「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

「薬剤師の働き方改革」について(2)「心身ともに休んで、メリハリのあるシステムを作ることは国民利益につながる」

 薬剤師としての業務を、長期間継続していく方法としての「働き方改革」。

 そのために、業務に参画する人を増やす

       高いレベルの業務ノウハウを共有する

       必ず休む仕組みを作る

       薬剤師業務内で役割りを分ける

 

 ことの必要性を記しています。

 

 ★必ず休む仕組みを作る

 ただし、高みに登れそうな人数も限られます。本人の能力だけではありません、いろいろな制約で仕事にリソースが割けない人も多いからです。

 自分の事情

 家族の事情

 さまざまです。

 むしろ、仕事に全リソースをつぎ込める人のほうが少ないです。

 同じ医療職でも看護師は患者さんの支持を得ていますが、同時に働き方改革も行っています。過酷な労働だから支持を得られるというのは違うと思います。薬剤師も同様に女性が多い仕事です。(医療に携わる薬剤師の数で言えば3分の2)出産や育児、介護で一時十分な時間働くことが出来ない状況になる人が多いのです。

 在宅のクリニックや土日に開けている医療機関も医師は複数体制です。土日は代診の医師だったり、そこに携わる医師が順番で回したりしています。

 (もしかしたら、薬剤師が土日や夜など参加しない人が多いと思っているのでしょうが、これはシステムの組みようで対処できるのではないでしょうか)

 

 働く時間の制限は女性に限りません。親の介護や自分や家族の病気で働き方に制限が出てくる人も増えてきます。

 もし、

 医療・介護職に就いたら優先して家族を介護施設に入れることが出来るとか、

 保育園に優先して入れるとか制度があればいいのかもしれませんが、

そういった状況ではありません。

 

 最近は、所属するコミュニティがひとつではない人が増えた(多い)ため、どっぷりその業務に携われる人が減った結果、立ち行かなくなるものも増えてきています。仕事ではないけれど、PTAとか町内会の活動が立ち行かなくなっているのは、企業活動でバンバンやりたい人と地域活動をバンバンやりたい人が直接やり合わず(お互い別の世界にいるので直接対面しない)、どちらでもない人が振り回されているように思えます。

 (これは会社での仕事に限らず、地域活動、子育て、家事、いろいろな分野で「極めるのが大好きな人」によって起こされた無理のある質の向上の結果と認識しています。)「子育てや家事でこだわるのが大好きな人」が一番多くの人を心身ともに痛めつけているように思います(;・∀・)

 

 実は、週5日40時間働くのが体力的に無理な人も意外と多いです。定期的に通院を必要とする大きな疾患もないけれど、気候によって体調を崩したり、今詰めて作業すると倒れたりする人がいます。

 そういう人でも、週3日20時間だったら働ければルーティンの支援的活動には参加できます。それだけでも、薬局の外で活躍する人の助太刀になります。普段接している患者さんには優しくなれても、同じ状況の一緒に働く人には優しくなれないなんて本当にヒューマニュズムを持ち合わせているといえるのでしょうか?

 

 

 「止まると死ぬ」系の人は、まとまった休みを取ってそこでも活動的にしたがるのでしょう。しかし、「週5日40時間働くのも無理な体力の人」はまとまった休みよりも、こまめな休息を求めています。まとまった休みがあってもその半分ぐらいは疲れを取るために寝て過ごします。(実際、そのような友人がいますが、週2日の休みは連続でないと働けませんし、その2日の休みの1日目は必ず寝ていて、ひどい時には疲れが取れるのが2日目の夕方ということもあります)

 それと、年をとったら体力が落ちていきます。

 

★お互いのライフスタイルを尊重しよう

 

 制約のある人でも参入できるようにして、体調が悪くなっても引き継ぎやすい作業を行ってもらえば、お互い住み分けが出来ると思います。

 

 自分の働き方を他人に求めず、お互いの生き方を尊重するのがいいのではないでしょうか。 

 

 それでは働きたい人から「もっと働きたい」「不満」の声が出るかもしれません。

働きたい人は働けばいいんです。ただし、それを他人に求めないこと。理由があって働けないことを理解しましょう。あなたも、理由があって働いているのでしょうから。それが出来ない人が多いなら、一つの場での働く時間を制限して、副業を許すほうが余暇時間の選択肢として「働く」ことになるのだからお互い様なのではないでしょうか?

