「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ

葉酸単独?ビタミン追加?鉄を追加?それともカルシウム?

答え)商品の説明書に書いてある量を飲むのならば、葉酸単独、ビタミン付加、鉄付加、カルシウム付加のものどれを飲んでも健康に害を与えません。

妊娠後期には、鉄の必要量が増えるため、鉄を多く含むサプリメントに切り替えてもいいでしょう。(鉄分1日量15mg以内のもの)

 ただし、貧血の状態によっては鉄剤を処方されることがあるので、その場合はサプリメントでは鉄を含まないものにしましょう。

サプリメントを摂っていることはいつも妊婦健診をしている医師に報告、相談しましょう。

 

1.鉄について

日本人女性の摂取量(中央値)

15-19歳  6.6mg

20-29歳 6.2mg

30-39歳 6.3mg
40-49歳 6.5mg

(平成24年国民健康・栄養調査報告 栄養素等摂取状況調査の結果  

栄養素等摂取量-エネルギー・栄養素等,年齢階級別,平均値,標準偏差,中央値

-全国補正値,女性,1歳以上より)

日本人女性の摂取推奨量

 18-29歳 月経あり 10.5mg 月経なし 6.0mg 

30-49歳 月経あり 10.5mg 月経なし 6.5mg

妊娠初期 2.5mg追加

妊娠中期・後期 15.0mg追加

※月経なしの推奨量に追加します。

上限摂取量

 18-29歳 40mg

30-49歳 40mg

(「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書より)

ディアナチュラやピジョンサプリメント葉酸プラスに含まれる鉄は「ピロリン酸鉄」といわれる「3価のイオンの鉄(Fe3+)」なので、医薬品である「クエン酸第一鉄(こちらは2価のイオンの鉄(Fe2+)(商品名:フェロミア)」より吸収されにくいです。(小腸で還元を受けてからになる。大きな分子だと水に溶けないので吸収されずに体から出ていく) 吸収しやすいようにビタミンCを追加しています。

ヘム鉄と呼ばれるものは、ポルフィリンと鉄(2価のイオン)が錯体を作っています。この形にして、水に溶けやすい状態になっています。(作りはキレートと似ています、錯体の一種がキレートです)

  妊娠していない時期、妊娠初期は葉酸を主としたサプリメントに含まれる鉄で必要となる鉄分を補え、上限量を超える心配はありません。(摂取量の中央値にサプリメントに含まれている鉄分を加えても上限量の半分程度です)

 妊娠中期、後期は 

 ①胎児の成長に伴う鉄貯蔵、

 ②臍帯・胎盤中への鉄貯蔵、

 ③循環血液量の増加に伴う赤血球量の増加による鉄需要の増加

があるため鉄が必要となります。

 妊娠中期後期は、葉酸も含む鉄多めのサプリメントに切り替えるのもいいです。

 ディアナチュラ 葉酸・鉄・カルシウム(妊娠期間中ずっと対応できる)

 ピジョンサプリメントの商品(妊娠期間中ずっと対応できる。匂いが駄目な場合は錠剤で、水を飲んでも吐きそうな場合はタブレットで)

 

 鉄が主要な成分だが、葉酸も取れるもの

この場合は鉄15mg、葉酸200μg以上のものを選ぶといいでしょう。

食品で葉酸を補えます。

 ディアナチュラ 鉄+マルチビタミン(パウチ) 鉄18mg+葉酸200μg 

 妊婦健診で貧血の状態を見て、鉄剤の処方があればサプリメントは鉄の入ってないものにしましょう。

 

 

2.カルシウムについて

日本人女性の摂取量(中央値)

 

15-19歳  398mg

20-29歳 368mg 

30-39歳 407mg
40-49歳 390mg

(平成24年国民健康・栄養調査報告 栄養素等摂取状況調査の結果  

栄養素等摂取量-エネルギー・栄養素等,年齢階級別,平均値,標準偏差,中央値

-全国補正値,女性,1歳以上より)

日本人女性の摂取推奨量

 18-29歳 650mg

30-49歳 650mg

上限摂取量

18-29歳 2500mg

30-49歳 2500mg

(「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書より)

妊娠による必要量の増加がないので、カルシウムに関しては妊娠前と同じ調整を続ければ適切な摂取量になりますし、葉酸を含むサプリメント指示された量飲んで過剰症になる危険はありません。

 

3.葉酸

 

日本人女性の摂取量(中央値)

 

15-19歳  227μg

20-29歳 216μg

30-39歳 230μg
40-49歳 235μg

(平成24年国民健康・栄養調査報告 栄養素等摂取状況調査の結果  

栄養素等摂取量-エネルギー・栄養素等,年齢階級別,平均値,標準偏差,中央値

-全国補正値,女性,1歳以上より)

日本人女性の摂取推奨量

18-29歳 240μg

30-49歳 240μg

妊婦 240μg 追加

授乳婦 100μg 追加

 

上限摂取量

20-29歳 1000μg

30-49歳 1000μg

葉酸サプリで400μg程度服用し、葉物野菜をやや多めに摂れば過剰症になる心配もないと思われます。妊娠中期以降はサプリメントで摂る葉酸を200μg以上にして葉物野菜やノリやいちごでカバーし、鉄の摂取に重きを置く方法でも欠乏しないと思われます。

 

 (「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書より)

 

自分の食べているものの栄養素を知りたい方はこちらのリンク先で調べてはどうでしょう。

fooddb.mext.go.jp

文部科学省 食品成分データベース

 

4.ビタミンについて

商品包装に書かれた服用量を守れば問題なし。

脂溶性ビタミンであるビタミンDを含むものもありますが、上限量は100μgと通常のサプリメントに含まれている量の10倍以上であるため、サプリメントを過剰摂取しない限り超えることはないでしょう。

 

 ビタミンB6についても、30倍以上の差があるため、通常量のサプリメントを飲んでいれば超えることはありません。

 

貧血で鉄剤を処方された場合に、ビタミンB(6,12)を含むものに切り替えて葉酸を取り続けることができる。 

 

 

 

関連資料

 

www.mhlw.go.jp

www.mhlw.go.jp

国立健康・栄養研究所 「健康食品の安全性・有効性情報」葉酸

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail652.html


平成 15 年度厚生労働科学研究費(効果的医療技術の確立推進臨床研究事業) 日本人の水溶性ビタミン必要量に関する基礎的研究

http://www.shc.usp.ac.jp/shibata/4-7.pdf

胎児の正常な発育に役立つ「葉酸」を摂取できるとうたった健康食品 国民生活センター

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110526_1.html

 

www.afpbb.com

www.mhlw.go.jp

厚生労働省のものを見やすく表にしたものです

三大栄養素 | 日本人の食事摂取基準(2015年版)より | 栄養成分ナビ

 

 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は米国医療研究・品質調査機構(AHRQ)の独立委員会で、検診や予防医療の研究レビューを行って米国政府の推奨グレードを作成します。

 

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