「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

敢えて言おう!なぜ薬剤師はジェネリックを勧めるのか

 ジェネリック医薬品を薬局で勧められると思われます。

 

 なぜ、薬剤師がジェネリック医薬品を勧めるのか。いろいろな視点で説明します。

f:id:miyaq:20160505091601p:plain

1.国民医療費から見た視点

 国民医療費は増大していってます。高齢者が増えているからです。

といったら、外に出歩いている高齢者や施設に入居しているをイメージするかもしれません。実際は、亡くなる直前がダントツで多額になります。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0322-11a.pdf

上記は高齢者の受診動向についての資料です。

 終末期は、なるべく命を絶やさないようにすると治療が施されます。よって、多額になります。こちらの額を下げれば国民医療費は確実に下がるのですが、

 命の選別をされているような印象にもなりますし、

 残された家族に与える精神的ダメージも大きいです。

 終末期に自分の家族を切り捨てた、となればその家族が後悔し、心身ともに病んでしまい、さらに医療費が増えることになります。

 そこで、命にまだ直接の影響を与えにくいところを節約して、なるべく多くの生命を守れるようにする政策が「ジェネリック医薬品の使用」です。

 若い人になるべく生活習慣病などの病気にならないよう努めるようはたらききかける方法もあります。これも限界があります。

生活習慣が悪いわけでもないのに、もともとの体質で生活習慣病になる人もいます(日本人は欧米の方に比べて糖尿病になりやすい)、

規則正しい生活を続けるのは息苦しいです。

 また、高齢化で増える疾患として認知症がありますが、これには効果的な治療法が見つかっていません。他の疾患を防いだとしても、他の高齢化による疾患にかかる治療費がかかります。

 そもそも、長生きすると年金などの社会保障費がかかります。なるべく長い期間働いて、年金に頼らない生活をすることが国からも求められています。しかし、死ぬまで働くにも限度があります。現時点での健康寿命は70歳程度です。国は健康寿命を延ばすことを目指しています。(健康寿命と寿命の差=介護や世話が必要となる期間を短縮させる目的です。さすがに、寿命を縮めることを行政がストレートに打ち出すことは出来ませんので、健康寿命を延ばす話題になります。しかし、回復の見込めない人に対する胃ろうや、終末期医療について国民に心構えを持ってもらう施策は行っています)

 個人差は大きいですが、80歳の人が30代の人並みの長時間働くことは難しいでしょう。また、30際の頃のような長時間労働に疲れて、働くことに嫌気が差している人も多いでしょう。

 

 

2.薬局の都合

 後発医薬品調剤体制加算というものがあります。

 薬局全体で使用される、後発医薬品が存在する薬のうち、後発医薬品を使用した割合によって加算があります。

 この4月からはこちら。

 <病院・診療所>

◆後発医薬品使用体制加算1(入院料の加算)
加算1:45点、後発医薬品使用割合85%以上
加算2:40点、後発医薬品使用割合80%以上
加算3:35点、後発医薬品使用割合70%以上(現行70%以上は42点)
加算4:22点、後発医薬品使用割合60%以上(現行60%以上は35点)

◆外来後発医薬品使用体制加算(処方料の加算)
加算1:5点、後発医薬品使用割合85%以上
加算2:4点、後発医薬品使用割合75%以上
加算3:2点、後発医薬品使用割合70%以上(現行70%以上は4点)

◆一般名処方加算(処方箋料の加算)
加算1:6点(現行3点)
加算2:4点(現行2点)

 

<薬局>

◆後発医薬品調剤体制加算(調剤薬局)
加算1:18点、後発医薬品使用割合75%以上(現行75%以上は22点)
加算2:22点、後発医薬品使用割合80%以上
加算3:26点、後発医薬品使用割合85%以上

◆調剤基本料の減額(調剤薬局):2点減算(新設)
【施設基準】
 次のいずれかに該当する保険薬局であること。
(1) 当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品および後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が2割以下であること。ただし、当該保険薬局における処方箋受付状況を踏まえ、やむを得ないものは除く。
(2) (1)に係る報告を地方厚生局長等に報告していない保険薬局であること。

 

 