 

 ただ、ワーカホリックの人は注意してください。体が強い分、自分の体調の変化に鈍感です。知らぬ間に疲れが溜まって体を蝕みます。気づいた時に命を失ったり、後遺症で仕事に戻れない体になることもあります。そうならないためにも意識して休む習慣が必要です。体が弱い人はそれほど重症になる前に体のほうが警告を出します。ゆえに、体の弱い人は案外長生きです。意識して何もしない時間を作りましょう。 

 

そう考えたら、副業をしたり、自分の住んでいる地域の活動をしたりで薬剤師としての時間以外を持つことはメリットが大きいですね。勿論、自己研鑽をしても構いません。

 ある人は家庭、

 ある人は趣味、

 ある人は副業と、

 パワーを分散できます。さらにいえば、いずれ薬剤師を辞めるときに、自分には何も残っていなかったなんてことにはなりません。

 

 「太く短く」働く人よりも、「細く長く」働く人のほうが多くの人に影響を与えられます。たとえ、週40時間働けない人でも、40年大きな病気をしないで働くことができれば、その地域の患者さんの経過をよく知ることが出来ますし、後進に指導できます。表立って指導していなくても、接しているだけで指導になります。

  

 

 

 

休むこと、つまり仕事以外の時間を持つことはプラスです。

 患者さんの生活を鑑みて薬物治療に携わるとなったら、生活者の視点は必要です。自らが生活者としての時間を過ごし、感覚をつかむことも必須です。患者さんは生活の中で治療をしています。治療を生活になじませるには、絵空事のような治療では実現できません。スーパーで売っている野菜の値段を知らないで、栄養指導するのは重みが違います。

 また、体を休ませ、体力気力を充実させることで継続して業務に携わることが出来ます。

 休みはただ休むだけでなく、趣味に勤しんだり、勉強に励んだり、家事をしたり、それぞれが自由に自分なりの時間を過ごします。それが、患者対応の引き出しが増えることにつながるかもしれません。

 

 裾野が広がることで、多くの一般の国民にとって「がんばってるね」という評価をいただければ、一部の声の大きい人が「薬剤師は頑張っていない」と言っても返せると思います。(こういう人は、どんどん満足のハードルを上げていく人でもあると思います)

 

 誰がどうみても過酷な労働をしていても、納得しないタイプの人もいます。そういう人はどんなに頑張っても人の頑張りは認めません。他人を認める気がないのです。認めないでどんどん頑張らせる事が目的の人もいます。

 それに、過去に比べて一般の人の薬剤師バッシングは少なくなっているように思います。飲み方の工夫を教えてくれた、疑義照会で間違いを止めた、など地道な活動は国民に伝わっているようです。 

 

 家族や自分の状況に合わせて働ける人も活用したほうが裾野が広がって、バリバリ働きたい人がルーティンワークに縛られることが少なくなります。お互いの持ち場で頑張ればいいのです。

 多くの人が自分ができる範囲で仕事をし、支え合うことができれば、お互い効率的に思うのですが、どうでしょう? 

 

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「薬剤師の働き方改革」について(1)「裾野を広げよう」

 今回の記事は、自分が寄せたコメントを拡張する内容です。

 

熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」
薬剤師の働き方改革、どう考える?

