「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

薬剤師フィールドリサーチ(42)「新型コロナウイルスに振り回される私たち4」「電話再診が来た」

今回は薬局新聞4月22日発行号掲載の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。

 いつかは来るのではないかと想定されていた、電話再診の患者さん。ついにやってきました。

 患者さんから一本の電話。

「電話再診してますか?」

問い合わせのこの口調の時点で、すでに患者さんは電話再診について理解している状況なのは容易に想像できます。職場での手順を思い出しつつ患者さんから情報を得ます。

 ・患者さんから最初に連絡があった場合は処方元に受診したかどうか確認すること 

 ・円滑に薬を受け渡しできるように念入りに打ち合わせ(薬・処方箋・負担金、患者・医療機関・薬局の連絡先)

 今回は患者さんと薬の受け渡しまでの流れを決めました。処方元医療機関に確認したのちに、医療機関から処方箋のFAXが流れてきました。これまた、医療機関の側から法令に基づく電話再診による処方箋である旨記載された頭書きがついてきました。

ここからは通常のFAX処方箋と同様に準備し、患者さんとの事前打ち合わせのとおりに薬と負担金のやり取りを行いました。今回は、円滑に薬を渡すことができました。

 今回のように患者さんが事前に問い合わせることなくいきなり電話再診の旨伝えてくる可能性もあります。その場合に円滑に対処できるように再度関係法規と職場の手順書を読み直すことにします。

 みなさんのところにも電話再診の処方箋が来るかもしれません。その時は冷静に。



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電話再診・オンライン診療で気をつけること

2020.5.7修正

 

 「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の
時限的・特例的な取扱いについて」

(いわゆる0410通知による診察から薬の交付までの流れについて)

 時限的な措置です。

厚生労働省による通知

https://www.mhlw.go.jp/content/000620995.pdf

通知によると、

今般、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月7日閣議決定)において、「新型コロナウイルス感染症が急激に拡大している状況の中で、院内感染を含む感染防止のため、非常時の対応として、オンライン・電話による診療、オンライン・電話による服薬指導が希望する患者によって活用されるよう直ちに制度を見直し、できる限り早期に実施する。」とされたところである。

 

電話再診・オンライン診療を受けたい場合でも、全員が受けられるとは限りません。

主に、定期的な観察の受診が対象になります。 

 

診察から薬を受け取るまでの流れ

 用意するもの

 診察券

 保険証

 お薬手帳

 家にある場合はFAX

 スマートフォン(オンライン診療になる場合は必須)

 4,5日分の薬の余裕
(後述のとおりの流れなので、薬の手配に時間がかかりますし、現在、医薬品卸による薬の流通に時間がかかっています)

 

1.受診している医療機関に電話

 予約してからの診察になります。 

 診察を急ぐ場合は直接医療機関に行きましょう。

 
 電話再診できるかどうか確認を(状態によっては電話再診以外の方法が取ったほうが利益が大きい場合があります)

 診察に必要な情報を集めきれないという理由で、初診はオンライン診療を行わない医療機関もあります(むしろそのような医療機関が多い)

 

 場合によっては、主治医から「電話再診」をもちかけられる場合もあります。

例)専門的な治療を要して総合病院にかかっている方で、感染すると危険な方

  高齢者で、定期的な観察による診察が必要な方

 いずれにしても、全くの初診ではなくもともと継続的に診察を受けていて状態をある程度把握できている方、医療者と患者の間での信用ができている方であることが前提です。(だから、初診の方を受け入れない医療機関が多い)

 

電話した結果、やはり直接診察する必要があると言われた場合は必ず受診しましょう。

 病院で治療を行わないと命の危険がある、。触れることで診断につなげるケースもおすすめしません。

2.診察を受ける

 診察が受けられるとなった場合は、保険証や各種受給資格者証の写しをファックスするよう言われたり、写メで送るよう指示されるので、その方法に従いましょう。

 お金の支払についても指示があります。確実に支払える方法を選びましょう。

(銀行振込、クレジットカード、電子マネー等)

 

 

