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「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ

最後まで口から物を食べよう

 人生の最後に必要なのは、食べられることではないかと思う。

 

 80歳を超えると、薬で延命できる期間が限られてくる、と数々の文献が示す。体の機能が落ちてきて、何かしらの不調で亡くなるリスクが高くなる。薬物治療による有害事象の方が効果よりも大きくなる傾向もある。効果に差がなくても、薬による治療を続けたいと考えるのならば、それはその人の生き方だ。

 

 50代ぐらいから嚥下機能、物を飲み込む機能は落ちてくる。80代になると食べたものがうまく飲み込めず、食道に入らずに気管に入りそこから肺炎を起こすことも珍しくない。

 その状態をなんとかしても、再発することが多い。治療のたびに抗菌剤を使用すると、段々と菌が耐性を持ち、抗菌剤が効きにくくなっていく。

飲み込む機能が加齢で低下している。それを回復させるのは難しい。治療そのものもハードだ。入院してベッドに座っているだけで筋肉は落ちていく。

 そうなってくると「寿命が近い」ことを本人も周りも認識する必要がある。正直言って、ずっと共に人生を歩んでいた人とのお別れが近いことを感じることは非常につらい。

 飲み込めるようにと、ペースト状やゼリー状にした食事を食べたり、回復するかもしれないと胃ろうを入れる場合がある。これが食事の楽しみを奪ってしまう。

 好きなことをして、後悔がなるべく残らないように生きる選択肢はないか。

 

 その、嚥下の分野を担っているのが歯科だ。歯の治療だけでなく、口の中を清潔にし、口の機能を守るような訓練を行っている。高齢者宅を訪問し、そのようなケアを行っている。彼らの収入(報酬)はずっと上がっていない。それどころか下がっている。土日に開けたり夜遅くまでやったり、患者に対するサービスが過剰なまでになっている。また、歯の詰め物や入れ歯を作る歯科技工士の仕事がハードで、離職者が多いと聞く。

 

 最後までものを食べられるように支援し、「いい人生だった」と本人も周りも感じて終わらせることができる人生にするなら、彼らの報酬を上げる必要が無いか。あと、若いうちからの定期検診。痛いし、虫歯が見つかって治療になることもあるけど。

 

 嚥下機能を下げる薬も結構あるし、高齢者は結構飲んでいる(眠剤や精神を落ち着かせる薬、咳止めなど)。また、誤嚥を起こさないようにする可能性のある薬もある。保険の適応がない。薬剤師はそこに介入していける余地はたくさんある。 

 

 

 

 

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