「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

「シアリスにできてユベラにできないことって何」

久しぶりです!

薬局新聞2026/6/24発行号「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 

 

先日、2つのニュースが同時に流れてきました。

 

 「シアリススイッチOTC化」と「ユベラのOTC化は難しい」

 後者に関しては「早期発見が遅れるから」といえ理由でしたが、確かに飲み薬があるから受診行動に繋がる人も存在します。しかし、そういう人以外の自分で気付ける人には受診勧奨のタイミングを学習してもらったほうが保険財政にはよい影響を与えるのではないでしょうか。健康に気をつける人にインセンティブを与える。

 昨今の状況から「健康に気をつけない人が安い保健医療にありつけて、頑張ってる人のほうが負担が大きい」という不公平感を呼んでしまわないためにも、安全性が高い薬は“保険外し”をするよりも妥当な薬価にしたうえで査定を厳しくして機械的に漫然と出せないようにしたほうが効果的と考えます。漫然と出すなら医療機関の持ち出しにする。医療機関から受診時期を伝える手紙や電話は今でも出来そうな気がします。

 対しシアリスのOTC化ですが、おそらく「個人輸入での健康被害が多いのでよりマシな手段を」ということなのでしょうね。

 女性から見れば「そんなに大切なんかい!」と白眼視されることですが、男性のなかにも「手に負えんやつだ」と呆れる人がいると思われます。

 価値観の問題は一生平行線と思われますので、マイナンバーカードによる個人認証とその場での血圧測定、ツールを使った詳細な問診など安全性を重視したシステムをの販売にするのが妥当でしょうか。それでも個人輸入するなら、もう個人の自由と捉えられ、健康被害を起こしたら家族から本格的に呆れられると思われます。

 現場でできることは、手順を踏んだ安全確認と接客記録です。販売しなかったことも記録になります。薬剤師やドラッグストアの団体の方、現場が安全確実に接客記録ツールを作って配布してほしいです!そしてそれをまとめて「現場はしっかりやっている」ことを蓄積しましょう!そうすれば、薬の安全な販売には薬局やドラッグストアは欠かせないと認識されます。

 

 

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孤立対策を必死にやる理由

 行政が公助だけでは足りないと自助と共助を推進しようとしており、その一環として、地域のつながりを全面に打ち出した様々な施策をしてきます。

 

 この人口減の時代、公務員が足りないので災害時に限らず色々手が回りません。

 おそらく行政が一番頭を悩ませるのは「孤立した人の介護・死後の問題」と思われます。亡くなった時点でその人が誰なのか実証するのが格段に難しくなります。しかも、同居している人もいなければ親族もいないと生前関わっている人が極端に少なくなり、誰か特定できないまま死体を処理して、その費用を請求する先を探す手間が増えます。特定できなかった場合に誰がその費用を一旦業者に払うのか?そう、行政なので税金です。

 しかも、孤立死した人が発見されるまで時間がかかることが多いです。死体は原形をとどめていない可能性が高く、身分証明書の写真との照合が難しくなります。賃貸住宅の場合は原状回復しなければなりませんし、持ち家でも処分しないといけません。その人が生きた証を消去してしまわないと、次に進めません。

 これだけの処理に税金と人手が使われるわけです。そら行政も必死になります。

 しかし、この問題が難しいのは当事者である「孤立しがちな人」の中には他者の援助を拒む人が少なからずいます。弱い自分を見せたくないという気持ち、そもそも自分の意に沿う人以外は寄せ付けないという態度を若い頃からしていた結果孤立してしまった人(こういう人は望むべくして孤立していった感もある)、もあります。

 適度な距離感のとり方が非常に難しいです。

 

 

 

 

 地域に根ざした薬局を、と言われて久しいです。孤立しがちな人を見捨てない。それも医療機関の仕事になってくるんでしょう。表立ったアナウンスは行政からなされることはありませんが、こっそり重大問題として。

 

 

 

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リプロダクティブ・ヘルスは一筋縄ではいかない

 緊急避妊薬の市販化に関し、産婦人科医の中で対立意見があるようです。

 

 年寄り、いやベテランの医師は「公衆衛生はすべて医師の導くままに」と言わんばかりの言動をしていますが、若手の医師はもう少し広い視点で公衆衛生の向上のために市販化を進めようとしています。

 

 公衆衛生を掌るのは医師法に書かれた役割ではありますが。コロナのときにマスクや手洗いに抵抗のある患者にボロクソ言ったつけがここに来て帰ってきたような印象です。

 

 あかんねん!北風のような対応では!

「俺が守ってやる。だから安心しろ」ではないんや!

