「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

研究倫理審査ってなんだ(非常にざっくり)

 来年の日本薬剤師会学術大会より義務化される「研究倫理審査」。これはどんなものでしょう?

 

 非常にざっくり説明すると

「人を対象とする研究をする場合は、研究対象となる人に不利益にならないような研究計画書を書いて、倫理審査委員会を通してから研究しましょう」

というものです。

 例えば

 臨床試験

 はもちろんですが、

 薬の使用状況についてのアンケート

 や

 意識調査

 も当てはまります。

 キーワードは

「研究対象者の匿名化」

「対象者へのインフォームドコンセント」

「研究対象者が途中撤回可能」

というところでしょうか。

研究対象者に最大限の倫理的配慮を。

 

 人を対象とする研究であっても、すでに匿名化されて誰が対象者になったのかわからなくなっている論文を用いて研究する場合は倫理審査を受ける必要がありません。

逆に、症例報告であっても、希少疾患で誰を対象になっているのか特定しやすい場合は倫理審査が必要ですし、なんらかの侵襲(はたらきかけ)がある場合は倫理審査が必要です。

 まずは、研究計画書を書いてから、倫理審査が必要なのか検討するといいでしょう。

倫理審査を受けて、審査結果が出るのに時間がかかります(ざっくり調べて1-2ヶ月程度)ので、あと1ヶ月で研究計画書を書く必要があります。

 

なお、来年の日本薬剤師会学術大会は10月13日14日!

 

 こちらの資料にまとまっています。

厚生労働省

人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(平成29年2月28日一部改正)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000168764.pdf

 

人を対象とする医学的研究に関する倫理指針ガイダンス

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/0000166072.pdf

 

来年以降日本薬剤師会学術大会に演題を出す場合は必読。

「研究倫理審査 申請準備ガイド」研究計画書の記載方法

http://www.nichiyaku.or.jp/assets/uploads/activities/jyunbi_201805.pdf

 

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【立てよ薬剤師】ブログやSNSでの発信、その目的とその先にあるもの

薬剤師が情報発信をする有効性については「立てよ薬剤師プロジェクト」のポスター発表で説明したと思いますので、ここでは自身が情報発信をする目的と注意点を紹介します。

 

1.備忘録、自身の学習内容の共有

2.薬や医療について知られていないことをなるべく簡単な言葉で解説する

に大きく分かれます。

SNSでの投稿は、「なるべく少ない文字数で、確実に伝える」訓練になっています。

 

ブログやSNSの発信で気をつけること

1.わかり易い表現で、なるべく専門用語を噛み砕いて書く

 ブログの備忘録的な記事の場合 

自分が学習したこと、得た知識を体系的にまとめるののに使っています。

他人に見せられるような形にすることで、自分の理解が深まります。他人に教えるからには、誰が読んでもわかるようにする必要があるからです。

 患者さんが医療側に対して疑問に思うのも、医療側が患者さんに対して不思議に思うのもいずれもお互いの知識量、情報量、立ち位置、価値観が大きく違いすぎてお互いのことを想像できないからと想像します。その穴を埋めることで生まれる信頼感も大きいのではないかと思いブログを書いています。患者側が知らないこと、患者側に見えていないことを知らせることで、お互い歩み寄りができるのではないかと考えています。

 

2.罵詈雑言を書かない

 Twitterでもいいことを書いているのに、なぜか言葉遣いが汚かったり、蔑称を使っているつぶやきがあります。これだと、一般の人が読んで不快に思う可能性が高くなります。(潔癖な人はもちろんだめ)

 書く当人は理解できる人に読んでもらえばいい、Twitterは自分の趣味だから何を書いてもいいと思っているかもしれません。しかし、情報の信頼性を高めるには罵詈雑言を入れる必要はないと考えます。

 政治系のツイートで左右問わずそういうつぶやきをされる方がいらっしゃいます。「ちゃんとした物言いなら、”どちらでもない有権者”の支持を拡大できるのに」と思うことが多々あります。(私も過去にそのようなことをしたことがあるような気がします。申し訳ありません)

