「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

ぶっちゃけた研究

 先日、このような研究結果が論文化され、世界に向けて発表されました。

 

jech.bmj.com

 健康意識の低い男性に対し健康診断を受けてもらうべく

 パチンコ店にて

 若い女性従業員にセクシーな白衣(通常看護師が着るのとは違う)を着てもらい受付

 

いやー、女性の人権問題を考えると炎上しますねこの研究。

 

 しかし、世の中はきれいごとではすみません。

 

そう、食事の内容について虚偽の報告をして森田医師を疑い深い人間にしてしまったクロちゃんのように。

togetter.com

 彼は、グループで一緒に活動しているHIROが脳出血で倒れて奇跡の復活をしたのを見ても(実際は入院先に行っていない:パチンコを優先したようです)上記の行動をしているのです。食い扶持を失う危機だったにも関わらずこの調子です。

 

 何度栄養指導運動指導をしても生活改善をしない患者さん

(施しようのない状態になったり、生活がかなり制限される状況になって医療従事者に泣きつく患者さんも多くいます。もしくはそのような状態になっても生活を改善しない人もいます)

 

 見通す将来の範囲が極端に短い患者さん

(今生活を改善すれば簡単に治療できると言っているのにそれが出来ない人。先の見通しが長すぎて、節制しすぎて人生が楽しくなくなって却ってストレスになってQOLが非常に下がってしまう人もいるので程度問題と思います)

 

 お薬手帳の持参を何度言っても持ってこない患者さん

 

 医療費の未払いをして、連絡してもつながらない患者さん

 

このような方はたくさんいます。

 そして、このような患者さんに振り回されて疑い深い性格になってしまった医療従事者もたくさんいます。

  日本中(いや世界中)ありふれた光景です。そんなのがありふれてるのもいかがなものですが。

 

 医療従事者の中には、生活改善をしない患者さんに堪忍袋の緒が切れ層になった経験のある方はたくさんいるのではないでしょうか。そこで、このようなぶっちゃけた実験に走ったのではないか思われます。相手の懐に入る。極端な方法なのですが、方向性は間違っていないと考えます。

 なぜなら、「綺麗事ですまない患者は斬って捨てよ」という方針ではないからです。

こうなると、非人道的なことになりますよね。

「綺麗事ですまなくても医療は見捨てない」という方針です。

自分の欲求にストレートに沿った刺激で動く人がいることに目を背けていないのです。

綺麗事でなくても、真正面から見つめる姿勢は大事です。多少生活習慣がゆるくても、人生が楽しめれば結果として長生きするかもしれませんし、死ぬ時に「やることはやった」と後悔しないかもしれません。むしろこれからは後者の気持ちを持って亡くなる事が大事なのではないでしょうか。

 

 今後、研究デザインをもう少しソフトにして折り合いをつける方向になるのでしょう。人間のストレートな感情や欲求に沿ったアプローチが効果的な人がいる。今回の実験は倫理的にちょっとまずいところがあるので、感情的なアプローチはそのままにして改善する必要がある。洗練させなければいけない。実際、論文内にもそのような主旨で書かれています。ぜひともそのような方向に向かってほしいですね。

 

 

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