 というのは、後発医薬品はたくさんのメーカーが存在し、患者の希望に応じて同じ成分の後発医薬品を複数置いておく場面がありえます。最近は改善されたものの、後発医薬品は1000錠包装しか売っていないなんてこともありました。14錠しか使わなくても、薬局は1000錠分の金額を医薬品卸(もしくはメーカー)に支払うことになります。さらに、薬局はメーカーに消費税を支払っていますが、患者には転嫁していません。

 病院のほうが点数が低いのは、病院は採用医薬品を決めていて、その範囲内での処方に限定されることが多いからです。薬局のほうが取り扱う医薬品の範囲が広いです。病院のほうがロスは少ないです。珍しい病気や症状の薬であっても、そのような症状の患者さんが集まりやすいです。専門的な医療を必要とする患者さんを一つの病院に集約しているからです。それでも非常に珍しい疾患の方も来るので、大きな病院であっても、一人にしか処方されない薬や、散発的突発的にしか使用されない薬があり、期限切れは起こりえます。

 

 薬局が医薬品卸から買う値段は、法律で定められていません。医薬品卸がメーカーから買う時の価格も、法律で定められていません。これらはそれぞれの企業の交渉によって決まります。薬局・医薬品卸によって価格は異なります。

患者さんにお出しする時の価格は国の法律により決まっています。誰に対しても薬価は同じです。しかし、薬局の機能や処方箋を受け付ける時間によって価格が変わってきます。当ブログでは何度も言いますが、薬の値段は薬というものだけで決まってはいません。物を正しく使えるようにするための個別の情報に値段がついています。

 つまり、

 医薬品メーカー → 医薬品卸

 医薬品卸 → 薬局・病院・診療所

の売価は資本主義的な取引で決まります。

 安定して長期間大量に購入してくれる、大きな取引先には売り主も気を配って安くしたり、流通が滞るようなことがあれば優先的に納入されます。あまり買ってくれないところの納入価は安くありません。

 なお、納入価と売価の差は今はあまりありません。物によっては納入した時点で赤字のものもあります。どこで従業員の給与や機械のメンテナンス費用を稼ぎ、なるべく長く薬局を維持し、地域の住民に医薬品を供給し続けることが出来るか。そのためには各種加算を積極的に取りに行くように努めるのは当然です。稼いで私利私欲に走るわけではありません。(時折私利私欲に走る人もいますが、それはどの業種にもいます)

 薬局で働く薬剤師や事務、栄養士などのスタッフも同様です。稼いだお金で地域の住民に還元すべく、自己研鑽をします。

 つまり、各種加算を得るのは、最終的に地域の住民に還元するためです。

 

3.後発医薬品に不安のある方へ

 それでも、後発医薬品に不安がある方には1つ方法があります。

 オーソライズド・ジェネリックです。

 先発医薬品を作るメーカーの許可を受けて、先発医薬品と同じ原料を使用したり、ものによっては製法(果ては製造工場)まで同じジェネリック医薬品です。先発医薬品のメーカーの関連会社や子会社が販売していることが多いです。

 

 国は2020年度までに後発医薬品使用割合を80%にあげたい。

 患者は先発医薬を使いたい(人によってはなるべく安く)。

 医師も先発医薬品を使いたい(昔の後発医薬品の品質に疑問を持っている人は特に)

 

これらの需要を「形だけでも」叶えたい人にはうってつけの医薬品です。 

 体裁だけ整えたい、非常に日本人向けの発想ですね。

 すべての医薬品にオーソライズドジェネリックがあるとは限りませんので薬局に相談を。

 

 

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

【参加報告】「エクスファルマにソクラテスがやってきた」と「兵庫医療大学 構造式ワークショップ」

 今回は2つの研修を同時にひとつの記事にしました。

 

というのは

内容が重複してくるからです。さらに、研修の開催される順番も良かったです。

(主催者は別です)

2つの研修の場所同士が近い

 

