「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

日本点眼薬研究所のPFボトルを使ってみた

 この度、日本点眼薬研究所のPFボトル製剤を使うことになりました。

 今まで使っていた製剤の防腐剤であるベンザルコニウム塩酸塩でまぶたを腫らしてしまっためです。使い続けて約1年。すぐには起こらない過敏症なんですねー。実感いたしました。

どんな容器かといえばこちらに解説があるので御覧ください。

www.nitten-eye.co.jp


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ふたを開けると
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こんなふうにノズルいっぱいのフィルターがあるんですねー。

 実際使用しての感触。

 液が出るのにほんの少しだけ力が要ります。それでも、通常の点眼より0.5秒ぐらい長い程度でしょうか。かなり改善されています。某外資系メーカーの点眼ボトル(ト○バタ○ズとかベト○ティッ○とかパ○ノールとか)より柔らかい印象を受けました。

 疾患や年齢で手の力が弱い人やずっと首を上げていられない人でもほぼ支障なく使用できます。(先述のリンク先記載の「高齢者や指の力の弱い人向けの使用方法通りに使うと難なく液が出ます。指の力が正常な人がこの方法を使うとむしろ液が出すぎるぐらいです)

 使い切り製剤をもったいなく感じる人にも選択肢が増えました。(タプロスミニだと高価で、1本95.3円なので30日で2859円 タプロスの3倍の薬価)

 ただし!β阻害剤の効果持続型にはPFボトルは存在しないので、必然的に点眼回数が2回になります。(効果持続型は液がドロッとしているので作りにくいのであろうと推測)

 かといって、プロスタグランジン誘導体製剤の刺激と色素沈着とまつげビョーン!は遠慮したい(処方医も使わずに残しておきたい様子でした。もし、β阻害剤が何らかの事情で使えなくなったときのために取っておきたいようです。)ので当面はこれでいくでしょうね。なお、まぶたの腫れはおさまりました。

 

 PFボトル製剤は懸濁剤や粘り気のあるものは使いにくいようです。

 

 β阻害剤を2回さす場合は、夜は寝る前でなく活動時間帯にしてほしいと処方医はおっしゃっていましたが、

 1.仕事中であり、さすのを忘れる、もしくは点眼を忘れて帰ってしまう

 2.化粧が落ちる

という理由もあって結局寝る前にさしていますトホホ。 

 

 

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薬剤師フィールドリサーチ(14)小石まり子さんインタビュー(2) 「見やすい記事構成にするための工夫」

薬局新聞2019/7/3発行号「薬剤師フィールドリサーチ」の記事です。

小石まり子さんインタビュー(2)

「見やすい記事構成にするための工夫」

 

前回から引き続き、小石まり子さんのブログ「ぼうそう医薬情報室」について紹介します。今回から3回は、小石さんにブログを作る上で工夫していることなどを紹介していきます。

ー見やすい記事の構成ですが、どのように工夫されていますか?
 「一番気をつけている点は『薬剤師が知りたい情報があるかどうか、すぐにわかる構成にする』ことです。  みなさま限られた時間の中で情報を集めていると思いますので、記事の冒頭に目次をつけたり、最初に結論を述べるようにしたりすることで、なるべく短時間で記事の内容を把握できるように努めています。  また、情報の質を素早く判断できるよう、参考資料を明示しています。知識をブログやSNSで得たとしても、実際に患者さんへ服薬指導する際には、官公庁や製薬会社などの信頼のおける機関の作成資料を使われると思います。ですので、そういった資料にすぐにたどり着けるように情報の出所を必ず書くようにしています。」
 
現場の薬剤師がすぐに答えを得ることができ、なおかつ深く調べたい人のために出典を明記する。学習する段階によって何度でも役立てる工夫がなされています。

次回も小石さんのブログの紹介です!

 

 

 

タイトル:ぼうそう医薬情報室

アドレス:

iyakujoho.com

管理人の名前:小石まり子

 

 

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薬剤師フィールドリサーチ(13)「小石まりこさん その1」

2019/6/26号の薬局新聞掲載「薬剤師フィールドリサーチ」の記事です。

 

情報発信をする薬剤師の紹介として、第一弾は小石まり子さんを紹介します!