 

www.jiji.com

の記事に見られるとおり、対立する意見を継続的に見ても意見を変えることはまずありません。「よくわからない」層に訴えかけることしかできないと考えられます。

 そのためにも、丁寧な言葉づかいで書くよう心がけています。

 

3.誤字脱字をしない

まだクリアできていません。

しかし、非常に基本的なことです。

つい、早く記事を書き上げようとやってしまいます。

(当ブログは内容を思いついた時点で記事を書き、定期的に記事を上げていく形式をとっていますので、推敲すればクリアできるのですが、できておりません)

 

4.できるだけ参考文献を記載する。

出処のはっきりした参考、引用文献を書き出します。

行政の発表するものがあると、pdfファイルのことが多いのでそこはご容赦を。

 

 思考を言語にするのは非常に難しいことです。

 

しかし、ブログ発信などで技術を磨けば、薬歴も服薬指導も格段にうまくなるので継続してみましょう!(無理のない範囲で。←重要)

 

 最初数記事を書いて、無理なく投稿を継続できるペースを設定して予約投稿をするのが継続できるのではないでしょうか。継続することで、見てくれる人も増えます。

 ブログやSNSは、仕事が忙しくても、所属組織によらずに自分としての意見がかけます。もちろん、職場の関係者の悪口や患者さんの情報を書くのはやめましょう。(刑法第134条に触れる) 

 

 

ブログやSNSに書く、個人的に最大のメリットはこちら。

 

 頭の中でもやもやしているものを形にすることで、頭の中がスッキリする!

 

 

 

 

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機能性表示食品の科学的根拠って?

 機能性表示食品を販売する時は、消費者庁に安全性や機能性について検証した結果について届け出をしてからになります。科学的根拠に基づいて効果や安全性について検証されたデータや論文に基づいています。研究のしかたもしっかりしていて、このデータについては客観的といえます。

 

機能性食品の機能性の評価方法

最終製品を用いた臨床試験(人を対象とした試験)により、機能性を評価している。

最終製品に関する研究レビュー(一定のルールに基づいた文献調査(システマティックレビュー))で、機能性を評価している。

最終製品ではなく、機能性関与成分に関する研究レビューで、機能性を評価している。

「機能性の科学的根拠に関する点検表」に該当論文が掲載されています。

 

機能性を表示することができる食品―特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品とは―: The Coca-Cola Company

www.asahi-fh.com

 しかし、

健康な人に対するデータである

添付されている効果についての研究そのものも「ある特定の状態の人」についてのもので、自分がその機能性表示食品を摂取して効果があるかどうかは包装からはわからない場合が多いです。

(消費者庁のサイトには機能性表示食品を販売するにあたって届け出た資料があります。そちらの「有識者等向け公開情報」にある論文を読むとわかります。専門的な知識がないと「本当にその栄養機能食品が効果があるのか」判定しづらいです。)

 

 それゆえ、機能性表示食品や、さらに厳しい検査を行う(国による最終製品を用いた検証)特定保健用食品の効果に確実性を求めるのは過剰ではないかと考えます。

 少し、体にいいことをした気分にさせる食品という捉え方でいいと思います。(疾患の人に対して健康にするものでもありません)

 私見ですが、1日あたりの価格が100円を超えるようなものを摂るのであれば、惣菜を食べて食べる食品の幅を広げるほうが栄養バランスが良さそうです。それぐらいのものです。不足しているビタミンやミネラルを補充するのであっても、広く販売されている安いもので十分に思います。

 

 

 

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【立てよ薬剤師】金沢でなにかやらかす! 第51回 日本薬剤師会学術大会

  9/22(日)、9/23(月・祝)は金沢駅前で大規模なイベントがあります。

北國新聞創刊125周年記念
第15回記念金沢おどり 8回公演

石川県立音楽堂 邦楽ホール

金沢駅兼六園口(東口) 徒歩1分

金沢おどり

さあ、みなさん美しい演舞を鑑賞しましょう!