1.エクスファルマにソクラテスがやってきた

 門真薬剤師会の時の講演より真面目でした(笑)内容もしっかりまとまっていてわかりやすい印象がありましたw もしかしたら私が何度も聞いているからかもしれませんw

 ざっくりまとめると

 1.薬歴を書くためには、患者さんをしっかり観察すること

  治療上問題がない状態のことも記載し、基準がわかるようにすること

  患者さんを見ないと、何を支援すればいいのかわからない。

 2.薬剤師自身のアセスメントを明確にすること

  そのためのジャブとなる質問を患者さんにすることや

  判断材料にするための知識をつけること

  自分が考えていることを言葉にする技術を身につけること

 3.薬理、薬物動態、化学構造式、製剤は薬学の基本

  これらの基本となる知識をきっちり身に付け、つなげていくこと

  どうまとめていくかは

www.kinokuniya.co.jp

にあるので購入して読もう

 4.先輩はどんどん学んだことを情報発信し、全国の薬剤師(特に若手)に学べる資料を与えよう

 全国には多くの一人薬剤師がいます。また、研修もOJTもないまま、現場に放り出されて自己流でやっている薬剤師もたくさんいます。他人の薬歴を見たことがない薬剤師が多く存在します。

 店舗数が急激に増えたため、薬剤師を現場で育成する体制が整わないまま日本の医薬分業は進みました。先輩たちが、自分の経験や知識をSNSやブログで発信することで、顔も名前も知らない薬剤師へのアドバイスになるでしょう。知識の伝承が、薬剤師のレベルを上げます。

 

 

 以下は感想です。

 

 「薬歴の書き方を教えてください」と聞かれるそうですが、そこには「評価する人が隠し持っている正解は何なのか教えて欲しい」という気持ちがあるのではないかと感じました。

 患者さんのどこを見るのか。継続して観察、指導するための記録ではないかと思いました。継続した記録を見やすくすること、普段自分が服薬指導時に何を考えて指導しているのか意識して言語化することが大事なのではないかと考えました。

 そのためには、患者さんの薬物治療でどこがひっかかるのか(もしくは現在は観察する状態なのか)、どう対応すれば前に進むのかを考える必要があります。

 経験則で漠然と「こうだろう」という指導ではなく、もっと踏み込んで、他人が指導してもわかるようにすることが肝心です。なぜならば、薬剤師と患者の年齢のバランスでその人の指導を一生できるとは限らないからです。

 また、安定している状況でも、安定していることの証拠として患者さんの「今の状況」を記すのも立派な記録です。

 歩いて一人で薬局に来た、家族と一緒に来た、杖をついて一人できた・・・

 血圧の数値

 声のハリ

今の状況を記録し、今は安定していることを確認」と記載でいいのではないでしょうか。

 

 「薬理学」「薬物動態学」「製剤」「構造式」これが薬剤師が持つ独自性であり、薬学のど真ん中とのことです。

 確かに、化学構造から医薬品を見るのは薬剤師のみです。また、安全性を重視しているのも薬剤師がメインです。

 これらの知識を組み合わせて、体の中でどういった事が起こるのか、薬物動態だけでない一連の流れを把握しましょう。

 薬が作用することで、影響を受けるレセプターと物質が存在→

 そのことで、体内で変化に対応するべくどんなことがおこるのか

 

 ただ単に肝臓でのコレステロール生成が阻害される、で終わるのでなく、コレステロールが肝臓で作られなくなったらどこからコレステロールを調達するのかについてまで考える。

 

2.構造式ワークショップ「薬のカタチを楽しもう」

 
f:id:miyaq:20180408200856j:image

 先週と同じく、グランフロント大阪で行われました。

 今回は、薬の構造式を読み解けばいろいろなことがわかるようになるというものです。

 構造式が分かればわかること

 1.物性(水に溶けやすいか否か、安定している物質か)

 2.作用(働きかける受容体)

 3.吸収及び代謝、排泄(薬物動態)

 4.薬品や食品との相互作用

これは、薬剤師のみが学んでいる分野です。薬学のど真ん中と言えます。

 昨日のソクラテス先生(この記事では一度も本名で書いていない)も同じことを言っていました。

 構造式について学べていない理由、どうすればより知識が深まるかについて話し合いました。すると、いろいろな意見が出てました。

 

 薬剤アレルギーを構造式である程度予見できる事例

 相互作用はどのような構造式の変化で起こったのか?

