「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

【番外】葉酸サプリメント番外編 あの会社は葉酸サプリメントを出してないの?

 サプリメントをたくさん出している企業で、有名なところが1社あります。ファンケルです。今回の調査などに全く出てきてないのはなぜ?と思って店頭に向かったら・・・

ありました。

 

ビタミンBとして葉酸を400μg配合したものを販売しています。

 

http://www.fancl.co.jp/Items/Detail?category=02&item_code=5222a

確かに葉酸はビタミンB軍に含まれていますものね。

 

 

 

関連資料

食品添加物ADI関連情報データベース

http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/food_add/

 

国立健康・栄養研究所 「健康食品の安全性・有効性情報」葉酸

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail652.html


平成 15 年度厚生労働科学研究費(効果的医療技術の確立推進臨床研究事業) 日本人の水溶性ビタミン必要量に関する基礎的研究

http://www.shc.usp.ac.jp/shibata/4-7.pdf

胎児の正常な発育に役立つ「葉酸」を摂取できるとうたった健康食品 国民生活センター

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110526_1.html

 

www.afpbb.com

 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は米国医療研究・品質調査機構(AHRQ)の独立委員会で、検診や予防医療の研究レビューを行って米国政府の推奨グレードを作成します。

日本医薬品添加物協会のサイト

日本医薬品添加剤協会

一般社団法人

日本食品添加物協会のサイト

http://www.jafaa.or.jp/index.htm

食品衛生法

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO233.html

 

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葉酸サプリに含まれるいろいろな添加物の紹介(2)

ショ糖脂肪酸エステル

www.mfc.co.jp

sugar.alic.go.jp

 ショ糖(果糖+ブドウ糖。砂糖の主成分)と植物性の油脂からなる。

油性成分と水性成分を混ぜるのに使います。

こちらを作るのに必要なのが糖アルコール

www.mcft.co.jp

自然に存在するキシリトールも含まれます。なお、ロッテのキシリトールガム(ライムミント)1粒に含まれるキシリトールが約0.53gですので、サプリメントに含まれるキシリトールなどの糖アルコールはわずかです。

(ネイチャーメイド葉酸に含まれる炭水化物が 乳糖、セルロース、ショ糖脂肪酸エステルの三種で、その合計炭水化物量が0.558g。ショ糖脂肪酸エステルを作るのに糖アルコールを使っているので、わずかな割合ですね。 といいますか、ネイチャーメイド、ほとんど賦形剤ですね、当たり前ですけど。)

 

微粒酸化ケイ素

こちらは非結晶性のケイ素です。人体に吸収されません。二酸化ケイ素で「食品添加物ADI関連情報データベース」を検索してみましょう。

 

そもそも、食品衛生法では

第六条  次に掲げる食品又は添加物は、これを販売し(不特定又は多数の者に授与する販売以外の場合を含む。以下同じ。)、又は販売の用に供するために、採取し、製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。
一  腐敗し、若しくは変敗したもの又は未熟であるもの。ただし、一般に人の健康を損なうおそれがなく飲食に適すると認められているものは、この限りでない。
二  有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着し、又はこれらの疑いがあるもの。ただし、人の健康を損なうおそれがない場合として厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。
三  病原微生物により汚染され、又はその疑いがあり、人の健康を損なうおそれがあるもの。
四  不潔、異物の混入又は添加その他の事由により、人の健康を損なうおそれがあるもの。

このような理由で添加物の使用について定められれいます。

 

また、食品衛生法第八条に定められているとおり、厚生労働大臣には害を与える食品、添加物の販売を止める権利もあります。

そして、

第二十一条  厚生労働大臣及び内閣総理大臣は、食品添加物公定書を作成し、第十一条第一項の規定により基準又は規格が定められた添加物及び食品表示法第四条第一項 の規定により基準が定められた添加物につき当該基準及び規格を収載するものとする。

 

となっていて、

www.mhlw.go.jp

で定められたものを添加物として利用していいことになっています。

 規格に合わないものを販売して健康被害を出すことは許されませんし、そうなった場合の企業の損失は計り知れません。

 

 

関連資料

食品添加物ADI関連情報データベース

http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/food_add/

 

国立健康・栄養研究所 「健康食品の安全性・有効性情報」葉酸

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail652.html


平成 15 年度厚生労働科学研究費(効果的医療技術の確立推進臨床研究事業) 日本人の水溶性ビタミン必要量に関する基礎的研究

http://www.shc.usp.ac.jp/shibata/4-7.pdf

胎児の正常な発育に役立つ「葉酸」を摂取できるとうたった健康食品 国民生活センター

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110526_1.html

 