運営されているサイト「ぼうそう医薬情報室」新発売の医薬品についての情報をわかりやすく紹介されています。まとまった構成なので、時間のない方も短時間で情報収集できます。まずは小石さんのサイトの概要をご案内頂きました。

 

◆サイト開始年月 2018/01/19  

2017年10月の「立てよ、薬剤師」プロジェクトに刺激されて始めました。(3ヵ月も遅れたのは、記事の方向性とワードプレスのテーマに悩んだため…。)

 

◆主題 「薬剤師さんの情報収集、お手伝いします」  

想定している読者は、ひとりで情報収集をがんばっている薬剤師さん。「気にはなるけど、調べる時間はないな~。」といった事柄で、私が興味あることをまとめてご紹介しています。

メインは新医薬品の情報で、既存薬との違いやRMPの内容を中心に記事を作成しています。その他にも敷地内薬局や遠隔服薬指導など、薬剤師業界に影響しそうなニュースもまとめています。

◆更新頻度

大体週1回程度ですが、結構ムラがあります。メインの記事が新医薬品関連なので、新医薬品の承認や薬価収載等に合わせて更新頻度が高くなります。

基本的には記事にしたいコトがあるときに更新するというゆるーい感じで続けています。  

 

タイトル:ぼうそう医薬情報室

アドレス:

iyakujoho.com

管理人の名前:小石まり子

 

 

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医療機関のサイト

医療機関のサイトについての記事です。

広い範囲から患者が来る医療機関だとあまり気にならないのですが、小さな医療機関だと、サイトに力を入れていない、それどころかサイトすらないところが多いですね。

古い情報のままのところも結構あります。業者に作ってもらって放置の所も多いですね。

 もっと手のかからない、それでいて患者もスタッフも楽になるサイトの構成があるのではないかと思いました。

 先日、Twitterのフォロワーの方より、便利な医療機関のサイトがあると聞きました。

自院の休診情報をグーグルカレンダーに取り込んで、サイト内で公表しているとのこと。患者のグーグルカレンダーに連動させれば、患者もサイトを見ることなく病院の休診がわかるというすぐれものです。もちろん、病院まで行く必要もありません。

 また、診察予約サイトの中には、臨時休診の際には登録した人全員のメールアドレスに情報が届くものもあります。(これだと、全くの初診の方には情報が入らない恐れがあります)

 臨時休診や、診察時間の変更などを、医療機関に行くことなく広報したり、知ることができると問い合わせも減り、スタッフも患者も両方負担が軽くなりますね。

 SNSでも臨時休診や診察を担当する医師の変更、災害時の対応について広報しているところがありますね。こちらだと、受診したことのないからでも見ることができます。

 忙しいので更新が遅れてしまう医療機関でも、こういった情報だけ更新するようにして、あとは最低限の情報だけを掲載する(通常の診療時間、アクセス、診察内容)のもいいかと思います。医師の紹介もあるといいですが、ストーカーに追われる危険性もあるだけに、サイトをやらない医療機関もあるのではないか感じました。この場合は、ネット予約サイトに連動させるのがベターではないかと考えます。

 

  

 

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薬剤師フィールドリサーチ(12)「立てよ薬剤師プロジェクトとは」

当コラムでは、今後情報発信をする薬剤師を紹介する企画を行っていく予定です。その中で、薬剤師の情報発信の中で起こった出来事について紹介します。

 2017年9月5日。私が運営するブログ「『くすりや』の『現場』」でひとつの記事をアップしました。「薬剤師ブロガー集まれ!」と題した記事では、以下の趣旨のことを書いていました。

昨今のネット上では医療デマが検索結果の上位に登場し、まっとうな医療情報を探すことが困難な状況になっていることへの懸念

まっとうな医療情報を掲載するサイトが増えれば、間違った情報は少数派となり、信じる人は減るのではないか

薬剤師ブロガーにもっと増えてほしい

 

 この記事を書いた数日後、複数の薬剤師ブロガーの方から連絡がありました。ひとりひとりが個々にブログをバラバラに書いているのでは印象に乏しいから、何人か集結して同時に記事を上げるのはどうかということになリ、実行することになりました。

 2017年10月6日21時。10名を超える薬剤師が「薬剤師による情報発信の重要性」をテーマにした記事をアップしました。これが、「立てよ薬剤師」プロジェクトの第一回です。

 このプロジェクトは翌2018年も行われ、プロジェクトを題材にしたテーマで第51回日本薬剤師会学術大会でもポスター発表されました。

 

 次回から数回は、この「立てよ薬剤師」プロジェクトを見てサイトを開設、運営している方を紹介します。

 

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医療者の倫理観や良心に頼るだけでいい?

