障)人が多いです。(日本人の緑内障の7割が正常眼圧緑内障と言われています)

 見えにくくなって受診した場合、緑内障としてはかなり進んでいます。そこで、30代になったら一度は眼科を受診するのはどうでしょう。(40歳以上の28人に1人は緑内障とされています)

 この緑内障。効果があるとされているのは「眼圧を下げる」ことです。正常眼圧緑内障でも、なるべく眼圧を下げることが肝心です。

 緑内障の目薬にはどんな物があるでしょう。

1.単独の製剤

緑内障で使われる点眼薬の種類は一気に増えました。

その中には特定の病気の方には使えないものが結構あります。

 

★β遮断薬

 作用:房水産生抑制(とされる:まだ細かくはわからない)

 特定の疾患の方に使えない薬の代表格です。

 1.気管支喘息、又はその既往歴のある患者、気管支痙攣、重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者〔β-受容体遮断による気管支平滑筋収縮作用により、喘息発作の誘発・増悪がみられるおそれがある。〕

 

2.コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック (II、III度)、心原性ショックのある患者〔β-受容体遮断による陰性変時・変力作用により、これらの症状を増悪させるおそれがある。〕

(チモプトール点眼液添付文書より)

 

 どんな薬がある?

 成分:チモロールマレイン酸塩

    チモプトール点眼液(先発)

    後発医薬品は多々あります。

    1日1回の点眼で効果が出る製剤もあります。(チモプトールXE、リズモ

    ンTG)

 成分:カルテオロール塩酸塩

    ミケラン点眼液(先発) 後発もあり 飲み薬は高血圧や、頻脈の治療に使われます。

    1日1回の点眼で効果の出る製剤もあります。(ミケランLA)

 

 成分:ベタキソロール塩酸塩

    ベトプティック点眼液(先発) 後発もあり 飲み薬は高血圧や、頻脈の治療に使われます(商品名ケルロング)。

 こちらは、β遮断作用がβ1受容体に限定されているので、気管支喘息の方には使用できますが、喘息の状態が悪くなる可能性はあります(心臓に関しても、コントロール不良の心不全以外の方には有益性が危険性を上回る場合に使用できます。)

 

★α1遮断薬

 房水の排出促進をします。

 成分名:ブナゾシン塩酸塩

 デタントール点眼液(先発) 後発医薬品はなし 内服はあり(デタントール錠)

 他の緑内障点眼で十分な効果が得られない場合の使用を検討となっております。

 

★α2作動薬

房水の産生抑制、輩出促進療法を行います。

成分名:ブリモニジン酒石酸塩

アイファガン点眼液 後発医薬品はなし 

他の緑内障点眼で十分な効果が得られない場合の使用を検討となっております。

 

★αβ遮断薬

 α受容体もβ受容体も遮断します。よって、β遮断薬が使えない人には使えません。

 房水の排出促進(α遮断薬)と房水の産生抑制(β遮断薬)の作用を持ちます。

 

成分:ニプラジロール

  ハイパジールコーワ、ニプラノール 後発あり

  飲み薬もあります(ハイパジールコーワ錠)

 

成分:レボブノロール塩酸塩

   商品名:ミロル点眼液(先発) 後発もあり

 

★副交感神経刺激薬

 房水流出を促進します。

 成分名:ピロカルピン塩酸塩

 商品名:サンピロ

縮瞳するので、暗いところに行く場合は見えにくくなりますし、網膜剥離の恐れもあります。

★交感神経遮断薬

 房水流出を促進します。

 成分名:ジピベフリン塩酸塩

 商品名:ピバレフリン

 閉塞隅角緑内障の方には使えません。(開放隅角緑内障と診断された後に使用)

 

抗コリンエステラーゼ薬

 成分名:ジスチグミン臭化物

 商品名:ウブレチド 後発品あり、内服あり。

 