 構造式では省庁で吸収されないとされるのに、吸収される物質があればトランスポーターの存在を疑え

 今、話題の新薬に起こり得ることは?

 

といった話題をテンポよく、SGDと抗議を交えて行われました。

 

今回、私が参加したグループの方のうち複数の方が持ってきていて役立ったのがこちら

 

honto.jp

 

 清水先生が紹介した2冊。いずれも持ってますが読み切れていません・・・

 

www.kinokuniya.co.jp

www.nanzando.com

 ここで学んだことを咀嚼して、ブログに書いたり会社で伝えられるように精進します!

 

 

そして最後にこちらの告知!

 

 

 

 

 

 

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

【参加報告】2018/4/1 AHEADMAP x EBM倶楽部ジョイントワークショップ

 4/1(日曜日)に行われたAHEADMAP x EBM倶楽部ジョイントワークショップの参加報告をします。

 
f:id:miyaq:20180402062949j:image

 今回は、ある患者さんの問いかけに対する答えを得るべく、処方提案を行う企画でした。とかく、論文を読める自分かっこいい!と誤解されがちな薬剤師によるEBM。しかし、今回は非常に泥臭い、血の通った処方提案につながっていました。

 

 

 今回のワークショップのメイン

 問題の定式化(PECO/PICOを決める)

 患者さんの考えや状態に沿った、エビデンスのある情報を読み取っての処方提案

 

 論文を検索するのはメインではありませんでした。なぜ、EBMを行うのか考えれば、当たり前です。いちばん大切なのは、患者さんのことを知ること、知ろうとすることです。

 患者さんのこと(経時的な疾患の状態や薬物治療歴、生活状況など、薬物治療に繋がる情報、治療に対する希望、人生における価値観)を知って、信頼関係が得られば、より精度の高い問題の定式化ができます。

 また、論文情報や薬理学有機化学の情報から、どういう結論に導くのかも。患者さんの価値観が尊重されます。(優先ではない場合もある)

 

 

 どんなワークショップだったのか 

 今回の参加者は約30名でした。参加者を5-6名のグループに分けます。

 最初は、参加者間の気分を緩めるべく、「処方提案について困ったこと、必要な準備」についてのワールドカフェ形式での話し合いがありました。

 

  ワールドカフェとは

ワールド・カフェとは? | ワールド・カフェ・ネット

 

 ここで、処方提案についてのイメージを膨らませた後に本題に入ります。

 

 

 本題では、SGD(スモールグループディスカッション:少人数による話し合い)でした。同じ題材を複数のグループで話し合い、それぞれのグループで出した結論とそれを導いた根拠を発表していきました。グループの参加者の意見をそれぞれ尊重して話し合いが進んでいきました。

 

 その前後には、論文のデータの読み方についての講義がありました。わかりにくい言葉を簡単に解説していました。

 大切なのは

 比だけではなく差も見ること

 10000人中10人に起こる症状を薬で10000人中4人に減らすこと と

 10000人中1000人に起こる症状を薬で400人に減らすこと

では減らす比率は 0.4 と同じですが、

 減らす人数は 6人と 600人で大違いです。

 同じ薬価の薬で考えると、後者のほうが価値が高いと言えます。

 

 それと、論文のP値は無視していいことの解説

 箱ひげ図の読み方

 がスッキリ理解できました。

 

気づいたこと感想

 ここでも、気づくことがありました。

 それぞれのグループが、複数の論文を読んで導き出した答えが違っているのです。

それぞれが、それぞれの着眼点を持って発表していました。薬価などのデータも含めて論拠を発表するところ、具体的に医師に提案をするシナリオを発表したところ、いろいろありました。そのどれもが、自分にはない着眼点で、尊重できるものでした。今後、お互いの着眼点を自分のものにして、より患者さんに沿った相談、服薬指導、受診勧奨、処方提案ができるのではないかと思います。

 

 そして、結論に導き出すためには多くの患者さんの情報が必要であることも実感しました。過去の検査値、患者さんの生活スタイル、外見・・・。

 

