「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

地味だが大事な薬剤師の仕事シリーズ(1)「薬のピッキング」

 地味だが大事な薬剤師の仕事を解説するシリーズを不定期で行います。

 

 今回は「薬のピッキング」です。

 

 処方箋には以下のように記載があります。

【般】カンデサルタンシレキセチル8mg 1錠

1日1回朝食後 28日分

 

 この場合の判断するステップ

患者さんの併用薬、アレルギー、体重、処方日数制限、腎臓や肝臓の機能、信仰(ムスリムの方はカプセル剤不可)、嚥下機能。薬局の在庫。入手しやすさ、飲めそうな剤形、既往歴、ジェネリック希望の有無の確認

 薬をピッキングする前にこれだけ考えますが、これは別項目で記載します。

 

特にアレルギーも併用薬も支障なければ、先発希望か否かで選択肢が変わります。

 先発の場合:ブロプレス錠8mg 28錠 

 後発の場合 カンデサルタンシレキセチル錠8mg(ジェネリックのもの) 28錠

もしくは 4mg56錠 もしくは2mg112錠

(いずれもブロプレス錠8mgの薬価より安いため選択可能)

さらにいえば、後発品には口腔内崩壊錠があるので、錠剤の飲み込みに不安のある人にはこちらを選択することも可能です。

これも患者さんやその世話をする人の希望で薬が変わってきます。

 錠剤を拾うときに気をつけるのが

 包装に傷はないか

 拾った錠剤に変色などはないか

です。

 外国ではすでにメーカーで一定の数パッケージされたもの(30錠入りなど)をそのまま渡すという方式をとっているところもあります。これだと、薬局で錠剤の数を数える必要はないので簡単に払い出しできます。COVID-19で出される「ラゲブリオ」という薬がその例で、一つの瓶に1回の治療に飲む量のカプセルが入ったものが渡されます。

 日本もそのようになれば、ピッキング作業は専門性がほぼなくなりますが、患者の適正使用がかなり問われるので導入は難しいと考えます。何錠をいつどの患者が飲んだかまで追跡できるようになれば話は別です。交付から服用まで追跡できるようになるのは技術だけでなく人権問題にもなりかねません。追跡されるのが嫌で受診しないおそれもあります。

 

 

 

 

 

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村