3.薬の処方せんを発行してもらう

 普段、自宅の近くの薬局で薬をもらっている人はここからの流れがスムーズになります。普段から調剤してもらっている薬局に薬を調剤して貰う場合も流れがスムーズになります。

 必ずしも薬が宅配できるとは限りません。

 

 処方せんは医療機関から薬局に直接送ります。

 処方せんの備考欄には 「0410対応」 もしくは

        「CoV 自宅」「CoV 宿泊」(COVID-19で自宅もしくは宿泊療養している患者さん)

 と記載されます。


(ファックスで先に送り、原本は後日郵送になります:医療機関の方 ご本人に渡さないようお願いします。原本の郵送はまとめてでかまいませんが、必ず原本を薬局に送ってください。)

 届いた処方せんファックスをもとに、薬局で薬を調剤することになります。

 

4.薬局で薬を準備する

 

 調剤する前に患者さんに連絡をします。(患者さんから事前に連絡をしてくださると助かる項目もあります。)以下の項目を確認し、処方に問題がないことを確認した上で調剤に取り掛かります。

 

 ・患者の過去の薬の服用歴、副作用、アレルギー歴、服薬指導内容(生活習慣なども含めて)

 ・患者さんの連絡先 

 ・希望供給手段

 ・お金の支払方法

 ・ジェネリック医薬品使用の意思

 ・一包化など調剤における希望

 

患者さんからの事前連絡があると助かる項目(受診前でも構いません)

・電話/オンライン診療を受ける予定であることと、医療機関名

・受診時点までのお薬手帳の記載内容(ファックスや写メで送る:普段行っているところなら「全部そちらでもらっている」で済みます)

・薬をお渡しするまでの流れ、お金の支払いについての打ち合わせ

 (病院から遠くの医療機関にかかっていて、近くの薬局に行く場合は直接薬局に行く方が所要時間がかからない傾向にあります:普段行っているところなら特に)

 残薬(内服や頓服、外用剤の在庫)についての情報 

 ジェネリック医薬品使用の意思

 一包化など調剤における希望

 

処方箋を受け取ってから確認する内容

 処方せん記載内容があっているかどうか(薬局での感染防止のため、患者さんの滞在時間を短くする)処方漏れや重複投与、残薬確認も入ります。
 

 

これらのことを患者さんや処方元に確認してからの調剤になります。

先に患者インタビューを行ってから調剤するとさらに円滑に、薬局での滞在時間を減らすことができます。

 

薬局に患者さんもしくはその家族が来る場合は通常と同じです。

本人確認のために、保険証を持参してください。(特にご家族の方が来られる場合)

お薬手帳の持参もお願いします。

 

5.宅配の場合の注意点

 

 患者さん宅に宅配になる場合が通常と変わってきます、

 なるべくご本人もしくはご家族が在宅ください。

 (難しい場合でも、携帯電話で連絡が取れる状態にしておくと望ましい)

 薬によっては盗難の心配の少ない受け渡しができる設備(宅配ボックス、鍵のかかる郵便ポスト)を用いてのお渡しが可能です。薬局とご相談ください。

 (患者さん自身がCOVID-19で自宅・宿泊療養となっていたり、自宅待機の場合は必然的に宅配となります。この場合は、ご本人は薬の受け渡しをなさらないようお願いします。もし ご家族がいらっしゃらない場合はその旨お伝えください。薬局スタッフの感染防御の準備が必要です。)

 

宅配便で送る場合の課題

 薬局スタッフの人員または患者との時間調整がうまくいかない場合及び薬局とご自宅との距離の関係でやむを得ず郵便(レターパック、書留郵便)及び宅配業者を利用する場合があります。

 この場合、本人確認と確実に受け渡しできるかがやや不安な要素があります。

 昨今、宅配員の感染防止のために、置き配を利用する事例があります。この場合、に品質の保証や配達員の責任の範囲についての問題があります。

 ずっと同じ温度での気温管理はできない

 置き配した後に紛失した場合は宅配業者の責任は問わない

といったところでしょう。 

 

 COVID-19患者・自宅待機の方のうち、一戸建ての方は置き配を選択し、届いたら即薬を自宅に入れることも可能です。

 

