「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

【参加報告】2018/4/1 AHEADMAP x EBM倶楽部ジョイントワークショップ

 4/1(日曜日)に行われたAHEADMAP x EBM倶楽部ジョイントワークショップの参加報告をします。

 
f:id:miyaq:20180402062949j:image

 今回は、ある患者さんの問いかけに対する答えを得るべく、処方提案を行う企画でした。とかく、論文を読める自分かっこいい!と誤解されがちな薬剤師によるEBM。しかし、今回は非常に泥臭い、血の通った処方提案につながっていました。

 

 

 今回のワークショップのメイン

 問題の定式化(PECO/PICOを決める)

 患者さんの考えや状態に沿った、エビデンスのある情報を読み取っての処方提案

 

 論文を検索するのはメインではありませんでした。なぜ、EBMを行うのか考えれば、当たり前です。いちばん大切なのは、患者さんのことを知ること、知ろうとすることです。

 患者さんのこと(経時的な疾患の状態や薬物治療歴、生活状況など、薬物治療に繋がる情報、治療に対する希望、人生における価値観)を知って、信頼関係が得られば、より精度の高い問題の定式化ができます。

 また、論文情報や薬理学有機化学の情報から、どういう結論に導くのかも。患者さんの価値観が尊重されます。(優先ではない場合もある)

 

 

 どんなワークショップだったのか 

 今回の参加者は約30名でした。参加者を5-6名のグループに分けます。

 最初は、参加者間の気分を緩めるべく、「処方提案について困ったこと、必要な準備」についてのワールドカフェ形式での話し合いがありました。

 

  ワールドカフェとは

ワールド・カフェとは? | ワールド・カフェ・ネット

 

 ここで、処方提案についてのイメージを膨らませた後に本題に入ります。

 

 

 本題では、SGD(スモールグループディスカッション:少人数による話し合い)でした。同じ題材を複数のグループで話し合い、それぞれのグループで出した結論とそれを導いた根拠を発表していきました。グループの参加者の意見をそれぞれ尊重して話し合いが進んでいきました。

 

 その前後には、論文のデータの読み方についての講義がありました。わかりにくい言葉を簡単に解説していました。

 大切なのは

 比だけではなく差も見ること

 10000人中10人に起こる症状を薬で10000人中4人に減らすこと と

 10000人中1000人に起こる症状を薬で400人に減らすこと

では減らす比率は 0.4 と同じですが、

 減らす人数は 6人と 600人で大違いです。

 同じ薬価の薬で考えると、後者のほうが価値が高いと言えます。

 

 それと、論文のP値は無視していいことの解説

 箱ひげ図の読み方

 がスッキリ理解できました。

 

気づいたこと感想

 ここでも、気づくことがありました。

 それぞれのグループが、複数の論文を読んで導き出した答えが違っているのです。

それぞれが、それぞれの着眼点を持って発表していました。薬価などのデータも含めて論拠を発表するところ、具体的に医師に提案をするシナリオを発表したところ、いろいろありました。そのどれもが、自分にはない着眼点で、尊重できるものでした。今後、お互いの着眼点を自分のものにして、より患者さんに沿った相談、服薬指導、受診勧奨、処方提案ができるのではないかと思います。

 

 そして、結論に導き出すためには多くの患者さんの情報が必要であることも実感しました。過去の検査値、患者さんの生活スタイル、外見・・・。

 

 こういったことを、実際に体感できるワークショップは非常に価値があります。それは、参加者が自分で参加したくて来ているというのも大きいと考えます。それと、SGD参加者がお互いの意見を尊重し、聞く姿勢があった、有るように仕向けたのも良かったと思います。これは、WSを作ったスタッフの方の作り方がうまかったのと、WSの目的がしっかりしていたのが理由ではないかと思います。スタッフの皆さんの大変な苦労が見て取れました。

 

 ただ、改善点もあります。WSは長いので、どうしても子育て中の女性が参加するのは難しいこと、やる気があまりない人も参加する社内研修にはもうひと工夫必要な印象がありました。今回の参加者は大半が男性でした。

 

 話はそれますが。メディアの役割は、一次情報へのアクセスを簡便にすることではないかと思いました。WSでも、同じ一次情報でも見る人の価値観というフィルターによって(今回のWSの患者像も薬剤師から見た患者像に過ぎません)変わります。同じ情報であっても、価値観の捉え方によって、行動がまるっきり違うという結果をWSで目の当たりにしました。