★炭酸脱水酵素阻害薬

 β遮断薬とは異なるしくみで房水の産生を防ぎます。

 こちらは、成分が腎臓で排泄されるため、重い腎障害の方には使えません。

 成分名:ブリンゾラミド

 商品名:エイゾプト 後発品発売予定

 成分名:ドルゾラミド塩酸塩
 商品名:トルソプト

こちらも、他の点眼薬で効果が不十分な場合に使用とあります。

 

★プロスタグランジン誘導体

 房水排出を促進します。

 別にかかっている病気に関係なく使用できるのが長所です。

 

 成分名:イソプロピルウノプロストン

 商品名:レスキュラ(後発品あり)

 成分名:ラタノプロスト

 商品名:キサラタン(後発品あり)

 成分名:トラボプロスト

 商品名:トラバタンズ(後発品発売予定)

 成分名:タフルプロスト

 商品名:タプロス(後発品なし)

 成分名:ビマトプロスト

 商品名:ルミガン(後発品なし)

 

 かかっている疾患に関係なく使えるのが特徴で、効果も高いのですが、

 使用当初はほぼ確実にしみる 充血する 点眼後はまぶたを拭かないとまぶたに黒いシミがつく など、夜お風呂にはいる前に使うことを推奨される薬です。

 「まつげが伸びる」と美容目的で使用しようとしていた人もいるぐらいです。(ビマトプロストのマスカラ状製剤であるグラッシュビスタ(保険は効きません)はまつげを増やす、延ばすべく美容目的で使うところもありますが、本来は、病気などでまつげが少なくて目が乾く人向けのものです)

 

★ROCK阻害薬

  房水流出を促進する

 成分名:リパスジル塩酸塩水和物

 商品名:グラナテック(後発品なし)

 β遮断薬、プロスタグランジン製剤を使用して効果が十分でなかった場合の使用  

 

 

2.配合剤

2種類の点眼薬を配合したものもたくさんあります。

メリットは、「さす回数を減らせて、さし忘れが少なくなる」「添加物を使用する量が少なくなる」です。

配合剤をまとめたもの

f:id:miyaq:20180430102338p:plain

 

 

 

 

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

敢えて言おう!なぜ薬剤師はジェネリックを勧めるのか

 ジェネリック医薬品を薬局で勧められると思われます。

 

 なぜ、薬剤師がジェネリック医薬品を勧めるのか。いろいろな視点で説明します。

f:id:miyaq:20160505091601p:plain

1.国民医療費から見た視点

 国民医療費は増大していってます。高齢者が増えているからです。

といったら、外に出歩いている高齢者や施設に入居しているをイメージするかもしれません。実際は、亡くなる直前がダントツで多額になります。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0322-11a.pdf

上記は高齢者の受診動向についての資料です。

 終末期は、なるべく命を絶やさないようにすると治療が施されます。よって、多額になります。こちらの額を下げれば国民医療費は確実に下がるのですが、

 命の選別をされているような印象にもなりますし、

 残された家族に与える精神的ダメージも大きいです。

 終末期に自分の家族を切り捨てた、となればその家族が後悔し、心身ともに病んでしまい、さらに医療費が増えることになります。

 そこで、命にまだ直接の影響を与えにくいところを節約して、なるべく多くの生命を守れるようにする政策が「ジェネリック医薬品の使用」です。

 若い人になるべく生活習慣病などの病気にならないよう努めるようはたらききかける方法もあります。これも限界があります。

生活習慣が悪いわけでもないのに、もともとの体質で生活習慣病になる人もいます(日本人は欧米の方に比べて糖尿病になりやすい)、

規則正しい生活を続けるのは息苦しいです。

 また、高齢化で増える疾患として認知症がありますが、これには効果的な治療法が見つかっていません。他の疾患を防いだとしても、他の高齢化による疾患にかかる治療費がかかります。

 そもそも、長生きすると年金などの社会保障費がかかります。なるべく長い期間働いて、年金に頼らない生活をすることが国からも求められています。しかし、死ぬまで働くにも限度があります。現時点での健康寿命は70歳程度です。国は健康寿命を延ばすことを目指しています。(健康寿命と寿命の差=介護や世話が必要となる期間を短縮させる目的です。さすがに、寿命を縮めることを行政がストレートに打ち出すことは出来ませんので、健康寿命を延ばす話題になります。しかし、回復の見込めない人に対する胃ろうや、終末期医療について国民に心構えを持ってもらう施策は行っています)

