今回は、がん治療に関する番組を見た印象について2つの記事に分けてお伝えします。
1.「ミヤネ屋」(9/22)
放送している事実については踏み込んだ内容です。
現在行われているがん治療
標準治療とは何か
自由診療とは何が違うの?
怪しいがん治療を行っている自由診療のクリニックの見分け方と対処法
専門の医師の方を中継でお呼びして解説する形式を取っています。
問題はスタジオの出演者と番組の流れでした。
2時台後半からコーナーが始まり、ニュースを挟んでお伝えするというもの。番組が肝いりで放送したいけれどいかんせん内容が硬いので、途中のニュースで頭を休ませる形を取ったのでしょう。視聴者にとってはブレイクできるので安心なのですが、医師の方にとっては忙しい時間の合間の出演なのに待たされるのはいい気分ではなかったと推測します。それでもいいから、正しいことをお知らせしたい、患者さんの命を守りたいという使命感があったのではないでしょうか。
先生の解説はよかったです。わかりやすく、それでいて折れないところでは折れないものでした。
重粒子線治療に関しては、保険で行われている放射線治療で対応できるとバッサリ。
「標準治療こそ、科学的根拠をもって効果があると認められた治療方法である」
「(自由診療は)効果を認められたいのであれば、臨床研究をするべき」
医療に、そして患者さんに誠実でありたいと嘘を言わず、本当のことをはっきりという姿勢は崩さないどころかだんだん強くなっていっていました。
それに対し、スタジオのコメンテーターの方は、「でも、後悔したくないし、試してみたいじゃないですか」とか「とにかく治せそうなら治したい」と素直な感情をぶつけていました。医師が説明しても、「でも、でも」と聞く姿勢が終始見られなかったのが残念でした。
さらに、途中でとある議員の地元説明会の中継をはさみ、先生の時間を奪ってしまっていることでした。その説明会は後でも放送できるのではないでしょうか。(本題と外れますが、「法律的に悪いことをしていないのだから、謝らなくていい。子育て政策でもいいことをしているのだから、国政の中心にいてほしい」と話す方がいるなど、終始議員をかばうモードでした。だった他余計に放送しないで、国民の忘却の彼方に持っていけばいいのに)
ただし、宮根さんの発言でよかったのが、がん治療の自由診療を行っているクリニックに取材したものの取材拒否されたことを受けて「正しいんだったらテレビに出て答えたらいいんじゃないでしょうか」というものです。
2.NHKBS「がんを生きる新常識」
途中までしか見ておりません。
こちらは、実際にがんになって治療を行った医師を何名かスタジオに呼んでどういう治療を行ったのか放送するものでした。
こちらも、標準治療と自由診療を同列に扱うという点では疑問の残る内容でした。
スタジオ出演の医師の皆さんも「効くかどうかはっきりしないものに大金を払うのは意味がない」「エビデンスがないものにお金を支払うのは無駄」とおっしゃっていました。
それに対し、出演の芸能人の方は「患者に寄り添ってほしい」とか「可能性があるなら試したい」という素直な感情をぶつけていました。視聴者の中にはこういった感情を表に出せず悶々としている方もいるでしょう。それを言葉にできて、主治医に伝えられるだけでも少しは前にすすめるのかもしれません。そういうところの掘り起こしのために芸能人を呼んだのでしょう。
特に、元プロボクサーの方はもともと勝ち気な性格にもかかわらず、ガン宣告された後は「シュンとなって、(医師が上から目線で喋るのに)やり返せなかった」とのことです。
自分の思いを言葉にする習慣や技術がないので伝えられない
思いはあるけど、人に嫌われるのを極度に恐れて伝えられない
それを伝えたらいいと思います。
がんのことで気になる方は後編掲載の3.の番組でも紹介されたこちらのサイトをご覧になってください!
(むしろここだけでいいです)
国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向け
http://ganjoho.jp/public/index.html
がんのことで直接相談できる窓口も紹介しています。
直接話しをしたい場合はこちらのサイトで調べて窓口にご連絡ください。
こちらに掲載されていない病院でも行われている場合があるので、大きな病院にある医療相談の窓口で相談する方法もありです。
例)大阪にある北野病院の場合
東京にある三井記念病院の場合
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