 

 

ではなくて、

www.congre.co.jp

 

全国から

まあまあ意識の高い薬剤師(本当に意識の高い人は専門の学会に行く)

個人経営のおっさん薬剤師(日本薬剤師会の役員であるため、お高いホテルに泊まる)

会社からいけと言われた薬剤師(強制的に企業名を全面に出した演題を出されたり、後日レポートを書くことになったり、期間中ずっと同じ会社の人とだけつるむ)
研修シールが欲しい薬剤師

多くの薬剤師が

集まります。

 

まさに、薬剤師会によるコミックマーケット!

いろんな発表がなされます。

 

 さて、みなさんお忘れではありませんか?

去年の10月6日に起こった同時多発的プロジェクトを。

まるで、多くの演歌歌手が競演して二匹目のドジョウになろうとした「浪花節だよ人生は」のような出来事を。(年がバレる)

 

「立てよ薬剤師」プロジェクトがポスター発表として帰ってきます!

去年行われたプロジェクトはだいたいこんな感じ~

ph-lelouch.com

薬剤師による情報発信がどのように変化していったのか

薬剤師が薬剤師の資格を全面に出して記事を書いていくことがどのような意味を持つのか

そういったことをまとめたポスター発表です。

 

P-22-09

インターネット上に氾濫する不適切な医療情報に対し、薬剤師がブログやSNSの発信でできること

示説 9/22(日曜日)16:00-17:30

今回の示説者は、去年の日本薬剤師会学術大会での先行販売で伝説を呼び、薬剤師のみならず医療関係者全般に好評を得ている書籍「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」の著者、児島悠史さん! 

ベストセラー著者に直接話ができるチャンス!

色々な仕掛けが満載のポスター発表となりそうですフフフ

 

 

 

 

 

 

 

 

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思考を言語に。言葉が不特定多数に福音を与える「実践薬歴」

 こんばんは!

 

多分、最も早い書評ブログになると思います!今回は、参考となる書籍と薬歴の書き方の活用方法もお伝えします。

誰も教えてくれなかった実践薬歴|株式会社 じほう


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 「実践薬学」と比べると薄くて小さいですねー。前回が「鈍器」だったので、今回は「薄い本」にしましょうかw(といっても174ページは同人誌としては薄くない)

 

 今回は「薬歴の書き方」について書かれています。レイアウトもまとまっていて、見やすい構成です。時間のない方でも、1項目ずつ読んでいけば読み勧めやすいのではないでしょうか。

 薬歴だけでなく、トレーシングレポートの書き方や、指導に必要となってくる資料にはどんなものがあるのか提示されています。そして、いろいろな資料をどのように引っ張ってくるのかも示されています。

 ちゃんとした形式、算定基準を満たした薬歴を書くという行為のみに集中するのではありません。薬歴というのは自分のやったことの記録で、目の前の患者さんがより満足に近い人生を送れるようにするには何を改善すれば支えになるか?を観察し、考え、実行していく流れを提示しています。

 

 そのためにいろいろな勉強をすることが肝心です。

 散らばった知識を統合して、患者さんのために活かす。

 

 だから、この書籍をマニュアルとして読むのではなく、自分だったらどのように業務の思考の枠を作るのか、そのためにはどんなふうにして知識を得るか、どんな知識を得ればいいのか自分なりの業務の型を作るのが肝心です。

 

 思考を言語化するのは非常に高度な能力を必要とします。実は、日本中のいろいろな薬局でベテランの薬剤師がそれぞれ自分なりの方法を作り上げてきて、それぞれの後輩に教えている内容と本書は変わらないかもしれません。ゆえに、ベテランの薬剤師にとっては簡単な書籍と捉えられるかもしれません。

 

 しかし、よい先輩に出会えない薬剤師もいて、それぞれの場所で困っている人、うまくいかない方法のまま業務をして、仕事に楽しみを見いだせない人もいるのではないでしょうか。そのような薬剤師のために、業務を言語化した書籍は神の福音です。そして、てんでばらばらの知識をこのようにまとめて業務に活かす方法をまとめた良書です。「実践薬学」が重くて持てない、高くて買えない人は先に「実践薬歴」を買ってはどうでしょう。3240円は飲み会1回分、ユニクロのインナーに着るTシャツだと5枚分、Yシャツだと1-2枚分と非常に手に入れやすい価格です。大阪から姫路までの往復運賃(2980円)と大きく変わりません(新快速で1時間ぐらいです)。

