「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

ちょっと待たれよ、健康食品の被害は健康だけではない 

yomidr.yomiuri.co.jp

 企業の届け出・機能をうたう資料の提供を必要とする「機能性食品」現品を用いた検証を必要とする「特定保健用食品」の枠に入らない、いわゆる健康食品については食品衛生法の管轄になるが、食品としての規制しかない状態です。そこで、特定の成分に関しては健康被害があった場合に報告を義務付けるよう食品衛生法を平成30年通常国会で改正する予定です。

 

 健康食品の害はもう一つあります。

金銭トラブルです。

効果がないのに効果があるよう謳って買わされたというトラブルが目立つ。(実はこっちのほうが多い)

 

消費者庁が健康食品に関するリーフレットを作成しました。

食品安全に関する取組|消費者庁

 こちらのリーフレットには、宣伝文句にだまされない方法も記載されています。楽して健康になりたい(元も子もない表現)のは人間の本能、対し、楽していい暮らしをしたい(=お金持ちになりたい)のも人間の本能。この本能同士の争い、詐欺に巻き込まれないためにはどうすればいいのでしょう?

 

 1.ホンマに効果があるんやったら製薬企業や厚生労働省が黙ってません

<企業側の論理>

 ホンマに効果のある成分を見つけた場合、それを検証すべく、誰の目に見ても公正な大々的な試験を行います。それにはお金と時間がかかります。試験をするだけのお金をかけて採算がとれるならば、製薬会社がその成分を独占して販売できるようにするでしょう。製薬会社は世界的な企業もあるので、世界中からその商品を開発する人を口説きにかかります。

 

<厚生労働省の論理>

 行政は国民の生活を向上させるために存在します(そういう目的です)。ゆえに、多くの人に効果のある薬を行き渡らせるような施策をします。誰の目に見てもまっとうな検証をするべく、臨床試験をするよう開発者に強く働きかけるのではないでしょうか。

 

 「ほんとうに皆さんの役に立ちたいので、国や製薬企業から権利を守っています」という言葉は信用しないようにしましょう。もし、私がそのような効果のある成分を自分だけが作れるというのならば、より高い値段で技術を買ってくれるところに販売し、あとは悠々と暮らします。(早々に利益確定をしてしまう)

 

2.値段を冷静に計算しましょう

 月に3000円する健康食品でも、1日の値段は100円。100円あったら何が買えますか?

2日に1回惣菜が買えます。コロッケなどは毎日追加できます。ストロングハイ及びそのジェネリックも変えますね。スーパーで牛乳200mlだって買えます。

 月に3000円だったら、何かしらの趣味に使えそうです。

 そう考えたら、毎日の食に彩りを加えたり、生活に彩りを加えるほうがストレス発散できていいと思います。

 

 しかし、健康食品そのものを禁止してしまうと、「楽して健康になりたい」人の一部が闇で健康食品を買うことになりかねません。そこで、いいことをした気分になりたい方は気が向いたら特定保健用食品のお茶(できればカフェインなし)を飲む程度にして、そのときだけいいことをした気分になったらあとは少々だらけた生活を送って精神的に楽になる方が健康になれそうな気がします。

なお、お茶にしたのは糖分がなく、特段体に害が起こる要素が少ないからです。

 

 といいますか、そもそも健康ってなんでしょう?精神的につらい節制をしてまで生きる事情があなたにはありますか?ただ闇雲に長生きすることが幸せですか?

 「孫の顔を見るまで」

 「親より先に死ねない」

 「借金完済まで死ねない」

 「カープが日本一になるまで生きる」
 「ガラスの仮面が完結するまで死ねない」

 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版が完結するのを見届けるまで死ねない」

いろいろ目標を立てて、その日までは頑張るのもいいじゃないですか。

 

 

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