 

 某病院で点滴混入事件の容疑者が逮捕されました。

丁寧に物証を集めて、確実な証拠を集めて捜査したため、時間がかかったのでしょう。

 

 報道によると、容疑者が動機として話していることが「自分が勤務している時に入院患者が亡くなった場合、説明するのがしんどいから」とのことです。

 

 ここで私が思ったのは、

 ・容疑者個人に問題があったということで捜査を終わらせてしまわないか

 ・病院の、医療の運用システムに無理がなかったか

 です。

 

 気になるのは、医療従事者を含めた世論の反応です。

 やはり、容疑者個人の問題としている人が大勢でした。

 確かに、一線を越えてしまう行動をしたのは容疑者の問題。しかし、容疑者をそこまで追い詰めてしまったシステムは何であるか、調査する必要があるのではないかと考えます。それぞれの問題を個人の問題として片付けてしまえば早く処理することはできるし、誰も反省する必要はありません。

 医療事故でもそうです。個人の問題として片付けてしまえば簡単です。医療従事者だけに頼ればいいのですから。それでは脆弱ではありませんか?しかし、どんな人が関わっても事故が起こらないようなシステムを作ることで、人の命は守れるのではないでしょうか。

 医療従事者が「倫理観がない」と同じ医療従事者を叩いて終わるのも違和感を感じました。心身ともに疲れてしまえば、倫理観は簡単に崩れてしまいます。もしかしたら自分もこのようなことを起こすかもしれない。それぐらいマンパワーが足りない。患者が多い。ミスが許されない。

 こういったことも背景にあったり、医療は医療従事者がギリギリの良心でなんとか回している状況です。それぞれの国民が、命とその限界、医療とその限界を自分の問題として向き合ってくれれば解決に近づく問題もあるのではないかと感じました。

  

要約すると

 どんな理由であっても、患者を故意に傷つけることは許されない

 医療従事者の倫理観を守る方策はいくら用意してもいい

 倫理観の壊れた人が関わっても患者が傷つかない対策も必要

 

以上です。

 

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薬剤師フィールドリサーチ(11)「薬剤師議員の重要性」

2019年6月5日発行の薬局新聞掲載の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事です。

 

 

 7月に行われる予定の参議院議員通常選挙に、薬剤師の代表の方が出馬されることになっています。

 今回は、なぜ職業を代表する議員が必要なのかについて自分の考えを書きたいと思います。

 国や地方公共団体の議会では、そこに住んでいる住民がなるべくいい方向に向かいように話し合いが行われます。そこではさまざまな立場の人の意見のやり取りが行われ、いい塩梅になるよう調整がなされます。

 なるべく、広い範囲の人の意見を取り入れるために、広い範囲の人々の代表が求められます。特定の職業や立場の人が集まった団体の推薦であれば、選ばれた議員が、どういった背景を持って当選したのかわかりやすくなります。その職業や立場の人を意見は無視できないことになります。逆に、投票をしない人の意見は取り入れられにくいです。

 また、法案の中には、「国民として望まれる事柄だが、専門的な目で見て正当性に欠ける」ものがあります。それを専門的な視点でチェックし、国民の文化的で衛生的な生活を担保するためにも薬剤師に限らず専門家の議員が必要になります。

 「まっとうに仕事をしていれば評価してくれる」と信じている薬剤師の方も多いですが、果たして今までそれで十分と言えたでしょうか。確かに、今までも薬剤師の意見が十分取り入れられたとは言い難い状況ですが、議員がいなければ、意見が通る可能性は格段に低くなります。

 みなさん、「薬剤師」というひとくくりでまとまりませんか。

 

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