「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

保険診療ですぐさま治療にかかわらない薬を出すことに何があかんのか

 業務で。本編の治療と関係のない処方を見ることがあります。

・SARS-COV2のmRNAワクチン接種時の副反応対策としての解熱鎮痛剤処方

・ついでのビタミン剤処方(皮膚科の場合はグレーゾーンという認識です。皮膚の疾患がもとでメンタルを病んでしまい、精神科で治療を受ける人もいるため)

・慢性的な痛みによる湿布の処方

市販薬を飲むことがある、と患者が言ったら「出してあげるよ」と医師が処方する。

これは「患者の飲む薬も何であるか全て把握したい(よそで適当に買わないようにする)」「間違った医療を行うのが許せない」という職業意識から来るのだと思われます。

 保険財政的には非常に問題のあることです。

医療費の財源の50%が社会保険料 40%が税金です。

ソース:

年金や医療や介護にどれくらいお金が使われてる?社会保障費の財源内訳 | 税金・社会保障教育

患者さん以外の人が支払ったお金が9割を超えます。特に、税金から補填される部分が増えることが問題です。医療費以外のことにもしかしたら使えたかもしれない税金を本筋の治療とは関係のないものに使われるわけです。

 

 自費なら問題はありませんが、混合医療は禁止されています。妥協策としては「市販薬のこの成分を使用するように」という指示をだすことです。

 例えば、「ソフトサンティア」という防腐剤なしの涙液成分の目薬を使ってほしい場合には指示書を発行し、患者に渡す方法があります。これを他の医薬品にも適応すればいいと考えます。ただし、直接販売しないことです。

 ただ、患者の中には専門家のアドバイスに耳を貸さず医療としては有害だったり不適切な薬の使い方をする人がいます。そういう人を制御する上でも「この薬がなくなったら治療を受ける」という習慣付けのために薬を処方する事例もあります。医療としては間違っているのですが、より間違った方向に向かわないための苦肉の策のことも少なからずあります。人間なので仕方ないです。 正しいだけでは動かない、人間の性です。

 しかし、あまり医師が「正しい医療の支配下」におくのも人生楽しいのかという問題もあります。医師が医学的正しさを求めるために他人の人生を左右させていいのかという疑問もあります。

 

 

 

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