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/kumagai/201801/554379.html

 

以下のコメントをしました。

” どの業界でもいえるのですが、制度全般を作る人がワーカホリックの人ばかりで、彼らの価値観で物事が決まっているように思います。実際の世界では、むしろワーカホリックの人は少数で、働くのが嫌いな人や働こうにも制約のある人やる気はないけど与えられたことを淡々とこなす人が多数で、彼らが粛々とこなすことで世の中は回っています。

 継続して運用できる制度にするには、やる気はないけど淡々とこなす人が粛々と運用できる制度にしたほうが確実と私は思います。ワーカホリックの人が目先のことだけを考えて労働の質を高めすぎた結果、誰も後継者に名乗りを上げず事業が継続できなくなることは日本のものづくりの現場では散見されます。業務の継承は、競争相手を作り自分の付加価値を下げてしまう恐れもあります。

 しかし、医療業界は人と人との関係に重きを置くので、同じ業務を行う人が増えたほうが助けられる患者さんの数は増えます。業務の継承やマニュアル化は、むしろ自身の業務を言語化して他者に伝える能力があると判断され、価値は上がるのではないかと思います。

 ワーカホリックの人は得てして自分の体力を過信しがちです。働いている時に夢中になって自分の疲れや体調の変化に気づかないのかもしれません。いざ体調不良に気がついた時は取り返しのつかない状況だった、ということになったら、自分の考え方や行ってきたことを他の人が引き継ぐのは容易ではありません。

 働きたい、人のためになりたい、という気持ちは強いのは認めますが、体を壊してしまっては多くの患者さんを助けられなくなってしまいます。家族も路頭に迷って、支援を必要とする人を増やしてしまう恐れもあります。細く長く働き、仲間を増やすことで日本全体でより多くの国民の健康に寄与できるのではないでしょうか。

 

助けられる患者さんが増えたほうが薬剤師の役割が果たせ、国民に与える印象が良くなると思うですがどうでしょう?

 少数のカリスマ薬剤師がいるけどその人にアクセス出来る人数が限られる状況と、輪番でそこそこ回っている状況では、どちらがより多くの国民に薬剤師という職業が届くでしょう?

 ”

(ここまで)

 働き方改革は薬剤師のためだけのものじゃありません。

 継続して事業を運営できるようにするためのもので、最大の恩恵をうけるのは国民です。 

ゆとりある働き方=さぼっていると考える人は落ち着いて物を考えてはどうでしょうか。 ゆとりある働き方=無理なく長期に渡って多くの人が業務に携われるので、多くの人が恩恵を受けられるのです。

 

 働き方改革はシステムの問題です。どんな家庭環境、体質、性格の人であっても運営できるようにするのです。そして、仕組みを作るのには時間がかかります。運用し始めてからの問題点もあり、改善するのに時間がかかります。仕組みを作るのは、本格的に人口が減り始めてからでは遅いのです。本格的に人口が減り始めた時点で運用が安定していなければなりません。

 もっと仕事をしっかりやるべきという意見もあります。長時間労働をし、私利私欲を排し、仕事に集中せよ・・・という精神論では全国各地で運用できるでしょうか?

 

 全国の広い範囲で、長い期間サービスが提供されることが最も多くの人にいい影響をあたえることが出来ます。

 

 「なるべく良質なサービスを広い範囲で、多くの国民が受けられる」ためにはどういう仕組みを作ればいいでしょうか?

 

 対人サービスが多いので、

 サービスに携わる人が長期間働けるようにすること 

 → サービス提供者側の心身の健康が維持できること

 → 休みながら交代しつつ働ける体制を作る、それぞれが役割りを果たせるようにする(得意なジャンルの仕事に特化させたほうがいい人と、それらをサポートする人/外の地域活動、在宅、薬局内での作業。多岐にわたります)

 → 多くの人が無理なく参加できる

仕組みが必要ではないでしょうか。

 

 今回の記事は、ノウハウの共有について書きます。

 

 120%の能力の人1人の人が24時間365日対応するのと、近隣にいる70%の力を持つ4-5人で休みを取りながら順番で輪番対応するのでは、これから10年間にどちらが対応できる人数が多いでしょう? 

