「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

薬剤師フィールドリサーチ(121)「薬剤師・登録販売者の副業」

今回は2023/7/26 発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 昨今、サラリーマン界隈では副業の話題が出てくる機会も増えました。 そして、自分が経営者ではない、雇われる側の薬剤師・登録販売者が増えました。もはや多数派ですね。…

薬剤師に処方権を(3)セルフメディケーション編

薬剤師による医療用医薬品の販売や軽医療に対する処方権を得ることが、医師の負担を軽減し、国民も医療へのアクセスが容易になります。 市販薬というジャンルの存在を認めない場合→闇で医薬品(もしくは医薬品に見せかけた中身がよくわからないもの)を入手…

薬剤師フィールドリサーチ夏の特別編「コロナ禍に面薬局を船出して着実に地域で支持を積み重ねる令和の開局者を訪問」

今回は2023/7/26発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 今回の「薬剤師フィールドリサーチ」夏季特集号企画では、将来的に薬局は淘汰の時代を迎えるとも指摘される厳しい経営環境のなか、逆に『門前に医療機関は存在しないけれど…

薬剤師フィールドリサーチ(120)「デジタルサイネージをきっかけに」

今回は2023/7/12発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 最近、待ち時間の情報提供の手法としてデジタルサイネージを利用する薬局らドラッグストアが出現しています。多くの情報を掲載できるので、待ち時間に飽きることなく情報提…

薬剤師フィールドリサーチ(119)「コロナ5類移行後1ヶ月が経過して」

今回は2023/6/28発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 COVID-19が感染症法上の5類感染症になって1ヶ月が経ちますが、去年もコロナ患者さんの薬を配達したり発熱患者さんの対応をしたりしていた立場としては、発熱患者さんの対応…

薬剤師に処方権を(2)処方箋応需編

形式的疑義照会の省略、薬剤師による薬剤選択の幅を広げることを希望します。 現行制度では処方箋の薬の記載方法によって事細かく変更ルールが定められています。 安くなる方向にしか変更できないのが基本です。 昨今の医薬品の供給不安も含め、患者の同意の…

薬剤師に処方権限を(1)処方設計編

薬剤師が医師の治療方針と患者の生活に合わせた処方設計を行うこと業務として確立することを希望します。 現在も「薬剤師外来」を持っているところは、医師の診察前に薬剤師による問診で副作用のモニタリングや薬の使用状況を考え、検査値や病態をもって処方…

薬剤師フィールドリサーチ(116)「調剤補助導入で増えること」

今回は2023/6/14発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 各地の薬局や病院では、調剤補助の方を採用しているところもあると思います。薬剤師の業務負担軽減で対人業務に当てる時間を長く濃くするというのが目的のようですが、実際…

その議論に患者はいるのか?

疑義照会、特に形式的疑義照会についての議論がツイッター上でありました。 疑義照会とは 薬剤師法第24条を根拠とします。 [ 処方せん中の疑義 ]第24条 薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問…

薬剤師フィールドリサーチ(115)「コロナ5類移行でどうなったか」

今回は2023/5/24発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 5/8にCOVID-19が感染症状の扱いが5塁となり、抗ウイルス薬以外は治療にお金がかかるようになりました。 今までは、風邪症状の患者さんが店の前の呼び鈴を押してやってくる姿…

薬剤師よ萎縮するなかれ

やってきました「薬剤師の権限を大きく増やす動き」 こういうのって、結構な割合で某職能団体が某開業医団体に恐れをなして自分の権限を放棄する流れになってしまう。なぜこうなるのか。 現在の50代以上の世代、薬剤師として入職する際に「医師の機嫌を損ね…

薬剤師フィールドリサーチ(114)「マイナ保険証・電子処方箋で確認できても」

今回は2023/5/10発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 マイナンバーカードを用いた保険証や電子処方箋では、患者本人の同意があれば服用している薬剤の情報を意思も知ることができます。これにより、薬剤師による併用薬の確認は…

WHOによるコロナワクチンの優先度

www.who.int www.cnn.co.jp この提言を読んで、「小児にCOVID-19ワクチンは不要」と考える向きがあるようですが、そういう意味ではないことを解説します。 基本方針:高齢者や基礎疾患を持つ人など、感染したら重症化しやすい人達を守る 小児の場合:他のワ…

COVID-19の5類移行、つまりはこういうことですわ

5/8よりCOVID-19が感染症法の扱いが5類になります。 www.mhlw.go.jp その根拠 未知の感染症とはいえなくなるから。 病気の大体の治験が揃って、治療法もざっくりとできてきたから。 5類になる→1-4類ではないため 感染症の範囲及び類型について(厚生労働省)…

薬剤師フィールドリサーチ(113)「現行制度にほんの少し工夫を」

今回は薬局新聞2023/4/26発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 働きながら病気の治療をしている人は本当に多いと思います。現在の保険医療制度にほんの少し工夫を行えば、働く人に優しく安全な医療になるのではないでしょうか。 …