 客観的な情報で行動や捉え方が180°変わるのですから、メディアが自身の意見をわかりにくく混在させることは読者の目を曇らせるだけです。なるべく多くの一次情報を集めて、読者の判断材料を増やすのがメディアの仕事ではないでしょうか。 

 

 今回得たことの要約

 1.問題の定式化と、結論を導くためには患者情報を多く集め、患者さんをよく知ることが必須。

 2.客観的な情報だけでも、評価する人のフィルターによって答えが異なってくる。

 

 もっと多くの人に今回自分が体験したことを実感して欲しい。しかし、WSの性質上多くの人が参加するには限界がある。多くの人に知ってほしくて、この記事を書きました。

 最後にもう一度

 EBMで一番大切なのは、患者さんのことを知ること、知ろうとすること

 

 

 

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家事や育児に重きをおいて働きたい

 医療従事者など、高度な教育を受けた人は「我が子にもしっかりとした教育をさせた愛」と考えがちです。

 

 妊娠と出産をするのは女性であるため、その実現のためには、キャリアとの両立を計画するとことから始まります。

 

 そうなると、

 (継続して働く前提で)産休・育休・時短の制度がしっかりした制度のある職場

 (継続して働く前提で)経営が安定した、規模の大きな企業(代替要員がいるため)

(結婚する前にスキルを身につける意味で)幅広く技能を身につけられる職場、もしくは専門的な資格を得られる職場

 を厳しい目で選びます。就職する、もしくは高校・大学に行く時点で出産・育児・介護のことを考えています。

 そこが、男性との違いです。

 

 妊娠する。

 出産する。

 

 非常に大きいです。

 

 横断的事項(その4)
-医療従事者の働き方、病床数の取扱い、
地域の実情を踏まえた対応

中医協の資料です。(2017/11/8)

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000183841.pdf

 医療従事者には女性が多いです。

これは、「結婚しても、出産しても、夫と先立たれても離婚しても働ける仕事を選べ」と言われて育っているのも関係していると考えられます。

 そのため、非常勤で働く人の割合が高く、常勤で働く人の負担が大きいのも事実です。また、一旦子育てのために職場を離れて復職しようにも、医療が進歩していてその職に戻れなくなってしまう人もいます。あれほど「一旦離れても大丈夫だから」と教え込まれたのに。

 どうやって、子育て世代を守ればいいのでしょう?

 薬剤師の場合、子育て・介護などの要素がある人は大雑把に見ても6割を超えます。

その人達が非常勤で働く場合、薬局の開局時間には出勤しておらず、閉局時間よりも前に帰る。

 こうなると、店を開けるための常勤の負担は大きいです。

 例えば、医療機関の開ける時間を10時からにして、子供を送ったあとでも始業時間に間に合うようにする。

 という方法も取れそうな気がします。小売にも言えるでしょう。

 もしくは、医療知識を持った人がwebや紙のライターなど、在宅の仕事につく。

室の担保が維持できます。(ただ、ずっと在宅だと最新の知識が身につかなかったり現場の勘を失ってしまうので、現場の人からは疑問を持たれがちです)

 薬局などにとどまらず、ひとりでできる短時間で働ける医療の職を増やす。

(学校薬剤師については、勤務していなくても出来ると考えますが、我が子の所属する学校の学校薬剤師は難しい気がします)

 常駐でない働き方も会っていいと思うですが、どうでしょう???

 

 

 

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【軽い書評】極める!小児の服薬指導

ec.nikkeibp.co.jp

 こちらの書籍をお勧めする対象の方は

 

1.小児の患者さんの服薬指導が多い薬剤師

2.小児の患者さんへの服薬指導が不慣れな薬剤師

3.これから産休・育休に入る薬剤師 もしくは産休・育休に入っている薬剤師

 もしくは我が子が産まれる予定・3歳ぐらいまでの薬剤師

4.小児の指導が多いが、時々母親の相談にも乗る薬剤師

 

1,2、4は仕事のためですが、3.は我が子に本書の内容を実践して、更に理解を深める目的です。

 子育て中で仕事を休んでいても身につくスキルがある!という自信を深める一冊。

文章もわかりやすく、図解も多いです。さらに、患者さんのお母さん自身の相談事にも対応できるよう、妊婦・授乳婦への服薬についてもまとめてあります。

 新人やブランクのあいている方にもわかりやすい一冊。

 

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飲み残しを持っていったら返金?→ありません!