 個人差は大きいですが、80歳の人が30代の人並みの長時間働くことは難しいでしょう。また、30際の頃のような長時間労働に疲れて、働くことに嫌気が差している人も多いでしょう。

 

 

2.薬局の都合

 後発医薬品調剤体制加算というものがあります。

 薬局全体で使用される、後発医薬品が存在する薬のうち、後発医薬品を使用した割合によって加算があります。

 この4月からはこちら。

 <病院・診療所>

◆後発医薬品使用体制加算1(入院料の加算)
加算1:45点、後発医薬品使用割合85%以上
加算2:40点、後発医薬品使用割合80%以上
加算3:35点、後発医薬品使用割合70%以上(現行70%以上は42点)
加算4:22点、後発医薬品使用割合60%以上(現行60%以上は35点)

◆外来後発医薬品使用体制加算(処方料の加算)
加算1:5点、後発医薬品使用割合85%以上
加算2:4点、後発医薬品使用割合75%以上
加算3:2点、後発医薬品使用割合70%以上(現行70%以上は4点)

◆一般名処方加算(処方箋料の加算)
加算1:6点(現行3点)
加算2:4点(現行2点)

 

<薬局>

◆後発医薬品調剤体制加算(調剤薬局)
加算1:18点、後発医薬品使用割合75%以上(現行75%以上は22点)
加算2:22点、後発医薬品使用割合80%以上
加算3:26点、後発医薬品使用割合85%以上

◆調剤基本料の減額(調剤薬局):2点減算(新設)
【施設基準】
 次のいずれかに該当する保険薬局であること。
(1) 当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品および後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が2割以下であること。ただし、当該保険薬局における処方箋受付状況を踏まえ、やむを得ないものは除く。
(2) (1)に係る報告を地方厚生局長等に報告していない保険薬局であること。

 

 

 というのは、後発医薬品はたくさんのメーカーが存在し、患者の希望に応じて同じ成分の後発医薬品を複数置いておく場面がありえます。最近は改善されたものの、後発医薬品は1000錠包装しか売っていないなんてこともありました。14錠しか使わなくても、薬局は1000錠分の金額を医薬品卸(もしくはメーカー)に支払うことになります。さらに、薬局はメーカーに消費税を支払っていますが、患者には転嫁していません。

 病院のほうが点数が低いのは、病院は採用医薬品を決めていて、その範囲内での処方に限定されることが多いからです。薬局のほうが取り扱う医薬品の範囲が広いです。病院のほうがロスは少ないです。珍しい病気や症状の薬であっても、そのような症状の患者さんが集まりやすいです。専門的な医療を必要とする患者さんを一つの病院に集約しているからです。それでも非常に珍しい疾患の方も来るので、大きな病院であっても、一人にしか処方されない薬や、散発的突発的にしか使用されない薬があり、期限切れは起こりえます。

 

 薬局が医薬品卸から買う値段は、法律で定められていません。医薬品卸がメーカーから買う時の価格も、法律で定められていません。これらはそれぞれの企業の交渉によって決まります。薬局・医薬品卸によって価格は異なります。

患者さんにお出しする時の価格は国の法律により決まっています。誰に対しても薬価は同じです。しかし、薬局の機能や処方箋を受け付ける時間によって価格が変わってきます。当ブログでは何度も言いますが、薬の値段は薬というものだけで決まってはいません。物を正しく使えるようにするための個別の情報に値段がついています。

 つまり、

 医薬品メーカー → 医薬品卸

 医薬品卸 → 薬局・病院・診療所

の売価は資本主義的な取引で決まります。

 安定して長期間大量に購入してくれる、大きな取引先には売り主も気を配って安くしたり、流通が滞るようなことがあれば優先的に納入されます。あまり買ってくれないところの納入価は安くありません。