 麻薬や向精神薬・インスリンなど温度管理が必要な薬が処方されている場合は、家族全員自宅待機という状況でない限りはご家族の方が薬局に取りに来ていただくと助かります。(直接渡すべき薬なので)それが無理な場合は薬局職員が薬を自宅まで持参し、お渡しすることになります。(薬局側ではスタッフの感染対策や本人確認ができる方法を用意していますのでご安心ください。ここで詳しく書くとなりすましなどの犯罪に使われますので省略します。)

 

なお、配達を希望した場合は送料がかかります。
 COVID-19患者以外 

  薬局のスタッフが配送する場合 200円

  宅配業者を利用する場合 200円

 COVID-19患者 無料
薬代を銀行振込にした場合は手数料は患者負担です。

 

結論

すべての薬を自宅近所の薬局で調剤してもらっていた人大勝利

 すでに顔なじみなので、患者本人確認までの流れがスムーズ

 相互作用もアレルギー歴も全て薬局で把握

 ずっともらっている薬の場合は薬の不足の心配も少なく、配送するにしても取りに来るにしても時間がかからない、お互いの負担が少ない。

 (もしくは、チェーンの薬局の自宅近くの薬局に処方せんをお願いする方法もあります。この場合は、もともともらっていた薬局での情報を今回出してもらう薬局が得ることを、患者が許可する必要があります)

 

これを機会に
 薬は自宅の近くの薬局に一本化する できれば家族も

 薬剤師はお薬手帳に「一包化」「粉砕」などの情報や、残薬があって削除したことをお薬手帳に書く

のはどうでしょうか。

 

 

処方せんを発行する医療機関の方にお願いしたいこと

 1.処方内容を患者とよく確認お願いします

  薬の種類

  数量

  処方日数

  使用部位

 をきっちり患者さんと確認してから処方箋を書いてくださると薬の供給が効率的です、「いつもの薬出しときますね」だけだと、再度処方元に疑義する必要があります。

診察時にお薬手帳の内容を患者に教えてもらうのもいいです。(一般名や後発品調剤の場合もあるので)

 2.処方日数は5日程度余裕を持って

 電話再診、オンライン診療で薬を配送する場合、薬の配送まで時間がかかります。

処方の際に患者にどの薬局で、どの手段で薬をもらうか確認していただけると円滑です。

 現在は医薬品卸が配送回数を減らしています。(事業所からCOVID-19患者が出た場合でも事業継続できるようにスタッフを複数のグループに分けて、グループ間の接触を避ける勤務体制にしている)また、宅配を選んだ場合は薬局スタッフが配送する場合があります。普段利用するところではないところで調剤する場合、在庫の関係で薬が揃うまでに時間がかかります。 通常より医薬品の配送に時間がかかります。処方日数に関しては5日分程度の余裕を持っていただけるとスムーズです。通常でも、急な親族の不幸などで1週間受診が遅れることは珍しくありません。スケジュールをしっかりと立てる必要がある治療の場合は、そういった親族の事情についても診察時に話し合っておいていただけると助かります。

 

 

 

 

 

 

 

 

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Nphaってなんぞ?日本薬剤師会との違いは?

 

NPha(日本保険薬局協会)について、日本薬剤師会との違いを解説します。

 

<会員は誰か>

日本薬剤師会:薬剤師(個人)薬剤師であれば、どの職種であれ加入可能

NPha:保険薬局(法人) 賛助会員として関連する企業は加入可能(薬剤師個人が加入するものではない)

なので、設立趣旨は大きく違うことになります。

 薬剤師個人が活躍するための組織なのか

 薬局というもの、企業が活躍するための組織なのか(つまり、経営者よりの意見になります:企業はどうしても経営者が主導権を握るので)

 

 

NPha(日本保険薬局協会)について、日本薬剤師会との違いを解説します。

 

 

 

<会員は誰か>

 

日本薬剤師会:薬剤師(個人)薬剤師であれば、どの職種であれ加入可能

 

NPha:保険薬局(法人) 賛助会員として関連する企業は加入可能(薬剤師個人が加入するものではない)

 