某TV番組で「飲み残しを持っていって、その薬が有効期限内だったら返金できる」と言っていましたが、それは絶対にありません。

 

 

 

 

 

1.患者さんに渡した時点で、その有効期限は無効

 製薬企業で製造後、医薬品卸を通して薬局では温度や湿度、光の照度の管理がなされています。しかし、患者さんがそれを確実に遂行されている保証がないからです。他の患者さんに使用できる保証がないので、捨てるしかありません。

 

2.飲み残す=医師の治療計画に変更が起こる可能性

 薬の処方はものだけの問題ではありません。

医師による薬物治療が遂行されていないので、治療計画の前提が崩れます。治療計画の修正が必要になります。そこで医師は「自分が立てた計画に無理があった可能性がある」と考えます。実行できなかった患者さんを責めるのは治療にマイナスになることも認識しています。

 

 そして、診断し治療計画をたてることができるのは医師のみです。

 医師に怒られるからと言って、隠していると、その薬を飲んでいるという前提で治療計画を立て続けるので、うまく進行しない治療計画になります。飲んでいないのに飲んでいるという前提で治療することで、間違った治療につながっていきます。間違った治療ということは、効果が出すぎたり出なかったりと想定外のことが患者さんの身に起こることになります。

 

 「患者は医師には恐れ多くて何も言えないのだから、察して欲しい」では正確な治療は難しいです。質問されなくても、薬の飲み忘れがある場合は医師に報告をお願いします。もしも、患者さんが自分で言うのを躊躇する場合は、薬剤師や看護師に相談するといいでしょう。

 医師と患者の意思疎通がうなくいくことは、治療に大きなプラスになります。飲み忘れをうまく伝えられなということは、それ以外の症状や体調変化についてもうまく伝えられていないのではないか?と考えます。

 かかっている医療機関の看護師の場合、自分の所属先の医師の性格もある程度理解している可能性も高く、うまいこと医師と患者の人間関係を調整することには長けています。信頼できそうな人を選びましょう。

 薬剤師の場合、もともと疑義照会という薬剤師特有の業務で医師と接していますし、あとに書く調剤・製剤上の工夫や生活に合わせた服用時間の設定などの知識は薬剤師の専門性でもあります。

 薬剤師が何も出来ないわけではないということは、次の項目以降に書きます。

 

 

3.飲み忘れの原因や飲み忘れた薬によって解決方法はさまざま

  薬の飲み残しが起こるのは、いろいろな理由があります。

 ただ単に数回程度忘れる、というのは誰しも起こりえます。

 体の機能の低下によって飲めない場合 →飲めそうな剤形に変更する

 飲み込む機能が落ちた場合

 口の中で溶けやすい薬に変える→処方の書き方にもよりますが、薬剤師による判断も可能な場合があります。嚥下機能の低下により、口腔内崩壊錠にしたことは医師に報告するのが望ましいです。

 

散剤にしてゼリーと混ぜて飲み込みやすい形にするなど、、薬剤師の服薬指導でなんとかなる場合もあります。この場合もトレーシングレポートの対象です。

 

 生活リズムと服用時点が異なる場合 

 1日3回食べない人に毎食後に薬が出る場合

 その薬が食事に影響する薬かどうかで変わってきます。

2交代制の人に「夜寝る前の処方」→処方する薬の選定と、服用時間の詳細な説明が必要です。

 

 薬が高くて調節してしまう→安い薬への変更

 

副作用がもとでのめない 効果とのバランスで処方が変わります。

患者が飲みたくないと言っている→医療者との関係が悪い場合もあるので、話し合いです。

 

 薬剤師による調剤の工夫でなんとかなる場合と、処方そのものを変える必要がある場合で対応は異なってきます。最初に薬剤師に聞くと解決方法を提案してくれます。

 

 その場合の、薬剤師の対応で必要になるのは、

 医師の報告が必要な場合は、なぜ必要なのかを説明することと思います。

「1日2回だと飲み忘れる」場合、1日1回の薬に変えるなどする場合は、処方の変更が必要です。それは、医師の指示が必要です。薬剤師による対応で解決できそうな場合でもなぜ、それで解決するのか説明をしましょう。