 なお、納入価と売価の差は今はあまりありません。物によっては納入した時点で赤字のものもあります。どこで従業員の給与や機械のメンテナンス費用を稼ぎ、なるべく長く薬局を維持し、地域の住民に医薬品を供給し続けることが出来るか。そのためには各種加算を積極的に取りに行くように努めるのは当然です。稼いで私利私欲に走るわけではありません。(時折私利私欲に走る人もいますが、それはどの業種にもいます)

 薬局で働く薬剤師や事務、栄養士などのスタッフも同様です。稼いだお金で地域の住民に還元すべく、自己研鑽をします。

 つまり、各種加算を得るのは、最終的に地域の住民に還元するためです。

 

3.後発医薬品に不安のある方へ

 それでも、後発医薬品に不安がある方には1つ方法があります。

 オーソライズド・ジェネリックです。

 先発医薬品を作るメーカーの許可を受けて、先発医薬品と同じ原料を使用したり、ものによっては製法(果ては製造工場)まで同じジェネリック医薬品です。先発医薬品のメーカーの関連会社や子会社が販売していることが多いです。

 

 国は2020年度までに後発医薬品使用割合を80%にあげたい。

 患者は先発医薬を使いたい(人によってはなるべく安く)。

 医師も先発医薬品を使いたい(昔の後発医薬品の品質に疑問を持っている人は特に)

 

これらの需要を「形だけでも」叶えたい人にはうってつけの医薬品です。 

 体裁だけ整えたい、非常に日本人向けの発想ですね。

 すべての医薬品にオーソライズドジェネリックがあるとは限りませんので薬局に相談を。

 

 

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

【参加報告】「エクスファルマにソクラテスがやってきた」と「兵庫医療大学 構造式ワークショップ」

 今回は2つの研修を同時にひとつの記事にしました。

 

というのは

内容が重複してくるからです。さらに、研修の開催される順番も良かったです。

(主催者は別です)

2つの研修の場所同士が近い

 

1.エクスファルマにソクラテスがやってきた

 門真薬剤師会の時の講演より真面目でした(笑)内容もしっかりまとまっていてわかりやすい印象がありましたw もしかしたら私が何度も聞いているからかもしれませんw

 ざっくりまとめると

 1.薬歴を書くためには、患者さんをしっかり観察すること

  治療上問題がない状態のことも記載し、基準がわかるようにすること

  患者さんを見ないと、何を支援すればいいのかわからない。

 2.薬剤師自身のアセスメントを明確にすること

  そのためのジャブとなる質問を患者さんにすることや

  判断材料にするための知識をつけること

  自分が考えていることを言葉にする技術を身につけること

 3.薬理、薬物動態、化学構造式、製剤は薬学の基本

  これらの基本となる知識をきっちり身に付け、つなげていくこと

  どうまとめていくかは

www.kinokuniya.co.jp

にあるので購入して読もう

 4.先輩はどんどん学んだことを情報発信し、全国の薬剤師(特に若手)に学べる資料を与えよう

 全国には多くの一人薬剤師がいます。また、研修もOJTもないまま、現場に放り出されて自己流でやっている薬剤師もたくさんいます。他人の薬歴を見たことがない薬剤師が多く存在します。

 店舗数が急激に増えたため、薬剤師を現場で育成する体制が整わないまま日本の医薬分業は進みました。先輩たちが、自分の経験や知識をSNSやブログで発信することで、顔も名前も知らない薬剤師へのアドバイスになるでしょう。知識の伝承が、薬剤師のレベルを上げます。

 

 

 以下は感想です。

 

 「薬歴の書き方を教えてください」と聞かれるそうですが、そこには「評価する人が隠し持っている正解は何なのか教えて欲しい」という気持ちがあるのではないかと感じました。

 患者さんのどこを見るのか。継続して観察、指導するための記録ではないかと思いました。継続した記録を見やすくすること、普段自分が服薬指導時に何を考えて指導しているのか意識して言語化することが大事なのではないかと考えました。