 

  裾野を広げるほうがいいですよね。

 

 テレビの医療番組でも、スーパーマン医師の特集をよくされます。自分の体の治療なので、最高のものを施されたいのでしょう。実際は、スーパーマンでなくても治療できる疾患であっても、です。同じことを考える人はたくさんいます。自分が一番大切ですものね。自分さえ助かればあとは喉元をすぎれば忘れてしまう人も多そうです。そうなると、スーパーマンの取り合いです。しかし、一人の人に重い負担をかけるのはいい影響を与えませんし、散発するスーパーマンを期待するより、そこそこの能力の人が多く生み出したほうが良い医療を受けられる確率が上がります。

 

 その職業の人に求められる業務レベルが高くなる

 →その職業に就く人が少なくなる

 →人手不足になる

 →質の高い仕事をしていた人の仕事量が増える、もしくは他の業務に費やされる時間が増えて立ち行か泣かなくなる

 →燃え尽きて辞めていく、最悪の場合体を壊してしまう。

 →しかも、スーパーマンの技術は引き継がれないので良いサービスは途絶えてしまう。

 

 よりよいサービスと言っても、需要と供給のバランスが大事です。いくら良いサービスを求めても、供給する人が遠くに住んでいたのでは実現できません。

 それなら、近くに住んでいるそこそこのサービスを選ぶほうが実現できる可能性は高くなります。

 

 参入する障壁を無駄に高くすることなく、多くの人がサービスの提供を受けられるようにすれば結果として多くの人が恩恵を受けられると思います。

 

 では、裾野を広げるにはどうすればいいでしょう?

 

 ていうか、なぜ、「意識の高い人」は裾野を広げようという発想にならないのでしょう?

  自分が苦労して得た技能を安々と人にあげたくないからでしょうか? 自分に自信があるなら、自分はさらに高みに登るべく、自分にとっては簡単な仕事で誰かにさばいて欲しい仕事を分けようと考えませんか? もしかして、自分がとても崇高な存在だと思っていませんか?参入障壁を挙げることで、安定したいのでしょうか?それとも選民意識を満たしたいのでしょうか?(毒)

 「高い技術を持つ町工場が後継者がいないので事業をたたむ」という話題があります。もし、本当にその技術が必要ならば、世界中から技術提供の話が来ていたはずです。それを断っていたのでしょうか?断っているうちに世界はこの技術を必要とせずにいいものが作れるようになったのかもしれません。

 次世代に苦しい思いをさせたくない、と言っていますが、自分の技術を簡単に身につける方法をマニュアル化させなかったのでしょうか?疑問に思います。

 

 自分のノウハウを簡略化して、7割ぐらいこなせる人を量産すればいいのです。

 

 全部ではないノウハウを分け与えて、その道の第一人者になるという道もあるのです。自分の持てる技術を7割ぐらい教えて、実践できる人が10人いれば、その10人がさらに10人、100人に教えて・・・輪が広がります。弟子がさらにアレンジを加えて、あなたの技術が進化します。あなたは弟子のやり方を取り込んで技術を磨くことも出来ますし、教えることは弟子がやるので自分のやり方を極めることも出来ます。

 

  業務の効率化、マニュアル化、情報共有・・・ これだけの仕組みを作れる人になれば、現場での技術を後進に譲っても、重宝がられるでしょう。技術を長いこと独占した結果、根っこから技術事いらないなんてことになりかねませんが、システムを作れる人ならその思考能力を買われるでしょう。長時間の過酷な労働をする必要がなくなったからと言って、パワーのある人のアイデンティティが奪われるようなことはありません。

  さらにノウハウをマニュアル化し、それらの大元となって、よい影響を遠くにまで波及させられるようになれば、その人の価値は高くなります。ノウハウを伝えることはマイナスにはなりません。 そして、自分が始祖となって行われたことが、それぞれの場所で花を咲かせます。影響が長期に渡って及ぶのです。

 

「自分の知識は分かる人にしか教えてやらん」というケチなことは言わないでください。患者さんはたくさんいます。そして、人間の寿命は長いです。そのような態度を取る人の技術を使わずに良い医療を提供する方法を生み出されて、追い出されて終わりです。

 孤高のヒーローで終わるつもりですか?

