同じ成分の医薬品が、商品名を変えて発売される。
あるんです、これが。
過去にあった事例
「ビグアナイド系経口糖尿病薬メルビンをメトグルコの名前で新薬として発売」
これは、世界的な投与量の基準を大きく下回った服用量が適応されていた「メルビン」を新薬として発売させることで、高用量での臨床試験費用を捻出できるようにするためでした。(この時既にメルビンの薬価は安くなっていた)メルビンは販売中止になっていますが、グリコラン錠はまだ販売されています。
メトグルコ(=後発ではメトホルミンMT)の用量
1日500mgより開始→増量して通常1日750~1,500mg(1日最大用量2,250mg)
グリコラン(=後発ではメトホルミン)の用量
1日500mgより開始→増量 (1日最大用量750mg)
メトグルコには高齢者用量や10歳以上の小児への投与量の設定がありますが、グリコランにはありません。(腎機能の定価の面から、高齢者に対する投与は慎重であるべき薬です)
今回の事例
もともとは勃起不全治療薬(シアリス)、前立腺肥大症治療薬(アボルブ)として販売していた薬を、適応症を変えて出すに当たり、保険適応が向く(向かない)適応症だったため、適切な処方を図るべく名前を変えて販売した、というものです。
「同じ名前だとなんの不都合があるの?」
このような疑問が起こるのも自然だよなあ( ^ω^)・・・
「男性型脱毛症」や「勃起不全」は生活を改善する症状なので、そこまで健康保険で出していたら保険破綻するわ! 同じ名前の薬だと「実際は勃起不全で処方したのに前立腺肥大による排尿障害」というふうにレセプト切って処方する医師が出てくる(それを止められない薬剤師も出てくる→ああ申し訳ない)のを避けるためです。
人が絡むとシステムをぶち破る人が出てくるので、最初からシステム(法)で禁止しておくのが問題が発生しにくい、という考えには同意します。
★シアリス→ザルティア
勃起不全治療薬(シアリス)→前立腺肥大症に伴う排尿障害(ザルティア)
用量
シアリス:通常1回10mgを性行為の1時間前に服用
ザルティア:通常、成人には1日1回5mgを服用
いずれの薬も、腎機能障害の患者への服用量設定があります(減量)
販売開始
シアリス 2007年9月 ザルティア 2014年4月
★アボルブ→ザガーロ
前立腺肥大症治療薬(アボルブ)→ザガーロ(男性型脱毛症治療薬)
アボルブ: 通常、成人には1回0.5mgを1日1回経口投与する。
ザガーロ:男性成人には、通常0.1mgを 1 日1 回経口投与する。
なお、必要に応じて0.5mgを 1 日 1 回経口投与する
販売開始
アボルブ:2009年9月4日 ザガーロ:2016年6月13日
こちらの2種、いずれも男性にのみ投与される薬ですね。
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