 そのためには、患者さんの薬物治療でどこがひっかかるのか(もしくは現在は観察する状態なのか)、どう対応すれば前に進むのかを考える必要があります。

 経験則で漠然と「こうだろう」という指導ではなく、もっと踏み込んで、他人が指導してもわかるようにすることが肝心です。なぜならば、薬剤師と患者の年齢のバランスでその人の指導を一生できるとは限らないからです。

 また、安定している状況でも、安定していることの証拠として患者さんの「今の状況」を記すのも立派な記録です。

 歩いて一人で薬局に来た、家族と一緒に来た、杖をついて一人できた・・・

 血圧の数値

 声のハリ

今の状況を記録し、今は安定していることを確認」と記載でいいのではないでしょうか。

 

 「薬理学」「薬物動態学」「製剤」「構造式」これが薬剤師が持つ独自性であり、薬学のど真ん中とのことです。

 確かに、化学構造から医薬品を見るのは薬剤師のみです。また、安全性を重視しているのも薬剤師がメインです。

 これらの知識を組み合わせて、体の中でどういった事が起こるのか、薬物動態だけでない一連の流れを把握しましょう。

 薬が作用することで、影響を受けるレセプターと物質が存在→

 そのことで、体内で変化に対応するべくどんなことがおこるのか

 

 ただ単に肝臓でのコレステロール生成が阻害される、で終わるのでなく、コレステロールが肝臓で作られなくなったらどこからコレステロールを調達するのかについてまで考える。

 

2.構造式ワークショップ「薬のカタチを楽しもう」

 
f:id:miyaq:20180408200856j:image

 先週と同じく、グランフロント大阪で行われました。

 今回は、薬の構造式を読み解けばいろいろなことがわかるようになるというものです。

 構造式が分かればわかること

 1.物性(水に溶けやすいか否か、安定している物質か)

 2.作用(働きかける受容体)

 3.吸収及び代謝、排泄(薬物動態)

 4.薬品や食品との相互作用

これは、薬剤師のみが学んでいる分野です。薬学のど真ん中と言えます。

 昨日のソクラテス先生(この記事では一度も本名で書いていない)も同じことを言っていました。

 構造式について学べていない理由、どうすればより知識が深まるかについて話し合いました。すると、いろいろな意見が出てました。

 

 薬剤アレルギーを構造式である程度予見できる事例

 相互作用はどのような構造式の変化で起こったのか?

 構造式では省庁で吸収されないとされるのに、吸収される物質があればトランスポーターの存在を疑え

 今、話題の新薬に起こり得ることは?

 

といった話題をテンポよく、SGDと抗議を交えて行われました。

 

今回、私が参加したグループの方のうち複数の方が持ってきていて役立ったのがこちら

 

honto.jp

 

 清水先生が紹介した2冊。いずれも持ってますが読み切れていません・・・

 

www.kinokuniya.co.jp

www.nanzando.com

 ここで学んだことを咀嚼して、ブログに書いたり会社で伝えられるように精進します!

 

 

そして最後にこちらの告知!

 

 

 

 

 

 

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

【参加報告】2018/4/1 AHEADMAP x EBM倶楽部ジョイントワークショップ

 4/1(日曜日)に行われたAHEADMAP x EBM倶楽部ジョイントワークショップの参加報告をします。

 
f:id:miyaq:20180402062949j:image

 今回は、ある患者さんの問いかけに対する答えを得るべく、処方提案を行う企画でした。とかく、論文を読める自分かっこいい!と誤解されがちな薬剤師によるEBM。しかし、今回は非常に泥臭い、血の通った処方提案につながっていました。

 

 

 今回のワークショップのメイン

 問題の定式化(PECO/PICOを決める)

 患者さんの考えや状態に沿った、エビデンスのある情報を読み取っての処方提案

 

 論文を検索するのはメインではありませんでした。なぜ、EBMを行うのか考えれば、当たり前です。いちばん大切なのは、患者さんのことを知ること、知ろうとすることです。

 患者さんのこと(経時的な疾患の状態や薬物治療歴、生活状況など、薬物治療に繋がる情報、治療に対する希望、人生における価値観)を知って、信頼関係が得られば、より精度の高い問題の定式化ができます。