 こういったことを、実際に体感できるワークショップは非常に価値があります。それは、参加者が自分で参加したくて来ているというのも大きいと考えます。それと、SGD参加者がお互いの意見を尊重し、聞く姿勢があった、有るように仕向けたのも良かったと思います。これは、WSを作ったスタッフの方の作り方がうまかったのと、WSの目的がしっかりしていたのが理由ではないかと思います。スタッフの皆さんの大変な苦労が見て取れました。

 

 ただ、改善点もあります。WSは長いので、どうしても子育て中の女性が参加するのは難しいこと、やる気があまりない人も参加する社内研修にはもうひと工夫必要な印象がありました。今回の参加者は大半が男性でした。

 

 話はそれますが。メディアの役割は、一次情報へのアクセスを簡便にすることではないかと思いました。WSでも、同じ一次情報でも見る人の価値観というフィルターによって(今回のWSの患者像も薬剤師から見た患者像に過ぎません)変わります。同じ情報であっても、価値観の捉え方によって、行動がまるっきり違うという結果をWSで目の当たりにしました。

 客観的な情報で行動や捉え方が180°変わるのですから、メディアが自身の意見をわかりにくく混在させることは読者の目を曇らせるだけです。なるべく多くの一次情報を集めて、読者の判断材料を増やすのがメディアの仕事ではないでしょうか。 

 

 今回得たことの要約

 1.問題の定式化と、結論を導くためには患者情報を多く集め、患者さんをよく知ることが必須。

 2.客観的な情報だけでも、評価する人のフィルターによって答えが異なってくる。

 

 もっと多くの人に今回自分が体験したことを実感して欲しい。しかし、WSの性質上多くの人が参加するには限界がある。多くの人に知ってほしくて、この記事を書きました。

 最後にもう一度

 EBMで一番大切なのは、患者さんのことを知ること、知ろうとすること

 

 

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

家事や育児に重きをおいて働きたい

 医療従事者など、高度な教育を受けた人は「我が子にもしっかりとした教育をさせた愛」と考えがちです。

 

 妊娠と出産をするのは女性であるため、その実現のためには、キャリアとの両立を計画するとことから始まります。

 

 そうなると、

 (継続して働く前提で)産休・育休・時短の制度がしっかりした制度のある職場

 (継続して働く前提で)経営が安定した、規模の大きな企業(代替要員がいるため)

(結婚する前にスキルを身につける意味で)幅広く技能を身につけられる職場、もしくは専門的な資格を得られる職場

 を厳しい目で選びます。就職する、もしくは高校・大学に行く時点で出産・育児・介護のことを考えています。

 そこが、男性との違いです。

 

 妊娠する。

 出産する。

 

 非常に大きいです。

 

 横断的事項(その4)
-医療従事者の働き方、病床数の取扱い、
地域の実情を踏まえた対応

中医協の資料です。(2017/11/8)

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000183841.pdf

 医療従事者には女性が多いです。

これは、「結婚しても、出産しても、夫と先立たれても離婚しても働ける仕事を選べ」と言われて育っているのも関係していると考えられます。

 そのため、非常勤で働く人の割合が高く、常勤で働く人の負担が大きいのも事実です。また、一旦子育てのために職場を離れて復職しようにも、医療が進歩していてその職に戻れなくなってしまう人もいます。あれほど「一旦離れても大丈夫だから」と教え込まれたのに。

 どうやって、子育て世代を守ればいいのでしょう?

 薬剤師の場合、子育て・介護などの要素がある人は大雑把に見ても6割を超えます。

その人達が非常勤で働く場合、薬局の開局時間には出勤しておらず、閉局時間よりも前に帰る。

 こうなると、店を開けるための常勤の負担は大きいです。

 例えば、医療機関の開ける時間を10時からにして、子供を送ったあとでも始業時間に間に合うようにする。

 という方法も取れそうな気がします。小売にも言えるでしょう。

 もしくは、医療知識を持った人がwebや紙のライターなど、在宅の仕事につく。

室の担保が維持できます。(ただ、ずっと在宅だと最新の知識が身につかなかったり現場の勘を失ってしまうので、現場の人からは疑問を持たれがちです)

 薬局などにとどまらず、ひとりでできる短時間で働ける医療の職を増やす。

(学校薬剤師については、勤務していなくても出来ると考えますが、我が子の所属する学校の学校薬剤師は難しい気がします)

 常駐でない働き方も会っていいと思うですが、どうでしょう???

