「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

抗生物質耐性化を防ぐ薬の飲み方

 

WHO/Europe | Infographic – What you need to know about antibiotic resistance (Download)

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 ここ25年間新規の抗生物質は誕生していません。耐性菌が出現した場合、治療方法がありません。

 世界ではまだ感染症が元で亡くなる人も多く、抗菌剤とワクチンが有効れあれば世界中の人々の寿命を20年延ばすことができます。

 いわゆるかぜ症候群の90%はウイルス性であり、抗生物質は無効です。抗生物質が必要な場合はそれに当てはまる兆候を医師が判断し、原因菌を特定して抗生物質が処方されます。初期の風邪では抗生物質を処方せず、症状を抑える治療を行い、それでも症状がおさまらない場合は再度の診断をします。(遅れて症状が出てくる傾向にあります)

「10%だったら困るし、また病院に行くのはしんどい」とおっしゃる向きもありますが、9割が1回の受診でよく、必要のない薬を飲む必要が無いのです。お子様の場合は味が苦い傾向のある抗生物質を子供と格闘しながら飲ませる必要がなくなります。一度薬が嫌いになったら、他の薬でも飲ませるのが大変になります。そして、細菌感染が起こっていたとしても、その抗生物質が効果を示す菌でなければ効きませんし、効かなかった時に再度調べようにも感染がマスクされるのでいいことは殆どありません。

 

 処方された人ができること

1.抗菌剤を飲むのは処方されたときだけ

 医師の指示通り飲みましょう

2.全部飲みきる

 重い副作用(止める基準を医師や薬剤師に聞きましょう。症状とのバランスが微妙な程度のものは特に診察中に医師に聞きましょう。明らかに中止しなければいけない重篤なものについては薬剤師も答えられます。)副作用で飲めなかったものについては医師、薬剤師の確認、お薬手帳への記載の後捨てましょう。飲み残しがないので、家には抗生物質は残りません。

3.抗生物質の他人との受け渡しはしない

 抗生物質はその人のその時の症状のみ対応しています。

おまけ

4.抗生物質が処方されると聞いたら処方理由を医師に聞く

 

 

 

 

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