「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

顔の見えない関係の安心、顔の見える関係の恐怖

 今回は、顔の見えない関係の安心と顔の見える関係の恐怖について記事にします。

 

 「ポケモンGO」というゲームがあります。

言うまでもなく非常にメジャーなゲームであります。こちらのゲームは

 

外に出て仮想空間上にいるポケモンを捕まえる。

外にある仮想空間上のポケストップやジムでアイテムを補給する。

外にある仮想空間上のジムで他のチームのプレイヤーの配置したポケモンと自分のポケモンを戦わせる。(ジムバトル)

外にある仮想空間上のジムにある、同じチームのポケモンにきのみをあげてほしのすなとポイントを稼ぐ。

外にある仮想空間上のジムに自分のポケモンを配置する。配置している時間によってポケコインというアイテムが買えるコインをもらえる。

外にある仮想空間上のジムに現れたレイドボスとなっているポケモンと他のプレイヤーと共に戦う。(レイドバトル)

 

と上記のように、「実際に外に出る」ことでゲームが進行していきます。ゲームの目的がいろいろ設定できます。

ポケモンを捕獲する

ジムバトルをしたり、ジムのランクを上げる

レイドバトルに参加して、珍しいポケモンを集める

目的がいろいろあるので、他のプレーヤーとかかわらないやり方も選べます。

 

他のプレーヤーとあまり関わりたくない場合は、

ただひたすらポケモンを捕獲するのが一番安全です。

レイドバトルは、プレーヤー同士で敵になる可能性は比較的低いです。ただし、一つのバトルに入れるのが20名までなのでその枠に入るか入らないか、バトル自体に鍵をかけて特定の人しか参加できないようにする場合、EXレイドバトルの招待状を送るかどうかはプレーヤー同士の人間関係がものを言ってきます。(親友以上でないとEXレイドパスの招待状を送ったり受けたりできないため)

伝説ポケモンと呼ばれるポケモンを捕まえる場合は、沢山の人が必要になってきますので、友人同士で一緒に開催されているジムに行くと戦いに勝てる確率が高くなります。

ただし、友だちがいなくても、ある程度人が集まる場所ならばバトルの開始時間にジムに行けばバトルに参加でき勝てる確率も高くなります。さらに言えば、大阪駅周辺のようにバトル開始直後でなくてもバトルが成立する場所もあります。(特に土日は親子連れでプレイしているのを見かけます)

プレーヤー同士でフレンドとなり、ギフトと称して1日1回アイテムを贈れるようにすることもできます。(ただしこれも1日20名まで)

 

 

 薬のブログなのにゲームの解説ばかりになっておりますが、ここまでが前置きです。ここで伝えたいのは、顔の見える関係の恐怖について感じたことです。

 ポケモンGOでは、プレーヤー同士がかかわらなくてもレベルが上がるようになっています。しかし、ジムバトルでトラブルになりかねないことがあります。ジムにポケモンを配置すると、ジムレベルが上がってジム(ポケストップを兼用)でもらえるアイテム数が増えたり、コインが貰えます。このあたりの利害関係がプレーヤー同士のいざこざをおこしてしまうのでしょう。

 

 私があるジムにポケモンを配置しようとしたところ、他のチームのプレーヤーがそこにいて、非常に気まずかったことが何回もあります。

 通常のソーシャルゲームでは、画面を通して他のプレーヤーがいて、その実体がわからないようになっています。が、違法に遠隔操作をする手段を使っていない限りジムバトルの相手がわかることがあります。これが非常に気まずい。

 

 

 相手の顔がわからないと好き勝手言えるし、相手もゲーム以外でやり返してこない(それどころかゲームの中でも再度めぐりあうことがない)ので、相手に過剰に気を使うことがないです。相手の顔が見えると、トラブルになるのを避けて、言いたいことも全部は言わないし、人によっては相手の望む答えを言ってしまいがちです。

 

 これは医療でもそうです。機嫌を損ねないような答えを言おうとしたり、うまく傷つけない表現にできない場合は言わずにいることも多く、治療に必要な情報を伝えきれないこともあります。

 

 また、相手の顔がわかっていると、その人とプライベートの空間で会った時に気まずくなることもあります。通勤電車で見かける人に休みの日にポケモンGOのレイドバトルで会うようなものです。自分の病気のことを知っている人に休みの日に会うのは厳しい場合もあります。

 こう書いてしまうと、今の人は水臭い、人と人とのつながりが云々と言われそうですが、嫌われないために相手に好かれる行動をしてしまう人も一定数いますし、踏み越えてはいけない線は相手によって違うし、それは年々パーソナルスペースが広がる方向に向かっていっているような気がします。

 顔の見える関係がすべていい関係とは限りません。SNS上だけでしか関わりがないのに、相手との距離感が図りやすい人もいます。

 ネット上で医療相談をする人がいるのではないでしょうか。自分の正体を知られたくない、嫌われたくない、反撃されたくない。強いことを言われたら即関係遮断が手軽だからでしょう。しかし、診察につながる相談は、本人固有のものすぎるので情報流出の危険性があるのと、直接見たり触れたり臭ったりしないとわからない事柄もあるので無理というのが現実です。

 

 いい意味での顔の見える相手というのは「ここまでなら言っても接しても良い範囲が把握できて」なおかつ「「リカバリーがしやすい」関係ではないでしょうか。

 

 今回の記事は、ポケモンGOの解説がメインではないかと思われますが、医療における顔の見える関係と見えない関係の話です。

 

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村