「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

【薬と健康の週間】患者さんの情報は、書籍やネットの中にはない

 10/17-23は「薬と健康の週間」です。それに寄せて、今回の記事を書きます。

医療機関を、薬局をこのように活用すればいいんじゃないかという一つの提言です。

 

 先日放送された「HUGっと!プリキュア」で以下の趣旨のセリフがありました。

「あの母子のことは、本にもネットの中にもない」

 登場人物が医師の職業体験をし、そのうちの一人が産科医の仕事を学ぶというものでした。その中で登場した一人の産婦とその家族との関わりの中で登場する、産科医の言葉が先の言葉になります。

 

 医療従事者は、一人ひとりの患者さんに役立つ情報や知見を見つけるべく、日々知識を得ています。ただ闇雲に学ぶのではなく、学ぶ動機の中に自分が接した、接する人が印象付けられています。

 論文を検索して情報を得るのも、特定の患者さんをイメージしていることが多いです。一般的な、根拠のある情報の中で、その患者さんに合ったものはないか調べています。患者さんをエビデンスで標準化するのではなく、標準化されている情報が個々の患者にどこまで適応するのか思案にくれています。

 

 そして、患者さんが調べてくるであろうネットやメディアの情報に目を光らせています。PVや視聴率を集めるための情報は、見せるための装飾が散りばめられています。それに惑わされた患者さんが、道に迷っても、なるべく良い状態で治療に向き合えるように研鑽しているのが医療従事者です。

 ネットで情報を発信する医療従事者も、たとえ検索順位が下の方であっても、良質な情報を得てほしいと願っています。

 

 ネットや書籍の中の情報は、一般的なものです。

 あなたの情報は、あなたの中にあります。

 そのことを安心して話せる医療従事者を見つけることで、医療情報の、そして治療の道筋が定まる大きな力になります。

 病院の医師は多忙です。その専門性を発揮しなければいけない対象が非常に多いです。また、その意志はずっとその病院にいるわけでもありません。診療時間外の相談を受け入れていたのでは他の患者の治療ができません。特に、入院や手術の設備のある医療機関は、入院している人の治療がメインです。外来はその前後のフォローが主です。

 

 そこで、活用してほしいのが薬局です。一般的に薬局の開いている時間は病院よりも長いです。自分の家の近くや、立ち寄りやすいところをかかりつけにして、そこで薬の、健康の相談をされてはどうでしょうか。薬局では相談した内容を記録していきます。予約はいりませんが、込み入った相談をするときは大体の来局時間をお伝えくだされば、なるべく時間をとるようにします。相談内容を軽く伝えていただけると、資料を準備できます。

 薬局でも、相談した内容を蓄積することで、あなたの情報を多く集めることができ、あなたの健康の何かしらに役立てることができます。お互い様です。

 

 薬局の薬剤師の皆さんへ。患者さんが相談してきた場合は快く受けましょう。予約せずにさっと行ける医療提供施設としての強みを活かして。

 お金にならないかもしれませんが、相談を受け続けることで、地域の信頼は得られるでしょう、きっと。

 

 

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