 

 医療車に求められることは、正論でぶん殴らないこと。

医療者が患者さんに対して薬を飲めてないことを責めると、正直に話さなくなったり、優しく対処してくれるトンデモ医療に走る可能性があります。これらは、いずれも患者さんのためではありません。どんなことはあっても責めないのは医療者のメンタルが削られることもありますが、頭ごなしに叱った場合のリスクを想像すると、正論でぶん殴るのを引っ込めたほうがいい場合もあります。

 

補足:テレビ局に意見を出しました。

番組中、「飲み残しを薬局に申し出れば返金される」とありましたが、これは誤りなので訂正お願いします。そのような法既定は存在しません。

飲み残した場合の対処は薬によって変わります。
いずれにしても医師の立てた診断及び治療計画を患者が遂行できなかったことになります。

生活習慣病など、長期的に治療する疾患の場合は必ず医師に飲めなかったことを報告しましょう。別に患者を非難するためではありません。
医師自身が立てた計画が、患者にとって無理があった可能性があり、改良する必要があるからです。
薬が飲めない理由によっては、薬剤師の方がノウハウがある場合があります。

1.服用時点の工夫
生活に合った服用時点を提案する。
例えば、昼に飲み忘れやすい場合は、薬を飲む時間をずらせば解決する場合や、1日2回の薬にするなど方法はたくさんあります。

2.製剤の工夫
嚥下機能の低下などで飲めない場合、錠剤を口の中で溶けやすいものにしたり、
散剤にする。

3.患者さんの病識や病気に対する不安がある場合
医療者や介護者で話し合う必要があります。この場合は薬剤師でなくても解決できる可能性があります。

いずれにしても、薬を飲み忘れたことを医師に言うと叱られるから内密にして欲しい、というのは難しいです。チーム医療の中には、患者も主要なメンバーになります。本来は、医療者が患者に威圧感を与えるようなことがあってはいけ混ません。相互信頼の関係で治療は行われているので、患者さんも嘘をつかないでいただければ幸いです。
隠したくなる気持ちはわかりますし、つい飲み忘れることが有るのは百も承知です。

患者の側である視聴者に甘いことを言わず、誠実に番組を作っていただきたいと思います。

 

 

 

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カウンセリング化粧品をカウンセリングで購入するメリット

 今回の記事は、一見薬剤師業界とは関係のない記事構成になっています。

 

 いわゆる「カウンセリング化粧品」をドラッグストアで自分で選ぶことが一般的になってどれほど時間が経過しただろうか。

 

 「買うのを強制される」「似合わないものを勧められた」といった、カウンセリング化粧品の販売スタッフに対する不満の声を聞く。

 

 いや待てよ?「似合っている」と思うのは自分だけで、もっといい商品があるかもしれない。

 そうじゃないんだ、自分がやりたいことをしていればそれで幸せなんだ、他人の評価は関係ない、という意見もある。

 確かに化粧品は効果があるわけではない。肌に浸透するなんて実際にはない。(あっても角質層まで)だからといって無駄ではないと考える人もいる。無駄と考える人もいる。自分に対する武装でもある。化粧したという事実があるから、外に強気でいられる人もいる。

 

 私は、カウンセリングを受けながら化粧品を買う。自分ではその化粧品が似合っているのかどうかわからない頃からの付き合いだ。同時に、カウンセリングを受けないで化粧品を買うこともある。この場合はほとんど基礎化粧品だ。

 年齢とともに、似合う(もしくは肌に合う)化粧品は変わってくる。顔のパーツの一や肌の色、髪の色。その時時に合うものを選ぼうと考えるとカウンセリングは有用だ。

傷ついた細胞を修復するなどの化粧品の売り文句は信用しちゃいないが。それでも、肌に害を与えない化粧品を選びたい。年に数日かさかさになる程度の肌でもなるべく良い状態を保ちたい。

 他人の意見を取り入れながら、自分が使いたいものと折り合いをつけて購入するプロセスを経る場合もあれば、自分が使いたいという欲求をそのままぶつけて購入する場合もある。(店頭や通販)

 そのプロセスを選べるのは、化粧品が肌に強く働きかけないからだ。

 これが、医薬品のように体に強く影響を与えるものだったら自分ひとりで選べるか?そこまでの知識が自分にはあるか?自分の選択を受け入れて薬による有害事象を受け入れ、訴えることをしない自信があるか?