 「周りが理解してくれなかった」と言って一生を終えるのですか?

 

 こういう「パワーのある人」は世の中の大部分を占める「やる気はないけど淡々とこなす人」が運用できる方向にそのパワーを向けてほしいです。

 そうすれば、もっと高みに登れますよ。

 

 「仕事が好きで好きでたまらない人」は、それそれの世界で「自分が思い描く、高いレベルの仕事」を求めて精力的に動きます。その結果、実現できそうにない絵に描いた餅のようなものができあがり、現場で運用する人が苦悩したり揉めたりします。

 そういった人ばかりが制度設計の場や運営側にいるから、やたらと気合で乗り切る仕組みになったり、現場が混乱することになるということに気づかないようです。

 しかし、他の人でもある程度まで運用できるようにすれば、自分の理想である、高いレベルの仕事をする仲間が増えるはずです。今までやってきたことの多くは他の人に分け与えればより質の高い仕事に集中できます。付加価値が高まりませんか? 

 

 

  

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やはり対物業務も大事だ

 「薬剤師の業務は対物業務から対人業務へ」と界隈では言われています。

 

 しかし!

 

 やはり、対物業務も大事だと思います。

 

 薬の量を間違えない

 お渡しする薬の包装が破損していない

 

など、患者があらゆる意味で安全に、衛生的に薬を飲めるようにする対策の中に対物業務が含まれると考えます。

 こちらは対人業務と対物業務が混ざっているもの

 患者にとって妥当な処方内容か

 患者さんの生活や疾患、体格などを知らないと判断できないので、対物業務とは言い難いです。既に、対人業務を行っていますね。そもそも、処方箋というものは患者さんの名前が記載されていて、一歩間違えたら毒になってしまう薬を、個別化することで安全に飲めるように工夫したものです。

 

 患者さんの手に渡るまで、薬の品質を低下させないように保管すること

 手に渡った後も、飲みきるまで品質が低下しないような対策をとること、取れるようにアドバイスすること

これも、「薬を渡してからが勝負」の範疇に入ると考えます。

 

 対人業務が大切だから対物業務はおろそかでいい

 でもなく、

 

 薬を安全に渡すことが第一なので、対人業務にまで手が回らない

 

でもない。

 

バランスが大切です。

 

患者さんが飲みきるまで薬の品質を低下させない

飲みきるまで所々の問題に対応して、次の治療確認ポイント(=次回診察)までつなげる

ための対人業務であり、対物業務と考えます。

 

 薬剤師が対物業務を手放してはならないし責任を取るのは当たり前のことだが、人によって異なってくる服用中の配慮や使用方法の提案といった対物業務に重きを置こうという意味と解釈します。

 

 

 

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「体が弱くて働けない」を言語化する

 今回のブログ記事、科学的な検証は全くありません。

 

 「体が弱くて働けない」を言語化するのがテーマです。

 

1.体が弱い人ってどんな人?

 病気で治療している人(診断で就労禁止されている人から普段は動けるけど突発的な発作で生活に支障が出る人まで)

 治療を必要とする程度ではないが、気候条件などで突発的に体調が悪くなる人

(なんとなくの体調不良であるため、積極的な治療をするより「やりすごす」ほうがメリットが大きい人)

 正社員の一般的な労働時間である「1日8時間、週5日労働」では寝込んでしまう人

 自分の体調管理の微調整が難しい人

 (体調管理が難しく、突発的に体調を崩すことと、体が弱いことは別の概念なのですが、体の強い人の場合は頻度が少ないですが、体の弱い人は頻度が高い上にかなり敏感に配慮しないといけません)


2.「体が弱いのに、遊べているじゃないか!ずるい」

 こう思う気持ちは非常によくわかります。特に、そういう人と一緒に働いていたり、同居している家族だと。一般的な人がするべき(と認識している)タスクをやらずに遊んでいるのですから。そのタスクを分担している側から見れば「遊んでいないで、私がやっているタスク(本来はその人がするべきと思っている)を手伝ってよ!」と言いたくなる気持ちはわかります。

 

 しかし、こう認識すれば自分のイライラは軽減されるのではないかということにたどり着きました。(まだ結論ではありません)

 するべきこと(仕事、家事など)しかできない生活だと(遊べないと)、心の栄養がなくなり、するべきこともできなくなってしまう。

 体の弱い人も、健康な人と同じく仕事も遊びもこなしたいんです。しかし、体力や健康の容量が少ない。それならばどうすればいいか?