 

 

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

【軽い書評】極める!小児の服薬指導

ec.nikkeibp.co.jp

 こちらの書籍をお勧めする対象の方は

 

1.小児の患者さんの服薬指導が多い薬剤師

2.小児の患者さんへの服薬指導が不慣れな薬剤師

3.これから産休・育休に入る薬剤師 もしくは産休・育休に入っている薬剤師

 もしくは我が子が産まれる予定・3歳ぐらいまでの薬剤師

4.小児の指導が多いが、時々母親の相談にも乗る薬剤師

 

1,2、4は仕事のためですが、3.は我が子に本書の内容を実践して、更に理解を深める目的です。

 子育て中で仕事を休んでいても身につくスキルがある!という自信を深める一冊。

文章もわかりやすく、図解も多いです。さらに、患者さんのお母さん自身の相談事にも対応できるよう、妊婦・授乳婦への服薬についてもまとめてあります。

 新人やブランクのあいている方にもわかりやすい一冊。

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

飲み残しを持っていったら返金?→ありません!

某TV番組で「飲み残しを持っていって、その薬が有効期限内だったら返金できる」と言っていましたが、それは絶対にありません。

 

 

 

 

 

1.患者さんに渡した時点で、その有効期限は無効

 製薬企業で製造後、医薬品卸を通して薬局では温度や湿度、光の照度の管理がなされています。しかし、患者さんがそれを確実に遂行されている保証がないからです。他の患者さんに使用できる保証がないので、捨てるしかありません。

 

2.飲み残す=医師の治療計画に変更が起こる可能性

 薬の処方はものだけの問題ではありません。

医師による薬物治療が遂行されていないので、治療計画の前提が崩れます。治療計画の修正が必要になります。そこで医師は「自分が立てた計画に無理があった可能性がある」と考えます。実行できなかった患者さんを責めるのは治療にマイナスになることも認識しています。

 

 そして、診断し治療計画をたてることができるのは医師のみです。

 医師に怒られるからと言って、隠していると、その薬を飲んでいるという前提で治療計画を立て続けるので、うまく進行しない治療計画になります。飲んでいないのに飲んでいるという前提で治療することで、間違った治療につながっていきます。間違った治療ということは、効果が出すぎたり出なかったりと想定外のことが患者さんの身に起こることになります。

 

 「患者は医師には恐れ多くて何も言えないのだから、察して欲しい」では正確な治療は難しいです。質問されなくても、薬の飲み忘れがある場合は医師に報告をお願いします。もしも、患者さんが自分で言うのを躊躇する場合は、薬剤師や看護師に相談するといいでしょう。

 医師と患者の意思疎通がうなくいくことは、治療に大きなプラスになります。飲み忘れをうまく伝えられなということは、それ以外の症状や体調変化についてもうまく伝えられていないのではないか?と考えます。

 かかっている医療機関の看護師の場合、自分の所属先の医師の性格もある程度理解している可能性も高く、うまいこと医師と患者の人間関係を調整することには長けています。信頼できそうな人を選びましょう。

 薬剤師の場合、もともと疑義照会という薬剤師特有の業務で医師と接していますし、あとに書く調剤・製剤上の工夫や生活に合わせた服用時間の設定などの知識は薬剤師の専門性でもあります。

 薬剤師が何も出来ないわけではないということは、次の項目以降に書きます。

 

 

3.飲み忘れの原因や飲み忘れた薬によって解決方法はさまざま

  薬の飲み残しが起こるのは、いろいろな理由があります。

 ただ単に数回程度忘れる、というのは誰しも起こりえます。

 体の機能の低下によって飲めない場合 →飲めそうな剤形に変更する

 飲み込む機能が落ちた場合

 口の中で溶けやすい薬に変える→処方の書き方にもよりますが、薬剤師による判断も可能な場合があります。嚥下機能の低下により、口腔内崩壊錠にしたことは医師に報告するのが望ましいです。

 