 ハッキリ言って、ない。

 自分の知識だけで買える自信はない。

 

 医薬品を通販で買えるほどの知識を持っていないことは、薬や病気の勉強をすればするほど痛感する。人に任せたほうがいいこともある。

 

 専門家の意見を聞いて、信頼のバックボーンを得て、その中から自分の使いたいこのを選ぶのが満足な買い物になるのではないか。

これは、セルフメディケーションのあるべき姿でもある。

 では、自分で選択できない処方箋調剤で「自分で選んだ」のと同じぐらいの満足を与えるにはどうすればいいか?効果的で簡単な使用方法の提案?カスタマイズされた使用方法の提案?

 

 化粧品に話を戻そう。

 年とともに似合うメイクの色も変わるし、そもそもの流行も変わっていく。カウンセリングをたまに受けて、時代の傾向と自分に似合うものの変遷を確認するのもいいだろう。案外自分では想定していない色が似合ったりもする。自分で買って似合わなかったり合わなかったりしても、自分は間違っていない、これで似合うんだと思いこんで使うも個人の選択だ。(店員との接客を嫌がる人は、自分で選んで買って失敗しても、それを失敗と認めないことも往々にしてある。失敗だったとしても反省しないことも多い。それだけ、自分で好きなものを選んだということは満足感を与える。)

 

 自分がカウンセリングを受ける場合、科学的根拠のない話はスルーしたふりをし、商品提案には耳を貸す。そして、使用後の感想を伝える。

 

 うまい販売員は、自分で選んだという感触を与える。個人の顔によって異なる使用方法を提案する。その商品を使えば確実に良くなるという印象を与える。買わされたという印象は与えない。

 

 店の人にも提案したい。

 個人の顔に応じた商品提案や、使用テクニックを教える技術があることを全面に押し出してほしいし、それを発揮して欲しい。そして、自社の販売チャネルの異なる商品の知識もつけて欲しい。願わくば他社も。

 

 そして、カウンセリングされた場合、店員から買うのを強要されると認識している人に効果的な方法がある。ココに提案する。

1.肌に合うか確認したい

2.一日塗ってどのような経過をたどるのか見てから買いたい

 これでカウンセリングを受けても購入しないで待つことが出来る。ほんとうに肌に合うかどうかは長時間つけていないとわからないこともあるし、日中の活動によってどの程度化粧が取れるかも自分につけてみないとわからない。それは販売している人もよくわかっているのでその場での購入は強制しない。(これらの発言をしても購入を強制するかどうかで販売員の質を見極めてもいい)

 

ただし、この場合は購入するならそのカウンセリングを受けた店で買おう。定価であっても、商品+カスタマイズされた使用方法の提案という価値があるのだから。

 

 

 

 

 

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【味見シリーズ】オルメテックOD/ロスバスタチン「アメル」

 不定期に体を張る企画をやろうと思います。

 味見シリーズです。もはや二番煎じ三番煎じのように見えるのですが、多くの人がやって情報共有し、これ以上被害者を増やさないようにするんだ! みんなで味のデータベースを作るんだ!

 

1.オルメテックOD

 なぜこれをOD錠にしたのかわからない。

 という薬のトップクラスに入りますね。最近のOD錠導入理由の多くは「後発医薬品対策」なのですが、最たるものです。OD錠を発売し、普通薬を販売中止にし、ジェネリック医薬品の参入を阻止しようとしたもの。おまけに、オーソライズドジェネリックを出して後発医薬品が出る前にあらかたそっちに切り替えさせて子会社を儲けさせるという阿漕な商売企業努力をさせた一品。

 添加物が違うから効果も違う?という質問には、

かつて、メイアクト錠がカゼインを抜いてメイアクトMSにし牛乳アレルギーの人でも飲めるようにした時、効果が変わると信じた人がどれだけいたか、そして、どれだけの資料をメーカーが添付したか覚えているだろうか。

 そういうわけですはい。

 

 味の話に移ろう。

 最初は味しなかったんですが、表層が溶けてきて徐々に苦くなってきました。

私は血圧が高いわけではないので、途中でやめました。

 

2.ロスバスタチンカルシウム「アメル」

 ストロングゼロ、いや、ストロングスタチンといえばこちら。こちらもっと味がひどかった。苦いです。本当に苦いです。おすすめしません。

 

