「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ

院内の調剤料と院外の調剤料が違う理由

 院内処方と院外処方で調剤に関する技術料が違うのにはわけがある。

 

 1.採用している医薬品の種類

 院内処方の場合、

 大きいところだとその病院で採用する医薬品の種類を決めているので、原則としてその中から処方される

 診療所で医師が一名だと、その医師が使用したい薬のみ

と種類が限定される。

 

 院外処方だと

多数の医療機関

多数の医師

 

の処方が突如として来るため、置いている医薬品の種類も多くなっていく。

そして、1つの包装で100錠入りのもののうち、処方箋に記載されている14錠だけ患者さんに渡して、それ以降ぱったり処方されず有効期限を迎えることもよくある。こうなると、薬局としては完全に赤字だ。薬価差益は、その包装のすべての医薬品が調剤されて初めて出る利益と言っても過言ではない。(薬価より少しだけ安く、医薬品卸より入庫されます。あまり差益が大きいと、差益の大きいものを処方する医師がいたこともあって日本の医薬分業は進んだという一面もある。)

 

 医薬品卸によっては、分割販売と言って、錠剤のシート単位で薬価で販売するシステムが有るところがあるが、この場合だと発注締め切り時間が通常より早く、入荷に時間がかかる。そこで、近隣の薬局に薬を買いに行って取り寄せたり、患者さんの都合のいい薬局に行ってもらって薬を得ることもある。どれを選択するかは患者さんの意思だ。薬局側から医薬品卸に行って薬を得ることはできないため(薬局側での身分証明ができない)医薬品卸が対応できない時間帯は入荷が行われないのだ。

 病院、とりわけ救急や重症の患者さんを受け入れる病院だと医薬品卸も色々対応するようだが(本当に死ぬか生きるかの状態の方が昼夜問わず運び込まれるので)、薬局だとそうはいかない。でも、最近では在宅療養の患者さんを受け入れる薬局もあり、急変に対応する必要がある場面もある。そのあたりの対応もお願いしたいが、医療の資格を持っていない医薬品卸の方に無理な労働をさせていると考えると難しい。(最近では、労働年齢人口の減少により、医薬品卸のドライバーも待遇を良くしないと人が集まらないようだ)

 

 これに対する打開策が「箱出し調剤」だ。体重による加減が必要な小児科では難しいが、成人の場合、よほどの調節が必要な状態(精神の疾患の治療や、腎臓や肝臓の機能が低下している場合)を除いては、慢性疾患の薬は箱に用法用量を記載してその通りに飲めばいい。

 こうすると、包装を開けることなく薬局のカウンターで箱をそのまま貰えばいいので、時間短縮となる。箱の中に規定された量の薬が入っていない場合は製造側のミスとなる。(化粧品を購入する際、店頭で店員の方と一緒に中身を確認するようになったが、多分違うものが入っていて大クレームになったんだろう。店員さん悪くないのに。)

 箱出し調剤の場合、患者が説明書を読まなかった場合の事故などは患者の責任は免れない。薬を飲み忘れた場合、その薬は患者に渡ったままとなる。(わざと飲まずに次に同様の症状が起こった時にとっておくこともできる。)

 患者の責任が大きくなるけど、どうします?というところだ。

 

 

2.病院は診療が収入のメイン 薬局は薬物治療と生活の支援が収入のメイン

 

 実は、病院の薬局は法で定められた薬局ではない。その医療機関の薬しか調剤できない「調剤所」だ。ゆえに、他の医療機関の処方箋を受けることができない。その病院での入院患者が持ってきた薬を鑑別したり、短期入院などで持参した薬についての治療を行わない場合は持参薬が何であるかを確認した上で他の医療機関の薬をそのまま出すことがある。

 病院の収入のメインは診療だ。医師がやったこと、指示したことに対して報酬がつくことがほとんどで、他の医療スタッフは医師の指示に従って動く。他の職種が単独で行ったことに対しての報酬はつかないことが多い。 

 薬局は薬剤師がしたことに対して報酬がつく。誤解をされているようだが、薬局は処方箋がなくても来てもいい場所だ。

 その薬局で調剤されたものではない薬の相談をしていい。さらにいえば、害虫の駆除の話をしにいってもいい(殺虫剤の使用方法と防護手段)。どこの医療機関に行けばいいのかという相談をしてもいい(他の患者さん提供の医療機関の診察情報やお薬手帳記載の処方内容からある程度は見えるところもあるので)。

 そういった相談にお金を取りたいところだが、徴収すると確実にネットの出所不明の情報や根拠のない口コミに走る人がいるのが現実だ。

 そういった情報提供にお金が取れない以上(安価な商品を置いてお礼に購入してもらうという善意による手もある)、処方箋を持参した場合の報酬に頼らざるをえない。

 

 独立した機関として存在するための費用として報酬に差があることを強調したい。

 

 

 

 

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