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日本医薬品添加物協会のサイト

日本医薬品添加剤協会

一般社団法人

日本食品添加物協会のサイト

http://www.jafaa.or.jp/index.htm

食品衛生法

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差別化されているのは実は顧客かもしれない

blog.livedoor.jp

 

 この漫画を見て思ったのが

一握りの良質の情報を理解できる人のために、それが理解できない人のための商品を開発し、その収益で良質の商品を提供する。大衆向けの商品を買う人を下に見ているわけではありません。彼らの求めるものを調査し、提供しているのですから。彼らの価値観にとっていい商品を提供しているのだから、双方満足なんです。(それを知ったら差別されている、と感じる性格の方もいるでしょう。自分が求めるのは「特別扱いされること」と気づくのです。)

 

 これをやれないのが医療なのですが、実は、「かかりつけ薬剤師」制度はこれなのではないでしょうか。本気で治療したい人、違いの分かる人が特別料金を払って、より上質の治療の支援を受ける。

 違いがわからない、わかっているけれどもそこまで支払う余裕がない人にも求めるレベルの情報を提供する。同じ医療であっても、求めるレベルが異なる。健康に対する真剣さが違う。健康は大事と口々に言われますが、実は、それぞれの人の中で求めるものは違うのではないかと感じました。

 それぞれの幸せに合わせたものを提供すればいいわけで、本当に、心から健康に向き合いたい人だけがプロの本気の支援を受ければいいというメッセージも実はあるのではないでしょうか。本気の支援を受けるならば、患者の側にも本気で治療に参加する義務があり、それ相応の覚悟も必要と考えます。

 健康は大事と言っておけば体裁が良い、周囲に角が立たない ので表向きは言っているけど、本音ではj自分の気持ちの思うまま、快適に過ごしたいという人もいるでしょう。それが悪いわけではないです。健康の大事さを痛いほど感じるのが人生の最後であることが多いので、まだその時期ではないのでしょうから。

 

 それに気づいていないのが医療者自身ではないかと感じてもいます。(これも人それぞれで、気づいている人もいる。特に、人生の終末を多く見てきた人や様々な境遇の患者さんを間近で見てきた人は早く気づくと思います)健康はかけがえのないもの(思考停止)でいいのでしょうか?

 そして、それに気づいていても気づかないふりをして提供することができる人たちが受けているのではないかと考えます。

 

 

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薬やサプリメントにおける添加物の役割

 「添加物が入ってるから危険」

 サプリを紹介するサイトでよく見られる表現です。他の商品の評価を下げる表現です。

 

1.主成分だけで作れるか?

 例えば、微量元素の場合

 妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月までにサプリメントで摂ることを勧められている葉酸の量は400μg=0.4mg=0.0004g。

 この場合、正確な量を確実に飲めるようにするにはどうしても他の物質が必要です。

「他のビタミンやミネラルを混ぜたらいいのでは?」という意見も出てきます。

ビタミンはこれまた微量なので、混ぜたとしても正確な量を飲めるだけのかさにするには相当な種類が必要になります。食事と含めて1日摂取量を超えないようにするには、これだけでは難しいです。ミネラルのうちカルシウムを足せばかさはある程度カバーできます。

例)ピジョン 葉酸カルシウムプラス1錠あたり
葉酸 200μg(=0.2mg) 鉄 5mg ビタミンB1 0.65mg
ビタミンB2 0.75mg ビタミンB6 0.7mg 

ビタミンB12 1.4μg(=0.0014mg) ナイアシン 5.5mg
ビタミンD 0.9μg(=0.0009mg) カルシウム 80mg

これらの成分の中には、何らかの形で安定した化合物として存在しているものもあります。

成分だけの重さを足すと、92.8023mg=0.0928023gです。

クレストール錠2.5mg(直径約6mm厚さ2.1mgのやや小さめの錠剤)の半分ぐらい、

プレドニン錠5mg(直径約5mm、厚さ約2.3っmの小さめの錠剤)の倍ぐらい。

(いずれもソースはそれぞれの添付文書です)

いずれの薬も、錠剤としては小さめで手に取りにくいです。ただし、飲み込みやすいです。

しかし、課題は残ります。

 これだけの物質が均一に混ざるのか?

 (微量のものをひとつひとつ混ぜ合わせるよりも、一度に大量の薬を混ぜ合わせて振り分けたほうが簡単に作れます。振り分けるので、均一に混ざっていなければなりません。)

 混ざったところで錠剤の形にできるのか?