 また、論文情報や薬理学有機化学の情報から、どういう結論に導くのかも。患者さんの価値観が尊重されます。(優先ではない場合もある)

 

 

 どんなワークショップだったのか 

 今回の参加者は約30名でした。参加者を5-6名のグループに分けます。

 最初は、参加者間の気分を緩めるべく、「処方提案について困ったこと、必要な準備」についてのワールドカフェ形式での話し合いがありました。

 

  ワールドカフェとは

ワールド・カフェとは? | ワールド・カフェ・ネット

 

 ここで、処方提案についてのイメージを膨らませた後に本題に入ります。

 

 

 本題では、SGD(スモールグループディスカッション:少人数による話し合い)でした。同じ題材を複数のグループで話し合い、それぞれのグループで出した結論とそれを導いた根拠を発表していきました。グループの参加者の意見をそれぞれ尊重して話し合いが進んでいきました。

 

 その前後には、論文のデータの読み方についての講義がありました。わかりにくい言葉を簡単に解説していました。

 大切なのは

 比だけではなく差も見ること

 10000人中10人に起こる症状を薬で10000人中4人に減らすこと と

 10000人中1000人に起こる症状を薬で400人に減らすこと

では減らす比率は 0.4 と同じですが、

 減らす人数は 6人と 600人で大違いです。

 同じ薬価の薬で考えると、後者のほうが価値が高いと言えます。

 

 それと、論文のP値は無視していいことの解説

 箱ひげ図の読み方

 がスッキリ理解できました。

 

気づいたこと感想

 ここでも、気づくことがありました。

 それぞれのグループが、複数の論文を読んで導き出した答えが違っているのです。

それぞれが、それぞれの着眼点を持って発表していました。薬価などのデータも含めて論拠を発表するところ、具体的に医師に提案をするシナリオを発表したところ、いろいろありました。そのどれもが、自分にはない着眼点で、尊重できるものでした。今後、お互いの着眼点を自分のものにして、より患者さんに沿った相談、服薬指導、受診勧奨、処方提案ができるのではないかと思います。

 

 そして、結論に導き出すためには多くの患者さんの情報が必要であることも実感しました。過去の検査値、患者さんの生活スタイル、外見・・・。

 

 こういったことを、実際に体感できるワークショップは非常に価値があります。それは、参加者が自分で参加したくて来ているというのも大きいと考えます。それと、SGD参加者がお互いの意見を尊重し、聞く姿勢があった、有るように仕向けたのも良かったと思います。これは、WSを作ったスタッフの方の作り方がうまかったのと、WSの目的がしっかりしていたのが理由ではないかと思います。スタッフの皆さんの大変な苦労が見て取れました。

 

 ただ、改善点もあります。WSは長いので、どうしても子育て中の女性が参加するのは難しいこと、やる気があまりない人も参加する社内研修にはもうひと工夫必要な印象がありました。今回の参加者は大半が男性でした。

 

 話はそれますが。メディアの役割は、一次情報へのアクセスを簡便にすることではないかと思いました。WSでも、同じ一次情報でも見る人の価値観というフィルターによって(今回のWSの患者像も薬剤師から見た患者像に過ぎません)変わります。同じ情報であっても、価値観の捉え方によって、行動がまるっきり違うという結果をWSで目の当たりにしました。

 客観的な情報で行動や捉え方が180°変わるのですから、メディアが自身の意見をわかりにくく混在させることは読者の目を曇らせるだけです。なるべく多くの一次情報を集めて、読者の判断材料を増やすのがメディアの仕事ではないでしょうか。 

 

 今回得たことの要約

 1.問題の定式化と、結論を導くためには患者情報を多く集め、患者さんをよく知ることが必須。

 2.客観的な情報だけでも、評価する人のフィルターによって答えが異なってくる。

 

 もっと多くの人に今回自分が体験したことを実感して欲しい。しかし、WSの性質上多くの人が参加するには限界がある。多くの人に知ってほしくて、この記事を書きました。

 最後にもう一度

 EBMで一番大切なのは、患者さんのことを知ること、知ろうとすること

 

 

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村