「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

学校薬剤師の役割とは

学校薬剤師とは

www.nichiyaku.or.jp

 

法的根拠。導入の経緯などまとまって書かれています。

こちらの記事を読んだらだいたい把握できるのではないでしょうか。

 

 法的根拠は「学校保健安全法 第23条の2」

2 大学以外の学校には、学校歯科医及び学校薬剤師を置くものとする。

’学校医は大学にも配置されます。

 

職務内容は「学校保健安全法 施行規則第24条」

 

第二十四条 学校薬剤師の職務執行の準則は、次の各号に掲げるとおりとする。
一 学校保健計画及び学校安全計画の立案に参与すること。

二 第一条の環境衛生検査に従事すること。

  →第一条 学校保健安全法(昭和三十三年法律第五十六号。以下「法」という。)

   第五条の環境衛生検査は、他の法令に基づくもののほか、毎学年定期に、

   法第六条に規定する学校環境衛生基準に基づき行わなければならない。
   2 学校においては、必要があるときは、臨時に、環境衛生検査を行う

   ものとする。

  ※第五条の環境衛生検査:第五条 学校においては、児童生徒等及び職員の

              心身の健康の保持増進を図るため、児童生徒等及び

              職員の健康診断、環境衛生検査、児童生徒等に対する

              指導その他保健に関する事項について計画を策定し、

              これを実施しなければならない。

  ※法第六条:第六条 文部科学大臣は、

        学校における換気、採光、照明、保温、清潔保持

        その他環境衛生に係る事項(学校給食法(昭和二十九年法律

        第百六十号)第九条第一項(夜間課程を置く高等学校における

        学校給食に関する法律(昭和三十一年法律第百五十七号)第七条及び

        特別支援学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律

       (昭和三十二年法律第百十八号)第六条において準用する場合を

        含む。)に規定する事項を除く。)について、児童生徒等及び

        職員の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準

        (以下この条において「学校環境衛生基準」という。)を

        定めるものとする。


三 学校の環境衛生の維持及び改善に関し、必要な指導及び助言を行うこと。

四 法第八条の健康相談に従事すること。

  →第八条 学校においては、児童生徒等の心身の健康に関し、

       健康相談を行うものとする。


五 法第九条の保健指導に従事すること。

  →第九条 養護教諭その他の職員は、相互に連携して、健康相談又は

       児童生徒等の健康状態の日常的な観察により、児童生徒等の

       心身の状況を把握し、健康上の問題があると認めるときは、

       遅滞なく、当該児童生徒等に対して必要な指導を行うとともに、

       必要に応じ、その保護者(学校教育法第十六条に規定する

       保護者をいう。第二十四条及び第三十条において同じ。)に対して

       必要な助言を行うものとする。


六 学校において使用する医薬品、毒物、劇物並びに保健管理に必要な用具及び材料の管理に関し必要な指導及び助言を行い、及びこれらのものについて必要に応じ試験、検査又は鑑定を行うこと。


七 前各号に掲げるもののほか、必要に応じ、学校における保健管理に関する専門的事項に関する技術及び指導に従事すること。

2 学校薬剤師は、前項の職務に従事したときは、その状況の概要を学校薬剤師執務記録簿に記入して校長に提出するものとする。

 

 学校薬剤師の業務もしっかり定まっているんですね。

 

 で、学校薬剤師が実際に行うこと

 照度調査(学校内の照明が授業をする上で適切か):年に複数回

 学校プール調査(学校のプールの水質が基準を満たしているか):プールの授業が始まる前→これをやらないとプールでの授業ができない

 空気調査:学校の中の空気が基準を満たしているか:年に複数回

 ダニ調査:ダニがどれだけ生息しているか調べる(アレルゲンとならない数か)

 飲料水調査:飲める基準かどうか

 保健室医薬品調査:ちゃんと管理されているか、期限切れていないか

 理科室薬品管理状況調査:劇薬があります

 

学校環境衛生基準

http://www.saiyaku.or.jp/pharinfo/school/common/teikikensa.pdf

京都府学校薬剤師回新人研修マニュアル(平成26年 pdf)

http://kyotofu-gakuyaku.sakura.ne.jp/kensyu/pdf/2014kensyu-manual.pdf

学校環境衛生管理マニュアル(文部科学省平成30年:pdf)

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/31/1292465_01.pdf

 

 これらの業務を誰が行うのか?

 薬剤師であれば誰でもなることができます。

 薬局の管理薬剤師であってもできます。

  根拠:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する
     法律第7条第3項に規定する薬局の管理者の兼務許可の考え方
     について(薬 生 総 発 0 320 第 3 号平 成 3 1 年 3 月 2 0 日)
     https://www.mhlw.go.jp/content/000491534.pdf

     (都道府県もしくは政令市による)この兼務許可を与えることが

     できるものとしては、

    「薬事法の施行について」(昭和 36 年2月8日付け薬発第 44 号

     厚生省薬務局長通知。以下「昭和 36 年通知」という。)において、

     「非常勤の学校薬剤師を兼ねる場合等であって薬局の管
     理者としての業務を遂行するにあたって支障を生ずることがないと

     認められるとき」を例示しています。

 

どこで募集しているのか?

 教育委員会の委嘱とありますが、実際のところは各地域の薬剤師会が取りまとめていることが多いです。

 学校の非常勤職員です。

 

報酬は?

 さまざまです。

 

 こうやって学校の環境は守られています。そして、災害時の避難所としての学校の衛生環境を守る基準でもあります。

 

 個人的には、薬剤師の資格がありながらも、育児や介護、家庭や本人の事情で

 常勤が難しい人が行う形でもいいかと思っています。その取りまとめ窓口を

 薬剤師会が担えばいいと考えています。

 

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