 仕事も遊びも程々に。

 

パワー容量150%の人と60%の人がいます。

 150%の人 75%仕事 75%遊び

 

 60%は最初から75%でやるのは無理です。

 60%の人は、150%の人がやっているだけの仕事も遊びもできません。最初から無理です。となると、周りから見れば「60%全部仕事してほしい」でしょうが、それだとギスギスして、元気がなくなり60%だったパワーが50%40%と下がっていってしまうので、同じ縮尺で 30%仕事30%遊びでいくのが落とし所なのでしょう。

 

3.「倒れるんだったら無理しなくていいから、働かなくていいから」

 これ、周りの人から見れば本心なんですよ。がんばらなくていいから、コンスタントにタスクをこなして欲しい。倒れて働けなくなる。残されたタスクは周囲の人で分担する。突如増えるタスクほど、心身ともに与えるダメージは大きくなります。「お互い様」と言われても頻度の上では不平等。

 体調が悪くなる前に休んで欲しい。これも体の弱い人にとってはつらいようです。普段、普通の人よりこなせていない負い目があるから頑張ってしまう。

 

 通常、60%のパワーの人が週4日働いた場合

 60% + 60% + 60% + 60% =240%です。

 

これが最初に無理をして80%出した結果、週の1日休んでしまった場合

 80% + 60% + 40% + 0% = 180% です。

 

 60%のぶんを他の人が手伝っています。

 

 突然増える仕事は、同じ量であっても計画的に進めている仕事よりも心身とももダメージが大きいです。

 

 体の弱い人は、なるべく倒れる頻度を下げて、周囲の人が突発的にその人のタスクをやらないでいいようにするのが、体の強い人と弱い人の共存なのでしょう。

 無理をすることを一切放棄して働くのが、体の強い人にも弱い人にも言えるでしょう。

 「無理しないなんて、他の先を進んでいる人たちに追い抜かれる!」「もっとやれる!」という人に対しては

1.会社での仕事以外でそのパワーを使って

2.会社は副業を容認して、パワーの強い人に働ける場を用意する 

のがベターと思います。

 (ほんとうは、それぞれが出来る力でやる、自分と違うパワーを持つ人の動きに惑わされない、振り回されないことです。それぞれが持つ力が違うことを認識することです。しかし、人が自分の価値観以外で判断することは難しいです。特に、経営者と言われる人、管理職と呼ばれる人にはそれぞれが保つ力が異なることは知っておくべきと考えます)

 

 これ、「くすりや」のブログとして妥当なのかわからないのですが、「無理な働き方をしない」ことは健康につながることなので、いいとしましょう。

 

 

 

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受動喫煙対策は科学的に かつ それ以外の危険の対策も必須

 煙草の害とその対策については、科学的な妥当性をもって判断し実行するのが妥当と考えます。

 受動喫煙対策は、煙草の害が煙以外にも存在することを踏まえた上で実行されるべきと考えます。

 というわけで、受動喫煙のリスクについてまとめたサイトの紹介です。

sugu-kinen.jp

www.ncbi.nlm.nih.gov

受動喫煙と子供の虫歯に関する論文はたくさん出てきます。

屋外における受動喫煙防止に関する日本禁煙学会の見解と提言

屋外で喫煙した場合に煙が飛ぶ範囲のいついての論文もあります。

半径7mまで煙は飛ぶようです。

 

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000070592.pdf

 厚生労働省 受動喫煙防止対策の現状と課題(pdf)です。

 