なので、設立趣旨は大きく違うことになります。

 

 薬剤師個人が活躍するための組織なのか

 

 保険薬局というもの、企業が活躍するための組織なのか(つまり、経営者よりの意見になります:企業はどうしても経営者が主導権を握るので)

 Nphaの会員企業の社員はNphaの会員ではありません。Nphaの会員企業の社員が日本薬剤師会の会員になることはできますし、地域の薬剤師の会長といういう事例もあります。

 

 

 

 

参考資料

日本薬剤師会

www.nichiyaku.or.jp

日本保険薬局協会

secure.nippon-pa.org

日本病院薬剤師会+

www.jshp.or.jp

 

 

 

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薬剤師フィールドリサーチ(41)「新型コロナウイルスに振り回される私たち3」

 今回は2020/4/8発行号の薬局新聞薬剤師フィールドリサーチの記事を掲載します。

 

「病院も不要不急の外出?」
 新型コロナウイルス感染症の話題が出てから、患者さんが減りました。さすがに命に関
わるような疾患の方はいらっしゃいますが、処方日数が少し伸びた気がします。不要不急
の外出の中に「通院」も含まれていたのでしょうか。患者さん自身で受診をやめたのでし
たらことと次第によっては大変です。患者さんのお宅に電話をしなければなりません。自
宅を訪問したのでは「感染が気になる」と不安になるでしょうし。
 減少したのは、どうも「腰が痛い」とか「目が乾く」といった直接的に命に関わらない
病気の方が多いようです。それと、小児科の患者さんが減っています。こちらは、うがい
と手洗いをしっかり行って風邪をひいていないことを願います。
 もしかしたら、今まで不要不急の受診のおかげで忙しかったということがわかれば、今
後の医療に関する施策が変わってくるかもしれません。そして、医療従事者の需給問題も
変化がありそうです。
良いこともあります。今シーズンはインフルエンザの患者さんが激減しています。うが
い手洗い外に出ないが功を奏しているのでしょうか。ぜひとも習慣づけて、来シーズン以
降もインフルエンザの患者さんが少ない状況が続いてほしいと願っています。

 

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「勉強してくる患者は嫌だ」

 診療ガイドラインを患者が読むのを好ましく思わない医療者もいる。

 

 それは「知識を得る」のが嫌なのではないかと考える。その知識をもって患者が行った行動によって、医療者に与える心証が左右されるのではないか、(もちろん、患者の好き嫌いによって治療の内容を変えるのは良くない。しかし、人間である以上負のバイアスが出てしまうのは自然なことである。)

 

 知識よりも信頼。

  知識はないけれども、医療者を信頼し、自分のため、医療者のために治療にマイナスになることをしない、プラスになることをする。その結果、その結果、必要な知識を得る。治療そのものやガイドラインの根底にある目的を身に着けてから知識を得ようとしている。

 

 知識を得るけれども、自分で学んでも表面的な理解に終わってしまい、医療者の治療にマイナスになるようなことになってしまう。医療者患者がお互いに負のバイアスを出し合って信頼もなにもない場合。

 (例:ガイドラインなどを読むも、自分の状態にはあっていないことをやろうとしたり、医療者が他の急を要することがあってもお構いなしに質問する、診察時に自分で学んだ知識で医療者に食って掛かる口調になる)

 

 知識を得ることが悪いのではない。

 

 医療者向けに書かれた情報を、医療従事者以外が読むと、解釈が難しく間違った理解になってしまうことが多い。(医療従事者と比較して)それならば、患者は勉強せずただ医療者に従えばいいのか。ただされるがままにすればいいのか。自分の身に起こっていることを知らないのは不安だ。それならばされるがままという不安を緩和すればいい。

 

 担当している医師に

 ・自分が行っている治療の目的と目標

 ・どんな治療を行うのか

を確認してはどうだろうか。

 そうすれば、自分の状態や治療にあった知識を学ぶことに集中できる。(ガイドラインなどに書かれていることは、万人に合わせた内容なので、内容が大きく広がりやすい)

 そうすれば、自分がされるがままとなることはなりにくい。

 