平均寿命が著明に短くなるのは

COVID-19の流行時期を境に、平均寿命が大きく短くなった国があります。 (日本は横ばい) これは、死亡する人における若い人(ことに小児)の割合が高いことを示します。 ちなみに2022年の死者数は1,582,033人 うちCOVID-19による死者数は約39,000人 死者数…

薬剤師フィールドリサーチ(112)「コロナ5類でどうなる」

今回は薬局新聞2023/4/12発行号薬剤師フィールドリサーチの記事を掲載します。 とうとう、CONVD-19が5類になるわけですが、色々気になることがあります。 1. ドラッグストアではマスクを付けるのか医療機関、医療提供施設である薬局は感染リスクの高い人が来…

SARS-CoV2ワクチン定期接種化を検討

SARS-CoV2ワクチン定期接種化を検討 2023年 5-8月 高齢者・基礎疾患を持つ人・医療・介護従事者 1回目 9-12月 全員 5-8月接種者の2回目 2024年以降 年1-2回の定期接種 基礎免疫は2022年までに接種しておこう(小児以外)というメッセージだったようです。も…

薬局資本による大きな薬局

薬局資本による大きな薬局を作るほうが良いのではないかと思うことがあります。今、大手の薬局のいくつかは商社資本ですし、経済界の方も多少は儲かることでしょう。もしくは、物販ですでに利益のあるドラッグストアが医薬品を一手に扱うことで、 医療の倫理…

薬剤師フィールドリサーチ(111)「医薬品の零売制度に関する疑問」

今回は薬局新聞2023/3/22発行号の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 医薬品零売についての議論がなされています。 安全に使用する 乱用しない セルフメディケーションという観点で考えたいと思います。 医薬品零売をする場面として 1.現在飲…

地味だが大事な薬剤師の仕事シリーズ(1)「薬のピッキング」

地味だが大事な薬剤師の仕事を解説するシリーズを不定期で行います。 今回は「薬のピッキング」です。 処方箋には以下のように記載があります。 【般】カンデサルタンシレキセチル8mg 1錠 1日1回朝食後 28日分 この場合の判断するステップ 患者さんの併用…

薬剤師フィールドリサーチ(110)「”キラキラ薬剤師”の皆さんに望むこと」

今回はあ薬局新聞2023/3/8発行号掲載の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 学会発表や論文、各種著作物の執筆や先進的な取り組みで薬剤師向けメディアに登場するいわゆる「キラキラ薬剤師」。彼らの先進的な取り組みばかりが取り上げられます…

学会の場で感じた寂しさ

とある学術大会に参加して、薬局薬剤師が研究する難しさを感じた話をお伝えします。 ある研究発表で、若手のホープとされる人が発表していました。発表するためのデータを取っているときの所属薬局と、発表する時点での所属薬局が異なっています。おそらく、…

薬剤師フィールドリサーチ(109)「マスクは日常生活に馴染んだ?」

今回は2023/2/22発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 ドラッグストアの店頭に並ぶマスク、年々バリエーションが豊かになってきているような印象を受けます。そして、通行人のつけているマスクも多様化してきています。昨年、一…

医療契約

最近、医師の命が狙われる事件が目立っています。 ここで、気になるつぶやきがありましたので紹介します。 医師は比較的高収入で雇用も安定しているという点では強者だが、診察は原則断れないこと、モンスター患者や家族に最終責任者として対応しなければい…

薬剤師フィールドリサーチ(108)「事務職員の争奪戦が始まる?」

今回は2023年2月8日発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 最近、多くのお店でアルバイトやパートの募集をかけています。この時給が年々上昇しているように感じます。最低時給が上がっているからなのはもちろんですが、それ以上に…

薬剤師フィールドリサーチ(107)「ドラッグストアでの薬剤師常駐緩和?!」

今回は2023年1月25日発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 先日、オンラインでのカウンセリングをもって薬剤師常駐条件の緩和をするというs税付の方針が報道されました。 この報道に対し、いろいろな見方がされています。 ドラッ…

長生きするリスク

長生きするのもリスクと感じられる時代になってきました。 現在、健康寿命が73-74歳。70歳時点での平均余命を考慮すると男性16年、女性20年なので健康寿命経過後も10年以上は軽く生きながらえます。 kenkochoju.pref.miyazaki.lg.jp 健康寿命の定義 健康上の…

薬剤師フィールドリサーチ(106)「対面指導にはまだまだ可能性がある」

今回は2022/12/21掲載の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 Amazon薬局上陸で既存の薬局はどうなるか、という話題がSNS上で盛り上がった翌日、勤務先の薬局では対面指導の必要性を感じさせる患者さんがたくさん来られました。 怪我をしたばか…

保険診療ですぐさま治療にかかわらない薬を出すことに何があかんのか

業務で。本編の治療と関係のない処方を見ることがあります。 ・SARS-COV2のmRNAワクチン接種時の副反応対策としての解熱鎮痛剤処方 ・ついでのビタミン剤処方(皮膚科の場合はグレーゾーンという認識です。皮膚の疾患がもとでメンタルを病んでしまい、精神…