 個人の好き嫌いのレベルで話すと、国民の間で要らぬ分断が生まれます。これは他のいろいろな問題でもいえることです。「私が正しい」「私が正しい」と基準を自分に合わせてほしいと願うのが本能ですが、これほどまでに多くの人がいればそれを合わせるのは容易ではありません。

 

 昨今受動喫煙防止のための政治的な動きで、お互いを罵倒するような論調になるネット上の意見を見て、「これは歩み寄りはできないな」と思いました。医療者の意見も「禁煙ファシスト」と聞き入れられない状況になっていますし。医療者も「健康第一」と正論で押し付けている印象があります。

「内容は正しいけど、あの人が言っているから聞き入れられない」

「内容は正しいけど、言い方が気に入らないから言うことを聞けない」

という幼児のいやいや期と同じ思考になっていると思われます。

 まっとうな医療を拒否したり医療者の言うことを聞かない患者が出てくるのは、こういった医療者の正論で押す力が強すぎるのもあると思います。患者が感情面で受け入れるのを待てない治療が存在するので、押し切ってしまうこともあるのもわかります。

勿論、受け手の患者側にも「共感ではなく客観的な正しさ」を受け入れる能力が必要ですが、知識量が大きく異なる関係ですので、医療者側の歩み寄りがやや多めになることでしょう。

  症例報告の段階ですが、犬の受動喫煙も問題になっています。犬の場合、屋外に散歩している時に路上に落ちているタバコを食べてしまう危険性も高いのでより注意が必要です。

 

臭いを完全に客観化することはできません。ゆえに、喫煙者を臭いからという理由で別の場所に隔離することは正当性を欠きます。

 

 室内禁煙で受動喫煙リスクが高まるという理由で室内の禁煙を勧めていますが、諸外国では室外禁煙の規則は日本よりもゆるいです。喫茶店のオープンテラスでは喫煙できます。外でも灰皿のある箇所では喫煙できます。

 日本での屋外での喫煙マナーはどうでしょう。

 

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 コンビニエンスストアの店頭のゴミ箱です。タバコの灰で天井の汚れがついたものと思われます。このコンビニエンスストアには灰皿はありません。

 この店の近隣では、非常に多くの煙草の吸殻が路上に捨てられています。

 歩きタバコの問題もあります。

 乗り物を運転しながら喫煙し、灰を外にまく人もいます。

 大人が手を垂れ下げた時の高さは、子供にとっては顔の位置であることも多く、火傷の危険があります。歩いている時、腕は思いの他大きく振られています。それがどこまで危険なことなのか認識することからマナーの改善につながるのではないでしょうか。

 

 1.歩きタバコをしない(運転中も含む)

 2.屋外であっても、灰皿のあるところの周りで吸う

 3.吸い殻は必ず片付ける、灰皿の掃除も喫煙者で行う

 4.室内で吸えるところでも、周囲にひと声かけてから

 

 これらのマナー改善が見られないと、喫煙者に対する風当たりはやまない、いや今までの行動から手遅れかもしれないなあ・・・。

 

 それでも、受動喫煙がなくなることはありません。

 

 家庭でタバコを吸う事は許されるからです。

 昨今、マンションのベランダで喫煙すると近隣の部屋の人から苦情が出るので自宅室内での喫煙をするしか逃げ場がなくなっています。タバコが嫌いな人から見れば、「そこまで追い詰められているのだから、喫煙しなさい」という声が聞こえてきそうです。

 ここまでこじれたら、喫煙するしないがもとで人間関係がこじれて事件が起こってもおかしくないなあ・・・・

 

喫煙者のみなさん、残念ですが相当分が悪いです(ノД`)シクシク

 

 

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あさイチ!2017/12/18「患者力」の特集について

 第一の印象は「自分の治療に関して受け身の人が多いんだなあ」と思いました。

徐々に時代は変化していっています。受け身の人の理由が「医師に嫌われないようにするため」ってのもありそうです。

 

1.治療方法の選択について

 