 

 女性たちは「自分で自分の身を守るすべを身につけたい、そうすれば医療従事者の負担も軽くなる」と思っています。医者の施しがいらないとは一言も言っていません。

持てる武器、守れる防具は多くあっていいんです。

 

 保護の面を被った支配、パターナリズムは本当に守る側の不安を解消するものらしい。子育て中の親の不安に通ずるものがある。我が子が成長し、自分とは別人格としていろいろなものに触れるとき、成長を喜ぶ反面、無事に家に帰ってこられるか不安だったと思う。まさにその感情が医師にはあるのではないか。

 

 しかし、医師患者関係と子育ては違う。対象となる人間が病院に来ないかもしれない。診察室に来ない人も国民でである。緊急避妊薬の診察室に来ない人もいるし、緊急避妊薬を手に入れるすべを知らないで望まない妊娠をしても、産婦人科に来ない人もいる。命を救うと言うのであれば、こういう人の受け皿を準備するのが医療ではないかと思います、

 

 反面、責任回避型の女性が多いのも体感としては感じます。なにか物事を決める時に、自分の意見を言わずに周りが意見を決めたことにして責任を回避しようとする態度を医師は見てきたのかもしれない。(周りの人のことを考えず、自分だけの意見で決めていい、という経験が少ないからかもしれません)周りが説得したことをひっくり返す人もいたかもしれません。

 それらの経験からパターナリズム全開にしたかもしれません。

  一筋縄ではいかない。

 

 

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オンライン資格確認とマイナ保険証の違い

オンライン資格確認

保険証記載の情報(処方箋に記載しているのみでも可)から保険が有効かどうかを確認するもの

マイナ保険証を患者が持ってなくても、加入している保険の情報(保険証記載の情報)がわかる

ただし、保険情報(氏名や住所も)登録するのは人の手なのでタイムラグはあるし情報登録時のミスも起こり得る

 オンライン資格確認のおかげで、加入している保険の情報関連のレセプト間違いは大きく減った、事務関連の費用が大きく節約できる。(人件費、作業量の減少)           

 

マイナ保険証

保険証の情報に触れることのできる合わせ鍵。

本人の顔による認証と暗証番号による照合で他人が使うのは難しくなっている。

このおかげで、

直近の健診情報

使用している薬

電子処方箋サービスを利用している場合は即時、利用していない場合は翌月の25日ぐらい

に反映される

病院で使った注射もわかるようになってます

 

健診の結果を利用することで病院での検査を省略することができますし、保険証の間違いも減ります(登録が人の手によるものなので、ミスはある)

また、高額療養費の申請もⅳなくてよくなります。

 

 事務作業が減ることで、保険請求にかかる費用が軽減できるこの制度、うまく運用できるようになれば社会保障費の節約になります。保険情報を照合すると差異が出る理由の多くは「漢字」です。

 

 

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薬剤師フィールドリサーチ「新年SP 医薬品業界とマスコットキャラクター」

 新年あけましておめでとうございます。今回は、私の「ご当地キャラ好き」を全面に出した企画です。ご当地キャラクターを愛好してもうすぐ20年になります。彦根市のキャラクター「ひこにゃん」からはじまり、現在は大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」のグッズが家を占拠するに至っています。

 

 昨年は「大阪・関西万博」が開催され、大盛況のうちに幕を閉じました。大阪在住の私も通期パスを購入し、最終的には50回以上来場し、ほぼ全部のパビリオンを回ることができました。

 会場のいたるところにいる公式キャラクターの「ミャクミャク」の展示物。ミャクミャク本人も定期でグリーティングを行う施設「ミャクミャクHOUSE」だけでなく、会場で行われる色々なイベントに呼ばれて愛嬌のあるパフォーマンスを見せて、人気が大爆発しました。人間以外で初めて内閣総理大臣より感謝状が贈られました。閉幕後もグッズが売れ続けていますし、2025年の顔という位置づけをされて、様々なメディアに登場しています。

 万博ではミャクミャク以外も色々な国や組織、地域のキャラクターが登場し、それぞれの立場で盛り上げていました。私もミャクミャクを始めいろいろなキャラクターと撮影をしました。日本人はキャラクター好きの人が多いので、会場では老若男女問わずキャラクターと撮影している光景が見られました。f:id:miyaq:20260129194401j:image

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 キャラクターと言えば、製薬業界も多くのキャラクターがいます。「この会社(商品)といえばこのキャラクター」と認識されているものが多いのもこの業界の特徴です。

 

 例えば、「サトちゃん」。佐藤製薬のキャラクターですね。古くからある地域の薬局・薬店には今もグッズが飾られているところがありますね。1959年に誕生し、時代に合わせて小さなリニューアルし続けて現在に至っています。

 驚いたのがエスエス製薬のピョンちゃん。1952年の誕生からリニューアルをし続けている点ではサトちゃん同様ですが、その変化の幅が大きい!2025年のリニューアルでは全くの別物ではないかと思うほどのデザインの変更に驚きました。

 さらに驚いたのが「カバくん」。宣伝している商品の発売元や薬の商品名が変わっても、一貫して使われ続けています。現在販売しているのは健栄製薬で商品名は「健栄うがい薬」に変わっていても、包装に描かれているカバくんを見たらなんの薬かすぐに分かるほどの拾い浸透ぶりです。1985年と先のサトちゃんピョンちゃんよりは短いですが、継続してキャラクターを使い続けた結果が現れています。キャラクターを定着させるのは非常に難しく、いくら作り手が売り出そうとしても、買い手から好感を得られて支持されなければ売れることも定着することもできません。一旦定着させたキャラクターは継続して使うほうがメリットは大きいと判断して使い続けている健栄製薬の姿勢を、私は評価します。