 患者向けガイドラインがあるものや、公的な機関が発表しているものがあれば、それを読んで、医療者と患者が同じ言葉を同じ意味で共有するのは診察がスムーズになると思われる。同じ言葉で話すので、信頼も深まりやすい。

 

 

 

 

 

 

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薬剤師フィールドリサーチ(40)「新型コロナウイルスに振り回される私たち2」

今回は薬局新聞2020年3月25日号掲載の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。

 

「新型コロナウイルスに振り回される私たち」②
 前回から引き続き、緊急企画として「新型コロナウイルスが薬局で何を

引き起こしているのか」について、現場発の状況をリアルタイムでお伝えしたいと思います。

・通院が不安な患者さんもいる
 私の周りでは「処方情報を医療機関もしくは患者から得て直接対面することなく

患者さんに薬をお渡しする」事例はまだありません。しかし、病気の感染が不安で受診されない患者さんもいます。内服薬の手持ちがぎりぎりしかない場合は不安になるでしょう。高齢になると、こういった病気だけでなく、身内の看病や葬儀などで受診が遅れることは珍しくありません。医療費削減のための残薬調整が謳われていますが、ただ薬の数を調整するのではなく、なぜ薬が残ってしまうのか、どんな背景があるのか、それを改善する、阻害しているものを取り除くにはどうすればいいのかについて焦点を向けるべきではないか、と再度自分の業務を見直すきっかけになりました。ただ単に余っているものについては緊急時の予備にもなります。

・医療従事者がしている特別なこと
 医療従事者は風邪を引かないけど、なにか特別なことをしているの?よよく聞かれます。
別に特別なことはしていませんよ、と返答しますが、この新型コロナウイルス感染症の流行で気づきました。
 医療従事者はとにかく手を洗っている、と。
 業務中、事あるごとに手を洗います。特に粉砕調剤の際はとにかく手が粉だらけになるのでまめに手を洗います。一日中粉砕をしたら、ペーパータオルの袋を使い切るぐらいです。
 手を洗うなんて日常のことだろう、と思っていたら、医療従事者でない人は水でざっと洗って終わりだったり、トイレの後もほとんど洗わなかったりと、学校の洗面所に掲示されている「手洗いのしかた」ポスターのとおりの手洗いを行っていないことを知ります。
同程度行っているのは食品を扱う職業の人でした。
 医療従事者が行っている特別なことは「入念な手洗い」だったと気づきました。来シーズン以降はこの「特別なこと」が特別でなくなりますように。

 

 

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薬剤師フィールドリサーチ(39)「新型コロナウイルスに振り回される私たちその1」

 今回は2020/3/18発行の薬局新聞掲載「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。

 

今回から緊急企画として「新型コロナウイルスが薬局で何を引き起こしているのか」について、現場発の状況をリアルタイムでお伝えしたいと思います。


・「マスクください」「消毒液ください」

 ドラッグストアではない一般的な薬局にもこのような申し出をされる方が続々と来ていました。幸い、従業員に詰め寄ったり怒号を上げるような方はいらっしゃいませんでした。SNSによると、従業員向けのマスクをみて「これ頂戴」というお客さんがいたという報告もあります。一日中多くの患者さんと至近距離で接する我々が何らかの細菌やウイルスに感染すると、多くの患者さんを危険に晒すことになります。


・主婦パートは偉い

一部のスーパーや百貨店では営業時間短縮の動きがありました。しかし、薬局で営業時間短縮は難しいものがあります。主婦の方の支える働きがあったからこそ回っていた部分もあります。業務自体が忙しくなったことよりも、物の配置や整頓など、細かい部分で不便なことのほうが印象強いです。対人業務と呼ばれる前に、まずはこういった基本的なことを大切にしなければなりませんね。薬を間違えては元も子もありません。

 これを機に、薬局だけでなく主婦パートで現場を回していた業界はもっと余裕のある勤務体系になるといいなと思いました。

 なお、当薬局では「保育園が休みになったら働けないかもしれないので不安」と言っている男性薬剤師がいました。20代30代ぐらいだと男女問わず子育てに参加するのは当たり前のようになってきています。

 

 

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