とあるサイトで「手作り点眼」なるものが紹介されていて、私はお茶を吹きそうになりました。(最初に見たTwitterのつぶやきでは「塩化ナトリウムの入っていない食塩を入れる」というこれまた科学的に存在し得ないものについての指摘が中心でした。)
点眼剤を自宅でなぜ作れないかといえば、日本薬局方の製剤総則にあります。
点眼剤の定義そのものが
「点眼剤は,液状,又は用時溶解若しくは用時懸濁して用いる固体の結膜嚢などの眼組織に適用する無菌の製剤である」
この時点で自宅で作るのは無理です。
点眼剤に求められる基準を満たしているか確認するための試験
無菌試験
http://www.eiken.co.jp/products_technique/es/pdf/es2b.pdf
点眼剤の不溶性異物検査法
https://www.pmda.go.jp/files/000164563.pdf
(異物がないかどうか調べる)
点眼剤の不溶性微粒子試験法
http://www.eiken.co.jp/products_technique/es/pdf/es2b.pdf
(懸濁剤の微粒子の大きさが一定の範囲内かどうかの確認)
これらを満たそうと思うと、家庭の環境では実現できません。
完全に無菌状態で薬を作らねばなりません。
実際の製造工程
点眼剤の製造に関わる法規がまとまったもの
点眼剤の承認許可に関する留意事項
~薬機法,日局及び関連通知等~ 2017年3月
公益社団法人 東京医薬品工業協会 点眼剤研究会
http://www.pmat.or.jp/syoseki/documents/20170315_005.pdf
どう考えても莫大な設備が必要です。