(錠剤にするのは、飲む人が確実に一定量の成分を飲めるようにするためでもあり、保存が簡単だからです)

これらの問題をカバーするのが添加物と呼んでいるものです。

 

 2.添加物の役割

添加物にはこのような役割があります。

 今回は、小林製薬の葉酸を元に紹介します。

www.kobayashi.co.jp

 

全成分の含有量まで書いてあって非常に親切です。

主成分は 葉酸、ビタミンB12、ビタミンCです。

それ以外の結晶セルロース 、粉末還元麦芽糖  デンプン  

デキストリン  ステアリン酸カルシウム

について役割を紹介します。

 ★結晶セルロース

 ブドウ糖がたくさんくっついてできているもの。

木材や草などから作ることができる。

役割としては、

物質を混ざりやすくし

錠剤としての形を作りやすくし、

それでいて錠剤が崩れやすくなる(飲んだ時に程よく崩れるようにする)

ものです。

www.pharm.or.jp

人への影響についての研究も行われています。

日本医薬品添加物協会の

現時点では 吸収されない という見解です。

 

★粉末還元麦芽糖(マルチトール)

こちらも甘みと錠剤としてかさを増すのに使われます。

いわゆる「糖アルコール」で、キシリトールと同じくくりです。

大量摂取すると下痢をするとされていますが、大量というのが体重1kgあたり0.3gなどと、こちらのサプリメントに含まれる量(62.2mg)の数百倍の量であるためまず心配はありません。

参考

東京都食品安全FAQ - FAQ

★デンプン

かさを増して、一定量確実に飲めるようにします。

★デキストリン 

 デンプンを低分子化させたもの。用途はデンプンと同じ。

難消化性デキストリン(分子量の大きなもの)で「多量摂取で下痢」と言われますが、こちらのサプリメントに含まれる量(2.7mg)の1000倍以上で実験しているので気にしないでも構いません。

参考

難消化性デキストリンの特性と用途|農畜産業振興機構

 

★ステアリン酸カルシウム

 飽和脂肪酸の一種のステアリン酸のカルシウム塩。

ステアリン酸は動物性、植物性脂肪で最も多く含まれる飽和脂肪酸。

滑らかにするので、錠剤を作る時に型から離れやすくする。

 

 

関連資料

国立健康・栄養研究所 「健康食品の安全性・有効性情報」葉酸

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail652.html


平成 15 年度厚生労働科学研究費(効果的医療技術の確立推進臨床研究事業) 日本人の水溶性ビタミン必要量に関する基礎的研究

http://www.shc.usp.ac.jp/shibata/4-7.pdf

胎児の正常な発育に役立つ「葉酸」を摂取できるとうたった健康食品 国民生活センター

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110526_1.html

 

www.afpbb.com

 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は米国医療研究・品質調査機構(AHRQ)の独立委員会で、検診や予防医療の研究レビューを行って米国政府の推奨グレードを作成します。

 添加物の安定性に関しての資料があります。

日本医薬品添加物協会のサイト

日本医薬品添加剤協会

一般社団法人

日本食品添加物協会のサイト

http://www.jafaa.or.jp/index.htm

食品衛生法

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO233.html

食品添加物ADI関連情報データベース

http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/food_add/

 

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ビタミン剤のタイムリリースってなんぞ?

葉酸サプリの調査をしているうちに

ビタミン剤のタイムリリース加工って何?

という疑問がわきました。

 

一言で言えば、

長い時間効くように

水溶性のビタミンを長時間かけて徐々に溶け出るように加工した

ということらしい。

いろいろな溶け方をするカプセルにビタミンを入れるのだそうな。

 実際は、食事と定期的に摂っている場合は食べるたびにビタミンを摂取していることが多いので、タイムリリース加工の効果を感じにくくなっています。ゆえに、サプリメントを選ぶ上でタイムリリース加工かどうかは重視しなくてもいいと考えます。

 これは、サプリメント大国アメリカで、ジャンクフードばかり食べてビタミンの補給ができていない人のための宣伝文句と考えられます。日本製のビタミン剤であまり導入されていないのは、「コストがかかる」「食事を取っていれば補完できる」「サプリメントの1日服用回数を増やせばカバーできる」という理由が考えられます。

 

 ただ、鉄の場合は徐々に吸収することで副作用の軽減につながります

 

 鉄は一度に多く吸収すると過剰摂取となりやすく、徐々に溶け出るようにしているというあるサイトの記述を見ました。これを見て「医療用医薬品の鉄剤も確か徐々に溶け出るようにしていないか?」と思ったので「フェロミア」錠のインタビューフォームを検索しました。

