「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

【参加報告】「エクスファルマにソクラテスがやってきた」と「兵庫医療大学 構造式ワークショップ」

 今回は2つの研修を同時にひとつの記事にしました。

 

というのは

内容が重複してくるからです。さらに、研修の開催される順番も良かったです。

(主催者は別です)

2つの研修の場所同士が近い

 

1.エクスファルマにソクラテスがやってきた

 門真薬剤師会の時の講演より真面目でした(笑)内容もしっかりまとまっていてわかりやすい印象がありましたw もしかしたら私が何度も聞いているからかもしれませんw

 ざっくりまとめると

 1.薬歴を書くためには、患者さんをしっかり観察すること

  治療上問題がない状態のことも記載し、基準がわかるようにすること

  患者さんを見ないと、何を支援すればいいのかわからない。

 2.薬剤師自身のアセスメントを明確にすること

  そのためのジャブとなる質問を患者さんにすることや

  判断材料にするための知識をつけること

  自分が考えていることを言葉にする技術を身につけること

 3.薬理、薬物動態、化学構造式、製剤は薬学の基本

  これらの基本となる知識をきっちり身に付け、つなげていくこと

  どうまとめていくかは

www.kinokuniya.co.jp

にあるので購入して読もう

 4.先輩はどんどん学んだことを情報発信し、全国の薬剤師(特に若手)に学べる資料を与えよう

 全国には多くの一人薬剤師がいます。また、研修もOJTもないまま、現場に放り出されて自己流でやっている薬剤師もたくさんいます。他人の薬歴を見たことがない薬剤師が多く存在します。

 店舗数が急激に増えたため、薬剤師を現場で育成する体制が整わないまま日本の医薬分業は進みました。先輩たちが、自分の経験や知識をSNSやブログで発信することで、顔も名前も知らない薬剤師へのアドバイスになるでしょう。知識の伝承が、薬剤師のレベルを上げます。

 

 

 以下は感想です。

 

 「薬歴の書き方を教えてください」と聞かれるそうですが、そこには「評価する人が隠し持っている正解は何なのか教えて欲しい」という気持ちがあるのではないかと感じました。

 患者さんのどこを見るのか。継続して観察、指導するための記録ではないかと思いました。継続した記録を見やすくすること、普段自分が服薬指導時に何を考えて指導しているのか意識して言語化することが大事なのではないかと考えました。

 そのためには、患者さんの薬物治療でどこがひっかかるのか(もしくは現在は観察する状態なのか)、どう対応すれば前に進むのかを考える必要があります。

 経験則で漠然と「こうだろう」という指導ではなく、もっと踏み込んで、他人が指導してもわかるようにすることが肝心です。なぜならば、薬剤師と患者の年齢のバランスでその人の指導を一生できるとは限らないからです。

 また、安定している状況でも、安定していることの証拠として患者さんの「今の状況」を記すのも立派な記録です。

 歩いて一人で薬局に来た、家族と一緒に来た、杖をついて一人できた・・・

 血圧の数値

 声のハリ

今の状況を記録し、今は安定していることを確認」と記載でいいのではないでしょうか。

 

 「薬理学」「薬物動態学」「製剤」「構造式」これが薬剤師が持つ独自性であり、薬学のど真ん中とのことです。

 確かに、化学構造から医薬品を見るのは薬剤師のみです。また、安全性を重視しているのも薬剤師がメインです。

 これらの知識を組み合わせて、体の中でどういった事が起こるのか、薬物動態だけでない一連の流れを把握しましょう。

 薬が作用することで、影響を受けるレセプターと物質が存在→

 そのことで、体内で変化に対応するべくどんなことがおこるのか

 

 ただ単に肝臓でのコレステロール生成が阻害される、で終わるのでなく、コレステロールが肝臓で作られなくなったらどこからコレステロールを調達するのかについてまで考える。

 

2.構造式ワークショップ「薬のカタチを楽しもう」

 
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 先週と同じく、グランフロント大阪で行われました。

 今回は、薬の構造式を読み解けばいろいろなことがわかるようになるというものです。

 構造式が分かればわかること

 1.物性(水に溶けやすいか否か、安定している物質か)

 2.作用(働きかける受容体)

 3.吸収及び代謝、排泄(薬物動態)

 4.薬品や食品との相互作用

これは、薬剤師のみが学んでいる分野です。薬学のど真ん中と言えます。

 昨日のソクラテス先生(この記事では一度も本名で書いていない)も同じことを言っていました。

 構造式について学べていない理由、どうすればより知識が深まるかについて話し合いました。すると、いろいろな意見が出てました。

 

 薬剤アレルギーを構造式である程度予見できる事例

 相互作用はどのような構造式の変化で起こったのか?

 構造式では省庁で吸収されないとされるのに、吸収される物質があればトランスポーターの存在を疑え

 今、話題の新薬に起こり得ることは?

 

といった話題をテンポよく、SGDと抗議を交えて行われました。

 

今回、私が参加したグループの方のうち複数の方が持ってきていて役立ったのがこちら

 

honto.jp

 

 清水先生が紹介した2冊。いずれも持ってますが読み切れていません・・・

 

www.kinokuniya.co.jp

www.nanzando.com

 ここで学んだことを咀嚼して、ブログに書いたり会社で伝えられるように精進します!

 

 

そして最後にこちらの告知!

 

 

 

 

 

 

 

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