「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

かかりつけ医師、薬剤師

 できれば同じ診療所、薬局にかかって欲しい。

 かかりつけ医師、かかりつけ薬剤師というふうに、一人で全てを抱え込む時代ではない。
かかりつけ診療所、かかりつけ薬局。
 
  いつもの自分を把握してもらおう
   あなたに起こっている症状が把握するには、通常の状態がどんなものか知る必要がある。
方法は簡単。同じところに継続して「行くこと」。
ドアを開ける様子、歩き方、挨拶の時の声、お金を支払うときの動作、視線。
全てちらっと観察されている。スタッフが変わるところでも、全員がガラッと変わることはないから、その情報は施設内で共有される。あなたの治療についての記録は残してあるから、それを元に判断される。診療所ならばそこ所属の医師に報告される。薬局でも主治医に伝わる場合がある。(実際に、認知症を疑う行動のあった方の様子を主治医に伝えたことがあります。主治医にその話をしたところ、症状に気づいていて専門医への受診を勧めているが家族の連絡先がわからず先に進めないとのことだった)
 
 スタッフに共有されているからと言って、悪口を言っていると思わないで欲しい。他の患者やスタッフに危害を加えないかぎりありません。(その場合でも、心配という気持ちが先立つ)
 例えば、慢性疾患の患者さんの場合、急に受診が途絶えた場合は「体調を崩したのではないか」と心配する。妊婦の場合は「生まれた」と話題になる。
 
 スタッフに共有されているので、病院の医師以外のスタッフに悪態をついている場合は高い確率で医師には伝わっていると思ってください。特に診療所の場合は、悪態をついているとその人のおかげで他の患者さんに悪い影響を与える可能性もあるので診療所運営上必要な情報です。
 
 それと、他の医療者(それ以外のスタッフ)の視点を入れることで、自身の思い込みを捨てて客観的に向き合うことができる。これは治療にプラスとなる。

 というわけで、一人の薬剤師を登録するという「かかりつけ薬剤師」という制度は反対だが、かかる診療所や薬局は一つにした方が良いという考えです。
 
 追記
 
1.かかりつけ薬剤師、医師が有用な場合も
相手との波長や非言語的な動作など感覚的なもので把握する事柄や、そういうものを重視する人にとっては1人に固定する利益はあります。
 人間関係について、深く狭い関係を望む方も。ただし、依存(共依存も含む)になってしまう場合はもともとの治療にプラスにならない場合があるので、過剰に依存的な関係になりがちな人はむしろ複数の人に対応してもらい、関係性の線引が必要です。
 
2.薬局という箱と薬剤師という人が分離される可能性もある
薬局という箱はあくまで拠点で、個々の薬剤師として報酬を得るスタイルへの変化?かもしれません。
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