 毎年秋に少彦名神社で行われる神農祭では各企業のキャラクターパレードが行われるほどです。

 

  市販薬だけでなく、医療用医薬品もいろいろキャラクターが登場していましたが、昨今はメーカーも販促品を出さなくなってきて随分規模が小さくなってきたように思います。

 

 そんなキャラクター人気を活かしたいとおもったのでしょうか、日本薬剤師会もキャラクターを導入しました。

 「ふぁるみん」です。デザインを公募で選び、立体化を行い、日本薬剤師会学術大会にも出席しグリーティングを行っています。会のホームページに、デザインマニュアルや運用指針を掲載し薬剤師会会員が利用できるような運用指針を作っています。また、全国47都道府県にご当地ふぁるみんを作成し、LINEスタンプもできました。浸透させる準備を着々と進めています。

 この動きは、本気でキャラクターを育てるつもりなのかもしれないと感じました。

 

ご当地キャラファン歴20年の私としては今後、どんな展開をしていくのか、非常に気になっており、 「ふぁるみんとその運営スタッフの方に取材させていただきたい」との気持ちでいっぱいです。この記事を見た関係者の方、もしくは関係者の方をご存じの方はぜひ薬局新聞社「薬剤師フィールドリサーチ」まで連絡ください!

 

 

 

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ネット世論の安楽死に対する解像度は荒くはないか

 ネット世論では「安楽死を認めてほしい」というのがぼちぼち見られます。

 しかし、彼らがどのような状態を安楽死と認識しているのかが具体的に読み取れません。何を持って安楽死とするのか、理解していないと議論が間違った方向に向かってしまい、最悪の場合そもそも議論すらタブー視されてしまう可能性があります。

 

 日本臨床倫理学会のサイトにある記載から挙げていきます。

 前提条件としては「死期が近づいている」「耐え難い苦痛がある」「治療方法がない」

といったものです。

患者意思によって延命治療をしないこと 延命治療が無益と判断された時に、それを行わないこと’(苦痛の緩和は行う)

積極的安楽死 患者の命を終わらせる目的で「何かをする」

消極的安楽死 患者の祈りを終わらせる目的で「何かをしない」

-----------ここまでが参考にした部分

これらとは別に「医師による自殺幇助」といって、本人が死ぬために飲む薬を医師が処方するなどとういったというもの(本人以外が飲まないことを前提とする)もあります。

c-ethics.jp

 

c-ethics.jp

 自殺幇助は完全に犯罪で、しっかり刑がつきます。

判例による安楽死4条件

①耐えがたい肉体的苦痛に苦しんでいること

②死が避けられず死期が迫っていること

③苦痛を除去・緩和する他の手段がないこと

④患者の明示的な意思表示があること

ですが、この④番が本当に患者の意思なのか、誰かに言わされていないのか判定しなければなりません。実際に合致しても、本人が亡くなった後に家族が殺人だと裁判を起こす可能性もあります。

 実際に処置を行う(もしくは処置を行わない)医療者の精神的負担は大きいです。特に医師の場合、「こうやったら人は死ぬ」「こうやったら人は助かる」を知っていて、後者を任務としているからです。安楽死は自分の希望で他人の職業倫理を踏みにじる可能性があるのです。最悪の場合、良心の呵責に責められた医療者が何かをする可能性もあります。

 それぐらいの重いことであることを把握して「安楽死を認めて」といっているようには見受けられません。

 まずは安楽死の定義とその周辺の裁判を調べてから物事を言ってほしいものです。

 

 

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個人店とチェーン店の棲み分け

 薬局の利用 個人店とチェーン店、棲み分けができるのではないかと感じています。

 

  利用者の性格、利用目的によって「チェーン店でもいい人」と「相性の良い個人店でないとだめな人」に分かれるでしょう。

 チェーン店のメリットは、標準化された対応です。マニュアルの質が上がれば、社員の質にあまりよらず高いレベルの対応がなされます。読みやすく、マニュアルを読んだだけで再現性のあるものであるかどうかが鍵になってきます。全体の底上げができるのがマニュアルの良いところです。能力の高い社員切れば、マニュアル+アルファを考える余裕ができるでしょう。

 個人店は社員の資質と客との相性が物を言います。相性さえ合えばきめ細かいサービスを受けられます。個人店の場合、従業員がそれぞれ臨機応変に対応できるかが鍵になってきます。

 

 そもそも保険診療なのに全国均一のサービスじゃないのかよと思われますが、人間の病気や健康に対する対応なので、人それぞれ回答が違います。そこがマニュアルとマニュアル以外の違いです。

 

 平準的な対応をされたい場合は質の高いチェーン店

 自分こそ個性的である人、個別の対応を受けたい場合は個人店

 

 と使い分けるのもいいですね。ただし、ずっと同じ店を使う方をおすすめします。よほど相性が悪くない限りは使えば使うほど、スタッフも客も話し合いの勘がつかめてきます。

 

 

 

 

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