以下引用

弱酸から塩基性側でイオン 鉄のような吸収されにくい不溶性高分子ポリマーを形成せず低分子キレートのまま吸収されるため、 腸管吸収が良好である。そのため胃酸分泌の低下している高齢者や、低酸症及び胃切除者でも良く吸 収される。

 ここまで引用

 サプリメントの広告にある「キレート化」が行われています。イオン鉄というのは「Fe3+」のことです。

同じ鉄の製剤である「フェロ・グラデュメット」錠はまさしく「グラデュメット」という徐放技術が使われています。

www.pharm.or.jp

いずれにせよ、医薬品で行われていることをサプリメントでも行ったという解釈でいいでしょう。

 

 

 

 

 

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妊娠していない段階から葉酸サプリを飲んでも過剰摂取にならないか?

答え

サプリメントの説明書に書いてある量を守っていれば過剰摂取にならない。

 

1.葉酸について

葉酸(ここではモノグルタミン酸型と呼ばれるサプリメントに含まれているもの)の上限摂取量

1000μg

一般的なサプリメントに配合されている1日量は400-480μg。

食事ではサプリメントほどの吸収は期待されないので過剰摂取になることはない。

(食事での一般的に摂取されている量は240μg程度)

ただし、エレビット(販売元バイエル)(を通常量飲むとエレビットで800μg、食事で240μgとなり過剰摂取(1040μg)となるので注意。過剰になると、かゆみ、発熱・蕁麻疹などの症状が起こったり、ビタミンB12の欠乏を隠し、亜鉛の吸収を阻害することがあります。

 

関連資料

www.mhlw.go.jp

www.mhlw.go.jp

国立健康・栄養研究所 「健康食品の安全性・有効性情報」葉酸

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail652.html


平成 15 年度厚生労働科学研究費(効果的医療技術の確立推進臨床研究事業) 日本人の水溶性ビタミン必要量に関する基礎的研究

http://www.shc.usp.ac.jp/shibata/4-7.pdf

胎児の正常な発育に役立つ「葉酸」を摂取できるとうたった健康食品 国民生活センター

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110526_1.html

 

www.afpbb.com

 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は米国医療研究・品質調査機構(AHRQ)の独立委員会で、検診や予防医療の研究レビューを行って米国政府の推奨グレードを作成します。

 

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葉酸単独?ビタミン追加?鉄を追加?それともカルシウム?

答え)商品の説明書に書いてある量を飲むのならば、葉酸単独、ビタミン付加、鉄付加、カルシウム付加のものどれを飲んでも健康に害を与えません。

妊娠後期には、鉄の必要量が増えるため、鉄を多く含むサプリメントに切り替えてもいいでしょう。(鉄分1日量15mg以内のもの)

 ただし、貧血の状態によっては鉄剤を処方されることがあるので、その場合はサプリメントでは鉄を含まないものにしましょう。

サプリメントを摂っていることはいつも妊婦健診をしている医師に報告、相談しましょう。

 

1.鉄について

日本人女性の摂取量(中央値)

15-19歳  6.6mg

20-29歳 6.2mg

30-39歳 6.3mg
40-49歳 6.5mg

(平成24年国民健康・栄養調査報告 栄養素等摂取状況調査の結果  

栄養素等摂取量-エネルギー・栄養素等,年齢階級別,平均値,標準偏差,中央値

-全国補正値,女性,1歳以上より)

日本人女性の摂取推奨量

 18-29歳 月経あり 10.5mg 月経なし 6.0mg 

30-49歳 月経あり 10.5mg 月経なし 6.5mg

妊娠初期 2.5mg追加

妊娠中期・後期 15.0mg追加

※月経なしの推奨量に追加します。

上限摂取量

 18-29歳 40mg

30-49歳 40mg

(「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書より)

ディアナチュラやピジョンサプリメント葉酸プラスに含まれる鉄は「ピロリン酸鉄」といわれる「3価のイオンの鉄(Fe3+)」なので、医薬品である「クエン酸第一鉄(こちらは2価のイオンの鉄(Fe2+)(商品名:フェロミア)」より吸収されにくいです。(小腸で還元を受けてからになる。大きな分子だと水に溶けないので吸収されずに体から出ていく) 吸収しやすいようにビタミンCを追加しています。

ヘム鉄と呼ばれるものは、ポルフィリンと鉄(2価のイオン)が錯体を作っています。この形にして、水に溶けやすい状態になっています。(作りはキレートと似ています、錯体の一種がキレートです)

  妊娠していない時期、妊娠初期は葉酸を主としたサプリメントに含まれる鉄で必要となる鉄分を補え、上限量を超える心配はありません。(摂取量の中央値にサプリメントに含まれている鉄分を加えても上限量の半分程度です)