 

 実習生からブランクの空いている薬剤師の方が学ぶのにも、超ベテランの薬剤師が自分の業務を振り返るのにも役立ちます。

 
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 そういう意味で、山本先生(笑)は薬局薬学のエディターとして画期的なことをしているのではないでしょうか。言語化したことが偉大。

 

 

 一緒に読むのをおすすめする本や資料

 

kanri.nkdesk.com

 まずは薬剤服用歴管理指導料の算定基準から。

 

 薬剤管理のために必要な各種ガイドラインや添付文書、インタビューフォームなどの資料以外にもあります。

10日間で極意をつかむ 選ばれるかかりつけ薬剤師になる
患者応対技術と服薬ケアコミュニケーション

http://www.shindan.co.jp/books/index.php?menu=10&cd=234400&kbn=1

山本先生(笑)の思考の師匠の一人とも言える岡村先生の書籍。

患者さんとの接し方、薬剤師としての立ち位置を学べる書籍です。こちらも非常にまとまっていて、1項目ずつ読み読み進めやすいです。

 「実践薬歴」が薬歴の書き方の型を紹介しているとしたら、こちらは服薬指導の型を広く言語化しています。

 患者さんと人として接しないと、薬歴が書けないどころか、薬を安全かつ効果的に使う方法を伝えできませんからねえ。ココ重要です。

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honto.jp

なんと電子書籍で出ていますねー。当方、紙の書籍で持っています。

髪があった頃の川添先生ですね~。

こちらも、薬剤師としての立ち位置心構えを書いた本です。カリスマ薬剤師の走りでしょうか。


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★子育て中であまり仕事に関われない方におすすめの活用方法

1.「アンガーログ」もしくは育児記録をPOSで行う

 

 

 お子さんの育児記録をPOSで行うのもどうでしょう。

 

 例えば「トイレトレーニング」の記録だと

1.親の行う支援 

2..子供の実際に行ったことや子供の様子

3.なぜ、1,2の事象が起こったか

4.今後の改善策や自分の感想

という流れで書くと、SOAPに近くなります。育児の試行錯誤をPDCAサイクルに当てはめて記録するとPOS形式になりますね。どのような支援を行うか、どのような細工を行うか、いろいろな資料(他社からの情報(メディアから口コミまで))を得るでしょう。その流れを意識することで、薬剤師としての業務フレームのやり方を維持することができます。(ここを意識していれば、薬や治療法の勉強をすることで、初めて勤務する職場に行っても投薬に係る業務をスムーズに行えると思います。そして、薬やお治療法の勉強をする上で有用な情報源を得て自分のものにしておくといいでしょう。)

 

 薬物治療の型を身につける。

 薬の勉強の型を身につける。

そのための書籍としては非常に有用です。

 

 型を身につけるためには、こちらの書籍をセットで買うことをおすすめします。

www.kinokuniya.co.jp

www.kinokuniya.co.jp

 

 

 

 

 

 

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ヤーズフレックス服用スケジュール表

月経困難症、子宮内膜症の痛みの軽減に使う女性ホルモン剤ヤーズの新しい剤形

「ヤーズフレックス錠」を正確に飲むための情報を記事にしました。

 

(患者さん向け)

ヤーズフレックスの薬のしおり

www.rad-ar.or.jp

 こちらの薬、既存のヤーズが24日薬を飲んで4日休んだらまた24錠飲むサイクルだったものを、120日まで連続して飲んでいいとたものです。

 120日飲んだら、4日間薬を中止

 4日間薬をやめたら、120日間連続薬を飲む

の繰り返しです。

 

 し か し

 既存のヤーズが28錠包装(薬が入っているのが24錠、4錠が薬が入っていないもの:4日間薬を休むのを忘れないためにしている)だったのに対し、

ヤーズフレックス錠は28錠包装ですべて薬の成分が入っています。区切りとなる120日目は包装の途中です。これでは患者さんわかりません。

 というわけで、どのように薬を飲めばいいかの管理表を作成しました。

 