 これからも随時薬の試食ネタ挙げていきます。

 

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「客観的データと自身の目で見たもの、どちらを信頼するか- 安倍晋三内閣総理大臣街頭演説を例に挙げて」

先日、第48回衆議院議員選挙が行われた。各地で安倍晋三内閣総理大臣(以下、安倍首相と呼びます)の演説に対し聴衆が様々な反応をしたことがメディアやネットの記事でも取り上げられました。

 

 今回は、政治の話ではありません。多くある情報を人はどのようにして捉え、何をどのように信じるのかについて記します。

 

 メディアの記事

 

リテラ

安倍首相の秋葉原街頭演説が極右集会そのもの! 「こんな人たち」を排除し、日の丸はためくなか「安倍総理がんばれ」コール

http://lite-ra.com/2017/10/post-3530.html

 

産経

安倍晋三首相@秋葉原「リベンジ演説」大きな混乱なくも「9条守れ!」聴衆が抗議「うるさいよ」

http://www.sankei.com/politics/news/171021/plt1710210113-n1.html

 

一般の方から

 

現場の様子(動画)

https://www.youtube.com/watch?v=5H2xLE8fL98

 

それ以外にも多数の方からのSNS投稿がある。

 

 しかし、それらの情報があっても確証を得られない気がしたので、私は安倍首相が演説に来るというヨドバシカメラマルチメディア梅田の会場に向かいました。

 会場は大阪駅前で、多くの通勤・買い物客が多く通る場所です。多分、メディアの方も来るだろうから彼らがどのように仕事をするのかもこの目で見ようと思ったのです。

 実際、会場では「お前が国難」というプラカードの集団も自民党を支持する方もそれ以外の人もいました。最も多いのは一番最後の「それ以外の人」です。

 

 メディア、一般の人。それぞれがそれぞれの感性で写真を撮っていました。それらが上がった記事やSNS投稿、動画配信を見ました。

 自分がその目で見た現場ではわからなかったことも多く上がっていました。自分の見えない範囲で起こっていたことも多かったです。安倍首相を支持する人と支持しない人の口論も起こっていました。

 

 そこで気づいたことは

  1. メディアも含め、それぞれが自分の感性で撮影している
  2. 一人ひとりが見られるものの範囲は限られている
  3. それらの写真や記事を多く集めると客観性が高くなる
  4. それでも自分の見た物の価値が高くなりがちである

です。

 

3.について解説すると、

その場にいた個人が撮った写真をまとめたものが客観性が高く思えるのは、撮影した人同士に直接及びSNS上での面識がないであろうと判断できたことがあります。Twitterでは、他のユーザーのフォロワー、日頃の発言を見ることが出来る設定があります。Twitterの記事をまとめているも複数いました。これまた投稿者とは関係がなさそうな人でした。

 

 これを医療に当てはめるとどうなるでしょうか?

 

多くの人が独立して集めたデータをまとめたもの(システマティックレビューのような状況)では自分が得たい情報を得られていない気がする。

実際の患者に使う場合に薬効以外に欲しい情報(個々の患者さんに応じたもの、より生身の情報)を得たいので実際の患者さんに新薬(もしくは自分が使ったことがない薬)を使いたい。

もしかしたら、今より良い治療法になるかもしれない。

治療法の幅が広がれば、よくなる患者さんも増える。

データも信用しているが、それでは十分ではない自分が知りたい、個別の細かい情報を得たいので実際に治療法を試す

 

しかし、情報を得る労力がかかっている分、どうしても自分で得た情報に重きをおいてしまう。

→これはメディアの人が会社の方針に従った報道をするのと近いです。(編集バイアスに近い位置と思われます)メディアの人も出世したい、待遇を良くしたいでしょうし。日本のメディアよりも、医学論文における編集バイアスの方がかなりマシだと思います。

(いや、比較してはいけない程度かもしれません)

 こういった気持ちが絡んで、新薬は使われていくのではないでしょうか。ここには悪意はありません。治療の幅を広げることで、助かる患者が増えるのではないかという願いと向上心からくるものと思われます。

 効果を見て終わったら、元の薬に戻せばいいのですが、そこはどうすればいいのでしょう。なにせ、変更した理由を説明しづらい(新しい薬が出たので効果を確認したかった)ですから。

 

 

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