「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

説明を嫌がる医師、説明に納得出来ない患者

 納得とは

dictionary.goo.ne.jp

ということらしい。

 

 患者が納得しない理由

1.情報量の非対称性

 明らかに医療に関する知識量が違います。それを学習しようと思ったら相当に時間と手間がかかります。さらに言えば、医師は集めた情報(情報を集めるのもうまいです。診断に必要な情報の見分け方も学びます。情報の精度も鑑別します)を選別し、知識をもって思考して判断するのが仕事です。一般の人より頭の回転が早くないとなれませんし、日頃の訓練で頭の回転は早いです。

 

2.医師と患者で視点が異なる

 他人なので視点が違うのは当たり前です。医師にとっては診断するのは日常なのですが、患者側は日常ではないので慌てていることもあります。冷静ではないので受け入れるのに時間がかかります。医師はそのことを把握していることが多いです。

 

3.説明に時間が割けられない

 患者が多すぎます。患者の考える速さになるべく合わせようと考えますが、他の患者もいっぱいいます。

 

4.言った言わないで揉めるのが怖い

 これは医師側が説明をあまり長時間やるのに抵抗がある理由です。

自身の言葉に責任を持っているから故に、長く説明して一貫性がなくなってくるのも避けたいという感覚もわかります。

言った言葉を正確に把握できない(医学知識の差によるものや、もともと人の言葉を上手に聞いてどんな内容だったか受け止めることが苦手な人がいます。)。

 「今聞いたことを話して」と言われたら全く異なる解釈を挟んでくる人もいます。

(余談ですが、説明の最初と最後で言ってることが真逆にななってしまう患者さんがいて、そこを間違えると治療に支障が出るので、正しい情報に修正するのに苦労したケースもあります。その方はどうも自分の希望が医師の指示に自然に入り込んでしまうようです。)

 これは悪意なく解釈が変わってしまうケースなのですが、悪意を持って別解釈をして思った通りの治療結果にならなかった時に訴訟を起こす人もいかねません。そうなると医師の生活(これは、今後救える患者さんの数の減少にもつながる)に支障が出るので、誤解をされない最小限の言葉で済ませることもあるようです。どう捉えても一つの解釈しかできないような表現です。これは、長い説明をすると混乱してしまう患者さんにも効果的です。

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 では、どうすればいいか?

1.詳しい説明を自費にする

 お金が払えないと言って拒否する患者さんが出てくる

2.記録する

 患者側だけがICレコーダーで記録することになりがちですが、こうなると、情報を加工して医療側を陥れる危険性もなくもないです。あと、医師と患者の声だけ入っていればまだましですが、他の患者の声や他の患者の治療情報が録音されてしまうと非常にまずいです。ゆえに、ひと声かけても許可されない場合があります。

 改ざんとプライバシー配慮と双方が持てるようにするという問題をクリアすれば、状況が変わると考えます。できれば文字で残っていれば、診察中に医師が薬の細かい使い方の指示も薬の情報に反映させやすいです。

 こういう機械を開発してほしいです電子カルテメーカーさん!

(といっても、診察室のような特定多数が入る場所で、特定の人の声だけを抜き出して録音する技術は相当実現が難しいようです)

 

3.看護師・薬剤師外来

 内容によっては解説するところを他の医療職にしてもらうのもありと思います。

医師の出す治療方針を見て

 薬の使い方については薬剤師が

 生活の仕方については看護師が

説明すると医師は診断と方針を立てるのに時間が割けます。

これだけの人員を置くコストもかかります(汗)

 

 

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