今回は、インターネット上の医療情報を検索するのはいかに難しいかについて記事を書きます。
最近、Googleで医療情報を検索するとまっとうな情報にアクセスしやすくなりました。やはり、昨年のWELQ問題(真偽が定まっていない医療方法を掲載したとして、サービス自体を止める羽目になった)でGoogleも「まっとうな情報を載せないと会社の信用に関わる」と思ったのでしょう。
「花粉症」で検索しました。
花粉症の薬を発売しているメーカーのサイトが上位に来ています。
公共機関よりは信頼度は落ちるとはいえ、全くの嘘は掲載していません。
疾患名単独で検索すると、個人のブログなどは上位に上がりにくくなりました。去年までは当ブログも「ノルレボ錠0.75mg」で検索すると
が1ページ目に来ていたのですが、今は公共機関のものが上位に来るようになっています。
ただ、「疾患名+食事」など、単語を複合するとまだまだと言った印象です。
前回の記事にも登場したのですが、今回のテーマにも合致するので、もう一度登場いただく論文があります。
肺がんについてインターネット検索したところ、日本とアメリカでは大きな差があった。アメリカでは標準治療を勧めるサイトが80%以上(代替医療は10%未満)に対し。日本では標準治療を勧めるサイトが50%未満だったという論文が2009年に発表されています。
全文もフリーなので是非お読みください。
これだけまっとうではない情報が溢れています。
「インターネットに医療情報を掲載してはいけない」という規制はできません。医療情報が医療従事者だけのものに限定する、という発想は楽かもしれませんが、そうはならないです。ならば、専門家が正しい情報を発信するのが良いと考えます。
1.医療情報を検索する人へ
検索する際に、この方法を試すとまっとうなサイトが見られる方法
「検索する単語 ”go.jp" "ac.jp"」
ポイントは「 ” 」を使うことです。
すると、こんなことに。
葉酸の記事の時に参考にしたサイトがたくさん出てきました。
ページのタイトルのすぐ下にある「アドレス」をみて「go.jp」「ac.jp」のものからページを読んでいく方法も簡単です。
広告は避けるのも簡単な方法です。
「葉酸」で検索すると、このように「広告」と明記したサイトが上位に出てきます。
このページを飛ばし、官公庁や公共機関のサイトを見るとまっとうな情報が入りやすくなります。
こちらに、インターネットで医療情報を検索する時のコツ(一般の方向け)が掲載されています。ご参照ください。
面倒なのでネットで検索をしない、となった場合は、医療機関や薬局に相談ください。できないことをプロにお願いするのは悪いことではありません。
2.医療情報を提供する人へ
1.で検索するのが面倒になった人、検索したが何がなんだかわからなくなった人がやってきます。その場合に嘘を教えない方法を、それ以外の手段でも嘘を発信しない方法を身につけましょう。
必要とされる能力は
「関連した用語を用いた検索能力」
「嘘を嘘と見抜ける能力を」
「自信がない場合は、ちゃんとしたサイトもしくは専門家を提供できるようになる」
でしょうか。
専門家とされる人が書いた記事でも、
過去の知識で書いた物や
巧妙に本当と嘘を混ぜているものもあります。
前者は悪気はなかったのだと思います。後者は明らかに悪意があります。
前者は生涯学習の大切さを学べば更生できます。学びましょう。
いずれにせよ、その職業に対する信頼を落としています。
ブログに書く場合は、自身が書いた記事に参考文献を記載することを強くおすすめします。それどころか必須です。どの記事を読んだかについて記載があれば、更に学習ができますし、間違ったことを書いちゃいけないな、と慎重になると思います。
検索する時は、関連する単語の選択が重要になってきますので、専門知識が必要です。どの単語を組み合わせれば自身の意図する情報を検索できるか、学習することもおすすめします。専門用語同士の組み合わせだと、精度の高い検索ができると考えられます。
同じ医療に関わる人であっても、分野が違うと門外漢になります。自分の仕事がどんな仕事なのか把握した上で、患者さんに相談された内容が他の職種に聞いたほうが詳しいもの、自分がやってはいけない判断(診断になってしまうもの)だと思ったら安心して紹介できる関係先を構築することもおすすめします。
そこで。当ブログを読んでいる薬剤師の皆様!
同じ薬剤師が書いているブログの中でこれは信頼できると思った記事を拡散していただけると助かります。
検索の上位に公共機関→医療機関公式サイト→医療従事者によるブログ記事の順で最初の数ページを埋めてみましょう。さすれば、非常によく検索する人以外はその情報だけ見ればいい状態になります。(非常によく検索する人は、医療従事者を含めた他人にも相談しそうです)
方法は、Twitterによる拡散、FBによる拡散→ご自身のフォロワーに対する啓発
はてなブックマークによる拡散→これだと設定次第ではSNSに同時に拡散できます。
触発されて学んだことを記事にされる方も歓迎です。
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