「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

薬剤師フィールドリサーチ(104)「一包化調剤の外部委託に対する現場感覚(施設調剤編その1)」

 今回は2022/11/23発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。

 

 調剤の外部委託が」話題になっています。機械の設備的には効率化になるとは思いますが、人員や作業の効率化にはならないのではないかと考えます。
一包化調剤といえば高齢者、特に施設では一包化でないとよほどしっかりした入居者でない限り薬を服用させることができないので行われます。(施設のスタッフは一包化薬の不服用の支援までしかできません)
その作業たるや、大きな錠剤自動分包機が必要で、作業に時間がかかるのが特徴です。調剤にも時間がかかりますが、鑑査や個別対応を必要とする印字や薬剤のセット(別包にした薬や分包品を1回服用ごとにホッチキスやテープで止めるなど)に非常に時間がかかります。
外部で作った場合、責任の所在を明確にする必要性が高まります。それぞれ完成した時点で内容の確認と薬の写真を撮るなど記録を残すという作業が増えそうです。
そうです。委託先と委託元で鑑査を2回行うことになります。この時点で、対人業務に割ける時間を得られる効果は消えてしまいます。個別対応について、外部に委託する場合、正確な言葉での指示が必要になります。しかも、施設ごと、入居者ごとに異なる指示を的確に行う必要があります。委託調剤に関する伝票のフォーマットを作る必要があります。
さらに、急変に合わせての調剤や、五月雨式にやってくる施設からの指示に素早く対応する必要があります(施設と薬局を1日に4-5往復することも)ここまでいくと、委託元の薬局に分包機が必要となってきます。委託先に作ってもらうと時間がかかるし融通も利かないからです。
 設備も効率化も限定的だし、患者さんや施設の時間は効率的にならないのではないかと首を傾げています。

 

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