「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

新しい世界へ

 今回の記事は、薬剤師になった若い皆さんに向けて書こうと思います。

 いや、若くなくても今までの自分を変えたいと思う薬剤師なら読んで欲しい。

 

  薬局を運営する会社に入って、上司や同僚や先輩のさまざまな意見を聞くと思います。薬剤師として、人としての倫理から外れているのではないか?と思う指示や指導を受けるかもしれませんし、理想と違う現実に打ちのめされるかもしれません。今回の診療報酬改定で会社からノルマを課されているかもしれません。また、仕事なんてお金を稼ぐためでしかないと割り切る先輩の言動に呆れているかもしれません。

 

 非常に夢を壊す言葉ばかりになってしまいました。大丈夫です。今回の記事はだんだんかすかな希望が見えるようになっています。

 

 そういった愚痴を飛ばしている上司や先輩も、実はおかしいと思ってそのまた上司に意見を言ったり、変えてやろうと虎視眈々と機会を狙っているかもしれません。私も、過去に大手の薬局に所属していて、その企業体質に疑問に思ったことは数知れません。上司も同じようなことを考えていたようで、「やりたいことはあるけど、様々な壁に阻まれれいる」という話をしていました(その話を聞いたのが自分が辞める時だったのですが)。

 薬局内で論文を書いたり、研究をしているところもあります。

株式会社日本医薬総合研究所

日本調剤の系列の研究所)

寄附講座・共同研究:アイングループの調剤薬局|アイングループ

 

 こういった研究に参加したい場合は、まずは職場でしっかり働きましょう。社内で研修会がある場合は参加しましょう(人手が足りないから参加するのに難色を示す上司などおかまいなしです)更に、自分で日経DIオンラインなどに登録し、自分で行きたい研修会に参加しましょう。この場合は自腹ですし代休もありませんが新しい世界を切り開く、薬剤師として生き残るならそれぐらいの負担は仕方ありません。(奨学金を返済しながら、一人暮らししているなら結構きついとは思います)
 個人で薬剤師会に入るのもいいですね。

 

 ここで得た知見はまず、患者さんに還元しましょう。患者さんの表情が活き活きとしているさまを見たら、気づいた人はあなたに質問してくると思います。その人が次の仲間です

 

 ただし、そう簡単に患者さんの表情が変わるほどの変化は訪れません。年単位で様子を見ましょう。その間続けましょう。

 

 セミナーに参加するのが難しい場合、薬局に来る無料誌を持ち帰る(一声声をかけよう)ことからはじめましょう。作業ばかりさせられ、無料誌を読む時間すらないならなおさらです。無料誌にはいろいろな書籍の紹介が掲載されています。めぼしい物があれば、ネットで検索して購入してはどうでしょう。個人的にはアマゾンよりも書店のネット販売や出版社からの直売をお勧めします。書店の売上が上がれば、書店が潰れずもしくは増えて専門書を見極めながら選ぶすべが増えますし、出版社から購入すれば出版社は直接あなたに書籍情報を送ってくれるかもしれません。

 

 セミナーに参加した場合、感想を主催者の方に送ると喜ばれます。書籍の感想もいいですね。今後の書籍販売の計画をたてる時の参考になります。手段はメールや手紙など、インフラ扱いのものがいいと思います。いずれも、丁寧にどのセミナーに参加したのかどの書籍を呼んだのか名乗って感想を述べましょう。

 一般的にセミナーに参加した場合、質疑応答があることが多いです。その時に演者に質問をするといいです。その時は所属する薬局と自分の氏名を述べてから質問しましょう。
 懇親会に参加するのも一つの方法です。適当に話の合いそうな人と名刺交換をしたり、思い切って演者に名刺を渡すのもいいですね。

 その場合、名刺があるといいです。必須です。会社が作ってくれない場合は、個人用名刺を作るといいです。(かかりつけ薬剤師登録絡みで作ってくれるところが増えたとは思います)ただ、連絡先が薬局店舗の従業員共有アドレスだと個人的な連絡をするのをはばかられるので、氏名と連絡先(個人用アドレスとSNSのアカウント)と職種名(個人用は所属先を書いても書かなくてもいい。会社のロゴマークを勝手に個人用の名刺に貼るのはやめよう)を書いた名刺を自宅のPCで作ってはどうでしょう。忙しい場合は業者に頼めば作ってくれるので自分で調べましょう(「個人 名刺 作成」などのキーワードで)名刺用紙は電気屋や文具店で売ってます。

 今は会社の外の薬剤師とも接触する手段はたくさんあります。学校の先輩後輩だけでなく、SNSでいろいろな有名な薬剤師の方を探してみましょう。前述のセミナーの感想を送ってはどうでしょうか。本名でツイッターをなさっている方もいますし、Facebookだと送る側の自分も本名なので受け取る側が不安もないでしょう。相手の領域に入り込み過ぎない、丁寧な文章で送信しましょう。

 Facebookを本名でやり、職業メインのことで投稿すれば、友達は増えてくると思います。

 ゆるいつながりが希望であればTwitterという選択があります。

 

 企業の論理のせいで、動けなくなっている状態であっても、今なら動きやすい状態になっていますよ。地域活動への参画が求められていますから。大手に所属していても、地域の研修会に参加していた人はちょこちょこいますから。あまり多くないですけれども。

 企業の上から入ってくる情報を鵜呑みにせず、こっそり自分の解釈を持って動いていた薬剤師が、今回の調剤報酬の改正で得をしたと思います。会社では会社の姿勢を押し付けられていても、できるところから患者さんに貢献する薬剤師になればいいのです。 

 会社へは資格を用いた労働力を提供しているだけで、資格は自分のものです。自分の価値を高めることを会社に求めなくてもいいのです。自分で身につけ、自分の価値をかめれば賃金や待遇で会社は見返りを与えるでしょう。多分。

 

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