散剤にしてゼリーと混ぜて飲み込みやすい形にするなど、、薬剤師の服薬指導でなんとかなる場合もあります。この場合もトレーシングレポートの対象です。

 

 生活リズムと服用時点が異なる場合 

 1日3回食べない人に毎食後に薬が出る場合

 その薬が食事に影響する薬かどうかで変わってきます。

2交代制の人に「夜寝る前の処方」→処方する薬の選定と、服用時間の詳細な説明が必要です。

 

 薬が高くて調節してしまう→安い薬への変更

 

副作用がもとでのめない 効果とのバランスで処方が変わります。

患者が飲みたくないと言っている→医療者との関係が悪い場合もあるので、話し合いです。

 

 薬剤師による調剤の工夫でなんとかなる場合と、処方そのものを変える必要がある場合で対応は異なってきます。最初に薬剤師に聞くと解決方法を提案してくれます。

 

 その場合の、薬剤師の対応で必要になるのは、

 医師の報告が必要な場合は、なぜ必要なのかを説明することと思います。

「1日2回だと飲み忘れる」場合、1日1回の薬に変えるなどする場合は、処方の変更が必要です。それは、医師の指示が必要です。薬剤師による対応で解決できそうな場合でもなぜ、それで解決するのか説明をしましょう。

 

 医療車に求められることは、正論でぶん殴らないこと。

医療者が患者さんに対して薬を飲めてないことを責めると、正直に話さなくなったり、優しく対処してくれるトンデモ医療に走る可能性があります。これらは、いずれも患者さんのためではありません。どんなことはあっても責めないのは医療者のメンタルが削られることもありますが、頭ごなしに叱った場合のリスクを想像すると、正論でぶん殴るのを引っ込めたほうがいい場合もあります。

 

補足:テレビ局に意見を出しました。

番組中、「飲み残しを薬局に申し出れば返金される」とありましたが、これは誤りなので訂正お願いします。そのような法既定は存在しません。

飲み残した場合の対処は薬によって変わります。
いずれにしても医師の立てた診断及び治療計画を患者が遂行できなかったことになります。

生活習慣病など、長期的に治療する疾患の場合は必ず医師に飲めなかったことを報告しましょう。別に患者を非難するためではありません。
医師自身が立てた計画が、患者にとって無理があった可能性があり、改良する必要があるからです。
薬が飲めない理由によっては、薬剤師の方がノウハウがある場合があります。

1.服用時点の工夫
生活に合った服用時点を提案する。
例えば、昼に飲み忘れやすい場合は、薬を飲む時間をずらせば解決する場合や、1日2回の薬にするなど方法はたくさんあります。

2.製剤の工夫
嚥下機能の低下などで飲めない場合、錠剤を口の中で溶けやすいものにしたり、
散剤にする。

3.患者さんの病識や病気に対する不安がある場合
医療者や介護者で話し合う必要があります。この場合は薬剤師でなくても解決できる可能性があります。

いずれにしても、薬を飲み忘れたことを医師に言うと叱られるから内密にして欲しい、というのは難しいです。チーム医療の中には、患者も主要なメンバーになります。本来は、医療者が患者に威圧感を与えるようなことがあってはいけ混ません。相互信頼の関係で治療は行われているので、患者さんも嘘をつかないでいただければ幸いです。
隠したくなる気持ちはわかりますし、つい飲み忘れることが有るのは百も承知です。

患者の側である視聴者に甘いことを言わず、誠実に番組を作っていただきたいと思います。

 

 

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

カウンセリング化粧品をカウンセリングで購入するメリット

 今回の記事は、一見薬剤師業界とは関係のない記事構成になっています。

 

 いわゆる「カウンセリング化粧品」をドラッグストアで自分で選ぶことが一般的になってどれほど時間が経過しただろうか。

 

 「買うのを強制される」「似合わないものを勧められた」といった、カウンセリング化粧品の販売スタッフに対する不満の声を聞く。

 

 いや待てよ?「似合っている」と思うのは自分だけで、もっといい商品があるかもしれない。

 そうじゃないんだ、自分がやりたいことをしていればそれで幸せなんだ、他人の評価は関係ない、という意見もある。

 確かに化粧品は効果があるわけではない。肌に浸透するなんて実際にはない。(あっても角質層まで)だからといって無駄ではないと考える人もいる。無駄と考える人もいる。自分に対する武装でもある。化粧したという事実があるから、外に強気でいられる人もいる。