 

  治療方法に選択肢がある場合は、

患者さんの生活、価値観が治療の選択にかかる要素が大きい(もしくは入り込む余地がある)ものと捉えるとよいと思います。患者さんの治療後の生活が良くなることが治療の成否に関わる状況なので、医師に丸投げされたわけではないと解釈するといいです。

 勿論、そんなことは言ってられない場合は治療が先に行われることもあります。

 

 「わからない、調べるのもめんどくさいから先生決めて」というのが価値観でもいいのです。

 「なるべく治療のことは考えたくない」でもいいのです。

 「自分の価値観よりも、他人にどう思われるかを重視します」

 「焼肉を月1回食べたい」

 「長患いしたくない」

でもいいのです。

今まで人に気遣って生きてきた人や、考える習慣がなかった人が、いきなり今までの考え方を変えろと言われても難しいことは自然なことです。医師に忖度する性格の人もいるでしょう。

(12/21補足)

 

 言い回しによって印象が違ってきます。丸投げされた印象を与えない言葉遣いにすれば、やることは同じことでも医療者と患者の信頼関係は深まると思います。

(補足ここまで)

 

 

 

2.医療情報の調べ方

ここでも、検索ワード

「site:go.jp」「site:ac.jp」が登場しました。

最近、Googleの検索機能が改善されたので、上位に怪しげなサイトが出る確率は低くなりました。

 あとは、病院の公式サイト(できれば大きな病院のものをおすすめします:標準化された記載になっています。)も調べるといいでしょう。患者さん向けの治療ガイドラインもおすすめです(これはgo.jpで調べられるかも)

 

3.治療は患者と医療者が協力して

 患者さんのいつもの状態

受診・前回診察後から今回までの経緯

薬の在庫数

を箇条書きにしたメモにして持参すると診察時に必要な情報が伝わります。

医療機関によってはサイトに問診票をアップしていて、あらかじめ患者側でダウンロードして記載できるようになっているところもあるので、活用してはどうでしょうか。

 

 

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エクオールってどうよ?(2017)

 最近、サプリメント界隈で盛り上がってきている「エクオール」という物質。更年期にはこれ!みたいな扱いをされているので本当にそうなのか?と思い、グーグルで検索しました。

 

 まあ出るわ出るわサプリメントの広告のサイト。学術的な記事はないのかと思って、化学式が書いてあるWikipediaで概要を調べてみました。

エクオール - Wikipedia

 どんな化学式かはわかった。

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腸内細菌によって、イソフラボンの一種であるダイゼインより代謝されて作られる物質。この腸内細菌を持つ人は、日本人では50-60%。(なお、ヨーロッパでは25-30%らしい)

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f:id:miyaq:20170830155306j:plain

f:id:miyaq:20170830155316j:plain

ステロイドではないのにエストロゲン受容体に作用します。エストラジオール(エストロゲンの中で最も生理活性が高い)に比べてヒトエストロゲン受容体βに対しては20%、ヒトエストロゲン受容体αに対しては2%です。これを大きいと取るか小さいと取るか。

 実際のところ、まだ効果があると認定するには十分ではないようです。(ランダム化比較試験も行われていて、効果があるという論文はあります)Pubmedで検索しましたところ、いろいろな疾患に対して試験を行っています。

 更年期障害の諸症状

 骨密度

 乳がん

 脂質代謝

いずれも「大豆製品を多く摂る人で差が見られた」というものから、「エクオールを投与して実験が行われた」というものまでさまざまです。

 

 

今回のまとめ
エクオールの効果はエストロゲンの作用をちょっと助けるかもしれません、という程度しかわかっていない

女性ホルモンのバランスが崩れて心身の不調を訴える場合はやっぱり婦人科に行くべし

大豆製品やマメ科植物の摂取に集中せず、いろいろなものを食べよう

広告サイトのSEO対策は見習いたいが、検索の上位に出過ぎ

Wikipediaは脚注の論文まで読めば案外利用価値はある

 

 

 

 

 

 

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