 妊娠中期、後期は 

 ①胎児の成長に伴う鉄貯蔵、

 ②臍帯・胎盤中への鉄貯蔵、

 ③循環血液量の増加に伴う赤血球量の増加による鉄需要の増加

があるため鉄が必要となります。

 妊娠中期後期は、葉酸も含む鉄多めのサプリメントに切り替えるのもいいです。

 ディアナチュラ 葉酸・鉄・カルシウム(妊娠期間中ずっと対応できる)

 ピジョンサプリメントの商品(妊娠期間中ずっと対応できる。匂いが駄目な場合は錠剤で、水を飲んでも吐きそうな場合はタブレットで)

 

 鉄が主要な成分だが、葉酸も取れるもの

この場合は鉄15mg、葉酸200μg以上のものを選ぶといいでしょう。

食品で葉酸を補えます。

 ディアナチュラ 鉄+マルチビタミン(パウチ) 鉄18mg+葉酸200μg 

 妊婦健診で貧血の状態を見て、鉄剤の処方があればサプリメントは鉄の入ってないものにしましょう。

 

 

2.カルシウムについて

日本人女性の摂取量(中央値)

 

15-19歳  398mg

20-29歳 368mg 

30-39歳 407mg
40-49歳 390mg

(平成24年国民健康・栄養調査報告 栄養素等摂取状況調査の結果  

栄養素等摂取量-エネルギー・栄養素等,年齢階級別,平均値,標準偏差,中央値

-全国補正値,女性,1歳以上より)

日本人女性の摂取推奨量

 18-29歳 650mg

30-49歳 650mg

上限摂取量

18-29歳 2500mg

30-49歳 2500mg

(「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書より)

妊娠による必要量の増加がないので、カルシウムに関しては妊娠前と同じ調整を続ければ適切な摂取量になりますし、葉酸を含むサプリメント指示された量飲んで過剰症になる危険はありません。

 

3.葉酸

 

日本人女性の摂取量(中央値)

 

15-19歳  227μg

20-29歳 216μg

30-39歳 230μg
40-49歳 235μg

(平成24年国民健康・栄養調査報告 栄養素等摂取状況調査の結果  

栄養素等摂取量-エネルギー・栄養素等,年齢階級別,平均値,標準偏差,中央値

-全国補正値,女性,1歳以上より)

日本人女性の摂取推奨量

18-29歳 240μg

30-49歳 240μg

妊婦 240μg 追加

授乳婦 100μg 追加

 

上限摂取量

20-29歳 1000μg

30-49歳 1000μg

葉酸サプリで400μg程度服用し、葉物野菜をやや多めに摂れば過剰症になる心配もないと思われます。妊娠中期以降はサプリメントで摂る葉酸を200μg以上にして葉物野菜やノリやいちごでカバーし、鉄の摂取に重きを置く方法でも欠乏しないと思われます。

 

 (「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書より)

 

自分の食べているものの栄養素を知りたい方はこちらのリンク先で調べてはどうでしょう。

fooddb.mext.go.jp

文部科学省 食品成分データベース

 

4.ビタミンについて

商品包装に書かれた服用量を守れば問題なし。

脂溶性ビタミンであるビタミンDを含むものもありますが、上限量は100μgと通常のサプリメントに含まれている量の10倍以上であるため、サプリメントを過剰摂取しない限り超えることはないでしょう。

 

 ビタミンB6についても、30倍以上の差があるため、通常量のサプリメントを飲んでいれば超えることはありません。

 

貧血で鉄剤を処方された場合に、ビタミンB(6,12)を含むものに切り替えて葉酸を取り続けることができる。 

 

 

 

関連資料

 

www.mhlw.go.jp

www.mhlw.go.jp

国立健康・栄養研究所 「健康食品の安全性・有効性情報」葉酸

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail652.html


平成 15 年度厚生労働科学研究費(効果的医療技術の確立推進臨床研究事業) 日本人の水溶性ビタミン必要量に関する基礎的研究

http://www.shc.usp.ac.jp/shibata/4-7.pdf

胎児の正常な発育に役立つ「葉酸」を摂取できるとうたった健康食品 国民生活センター

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110526_1.html

 

www.afpbb.com

www.mhlw.go.jp

厚生労働省のものを見やすく表にしたものです

三大栄養素 | 日本人の食事摂取基準(2015年版)より | 栄養成分ナビ

 

 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は米国医療研究・品質調査機構(AHRQ)の独立委員会で、検診や予防医療の研究レビューを行って米国政府の推奨グレードを作成します。

 

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