今回は、時折見られる誤解についてお答えします。
「お医者さんって、なんでも診られるんですよね?」
これについてお答えします。
答えは
「資格としては可能だが、技術としては難しいので、専門の医師の紹介される可能性がある。」
です。
これを以下の3つの視点で解説します。
専門領域の視点から
処方するのに資格のある薬がある!
調剤するのに資格の要る薬もある!
専門領域の視点から
医師免許は人間の病気の治療をする技能を持っているとみなされる資格なので、他の診療科の診察をすることは可能です。しかし、現代の医療は高度化→細分化・専門化が進んでいますので、自分よりも他の医師が診察したほうが患者が確実に良くなる場合は他の医師に紹介します。
例えば、耳鼻科で高血圧の薬を出してくれと言われても、その高血圧がどんな原因で起こっているか、その患者がどんな体質かなど様々な理由で治療方法が大きく変わってきます。その理由を調べるための機械が揃っていないこともありますし、普段は耳や鼻や喉の細かい変化ばかりを見ている人ですから、循環器の状況も自分以上に細かく調べないといけないと想像できます。ゆえに、耳鼻科で降圧剤を出すことがあっても、内科を紹介されることが多いでしょう。餅は餅屋です。
処方するのに資格のある薬がある!
最近では、「治療について熟知した医師により処方されること」が前提となる薬も増えています。事前にeラーニングをして登録された医師でないと処方できないようになっているものもあります。また、医薬品を発注した場合、「どの先生が出しますか?」と卸から問い合わせのくる(専門の医師かどうか確認する)薬もあります。
また、薬剤師が調剤する場合も、処方した医師が登録された医師かどうか確認した跡でナイト調剤できないものもあります。
例:ノルスパンテープ(オピオイド系の鎮痛貼付剤)
調剤するのに資格の要る薬もある!
登録された医師でないと処方できない薬は、多くの場合登録された薬局でないと調剤できません。メーカーに書類を書いたのち調剤できます。しかし、薬局の場合は一定期間調剤がないと登録を取り消され、再度登録する必要があるものもあります。
いかがでしたか?
これらは、確実な診療と安全な流通管理のために行われています。
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