ヤーズフレックス服用表.pdf - Google ドライブ

 

f:id:miyaq:20180826081716j:plain

 

これによると、7周期目終了後(120日✕7+休薬4日✕6=866日)にようやくシートの飲みきり終了となります。

ややこしいです。

というわけで、バイエルさん、24錠シート包装での販売を検討していただけますでしょうか。ヤーズと包装を共用することで採算を取ろうとしているのはわかります。安全な服用のためです。よろしくお願いします。 

 

 

 

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説明を嫌がる医師、説明に納得出来ない患者

 納得とは

dictionary.goo.ne.jp

ということらしい。

 

 患者が納得しない理由

1.情報量の非対称性

 明らかに医療に関する知識量が違います。それを学習しようと思ったら相当に時間と手間がかかります。さらに言えば、医師は集めた情報(情報を集めるのもうまいです。診断に必要な情報の見分け方も学びます。情報の精度も鑑別します)を選別し、知識をもって思考して判断するのが仕事です。一般の人より頭の回転が早くないとなれませんし、日頃の訓練で頭の回転は早いです。

 

2.医師と患者で視点が異なる

 他人なので視点が違うのは当たり前です。医師にとっては診断するのは日常なのですが、患者側は日常ではないので慌てていることもあります。冷静ではないので受け入れるのに時間がかかります。医師はそのことを把握していることが多いです。

 

3.説明に時間が割けられない

 患者が多すぎます。患者の考える速さになるべく合わせようと考えますが、他の患者もいっぱいいます。

 

4.言った言わないで揉めるのが怖い

 これは医師側が説明をあまり長時間やるのに抵抗がある理由です。

自身の言葉に責任を持っているから故に、長く説明して一貫性がなくなってくるのも避けたいという感覚もわかります。

言った言葉を正確に把握できない(医学知識の差によるものや、もともと人の言葉を上手に聞いてどんな内容だったか受け止めることが苦手な人がいます。)。

 「今聞いたことを話して」と言われたら全く異なる解釈を挟んでくる人もいます。

(余談ですが、説明の最初と最後で言ってることが真逆にななってしまう患者さんがいて、そこを間違えると治療に支障が出るので、正しい情報に修正するのに苦労したケースもあります。その方はどうも自分の希望が医師の指示に自然に入り込んでしまうようです。)

 これは悪意なく解釈が変わってしまうケースなのですが、悪意を持って別解釈をして思った通りの治療結果にならなかった時に訴訟を起こす人もいかねません。そうなると医師の生活(これは、今後救える患者さんの数の減少にもつながる)に支障が出るので、誤解をされない最小限の言葉で済ませることもあるようです。どう捉えても一つの解釈しかできないような表現です。これは、長い説明をすると混乱してしまう患者さんにも効果的です。

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 では、どうすればいいか?

1.詳しい説明を自費にする

 お金が払えないと言って拒否する患者さんが出てくる

2.記録する

 患者側だけがICレコーダーで記録することになりがちですが、こうなると、情報を加工して医療側を陥れる危険性もなくもないです。あと、医師と患者の声だけ入っていればまだましですが、他の患者の声や他の患者の治療情報が録音されてしまうと非常にまずいです。ゆえに、ひと声かけても許可されない場合があります。

 改ざんとプライバシー配慮と双方が持てるようにするという問題をクリアすれば、状況が変わると考えます。できれば文字で残っていれば、診察中に医師が薬の細かい使い方の指示も薬の情報に反映させやすいです。

 こういう機械を開発してほしいです電子カルテメーカーさん!

(といっても、診察室のような特定多数が入る場所で、特定の人の声だけを抜き出して録音する技術は相当実現が難しいようです)

 

3.看護師・薬剤師外来

 内容によっては解説するところを他の医療職にしてもらうのもありと思います。

医師の出す治療方針を見て

 薬の使い方については薬剤師が

 生活の仕方については看護師が

説明すると医師は診断と方針を立てるのに時間が割けます。

これだけの人員を置くコストもかかります(汗)

 

 

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