 

 私は、カウンセリングを受けながら化粧品を買う。自分ではその化粧品が似合っているのかどうかわからない頃からの付き合いだ。同時に、カウンセリングを受けないで化粧品を買うこともある。この場合はほとんど基礎化粧品だ。

 年齢とともに、似合う(もしくは肌に合う)化粧品は変わってくる。顔のパーツの一や肌の色、髪の色。その時時に合うものを選ぼうと考えるとカウンセリングは有用だ。

傷ついた細胞を修復するなどの化粧品の売り文句は信用しちゃいないが。それでも、肌に害を与えない化粧品を選びたい。年に数日かさかさになる程度の肌でもなるべく良い状態を保ちたい。

 他人の意見を取り入れながら、自分が使いたいものと折り合いをつけて購入するプロセスを経る場合もあれば、自分が使いたいという欲求をそのままぶつけて購入する場合もある。(店頭や通販)

 そのプロセスを選べるのは、化粧品が肌に強く働きかけないからだ。

 これが、医薬品のように体に強く影響を与えるものだったら自分ひとりで選べるか?そこまでの知識が自分にはあるか?自分の選択を受け入れて薬による有害事象を受け入れ、訴えることをしない自信があるか?

 ハッキリ言って、ない。

 自分の知識だけで買える自信はない。

 

 医薬品を通販で買えるほどの知識を持っていないことは、薬や病気の勉強をすればするほど痛感する。人に任せたほうがいいこともある。

 

 専門家の意見を聞いて、信頼のバックボーンを得て、その中から自分の使いたいこのを選ぶのが満足な買い物になるのではないか。

これは、セルフメディケーションのあるべき姿でもある。

 では、自分で選択できない処方箋調剤で「自分で選んだ」のと同じぐらいの満足を与えるにはどうすればいいか?効果的で簡単な使用方法の提案?カスタマイズされた使用方法の提案?

 

 化粧品に話を戻そう。

 年とともに似合うメイクの色も変わるし、そもそもの流行も変わっていく。カウンセリングをたまに受けて、時代の傾向と自分に似合うものの変遷を確認するのもいいだろう。案外自分では想定していない色が似合ったりもする。自分で買って似合わなかったり合わなかったりしても、自分は間違っていない、これで似合うんだと思いこんで使うも個人の選択だ。(店員との接客を嫌がる人は、自分で選んで買って失敗しても、それを失敗と認めないことも往々にしてある。失敗だったとしても反省しないことも多い。それだけ、自分で好きなものを選んだということは満足感を与える。)

 

 自分がカウンセリングを受ける場合、科学的根拠のない話はスルーしたふりをし、商品提案には耳を貸す。そして、使用後の感想を伝える。

 

 うまい販売員は、自分で選んだという感触を与える。個人の顔によって異なる使用方法を提案する。その商品を使えば確実に良くなるという印象を与える。買わされたという印象は与えない。

 

 店の人にも提案したい。

 個人の顔に応じた商品提案や、使用テクニックを教える技術があることを全面に押し出してほしいし、それを発揮して欲しい。そして、自社の販売チャネルの異なる商品の知識もつけて欲しい。願わくば他社も。

 

 そして、カウンセリングされた場合、店員から買うのを強要されると認識している人に効果的な方法がある。ココに提案する。

1.肌に合うか確認したい

2.一日塗ってどのような経過をたどるのか見てから買いたい

 これでカウンセリングを受けても購入しないで待つことが出来る。ほんとうに肌に合うかどうかは長時間つけていないとわからないこともあるし、日中の活動によってどの程度化粧が取れるかも自分につけてみないとわからない。それは販売している人もよくわかっているのでその場での購入は強制しない。(これらの発言をしても購入を強制するかどうかで販売員の質を見極めてもいい)

 

ただし、この場合は購入するならそのカウンセリングを受けた店で買おう。定価であっても、商品+カスタマイズされた使用方法の提案という価値があるのだから。

 

 

 

 

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村