「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

がん治療に対するここ最近のテレビ番組について(1)

 今回は、がん治療に関する番組を見た印象について2つの記事に分けてお伝えします。

 

1.「ミヤネ屋」(9/22)

 放送している事実については踏み込んだ内容です。

現在行われているがん治療

標準治療とは何か

自由診療とは何が違うの?

怪しいがん治療を行っている自由診療のクリニックの見分け方と対処法

 専門の医師の方を中継でお呼びして解説する形式を取っています。

 問題はスタジオの出演者と番組の流れでした。

 2時台後半からコーナーが始まり、ニュースを挟んでお伝えするというもの。番組が肝いりで放送したいけれどいかんせん内容が硬いので、途中のニュースで頭を休ませる形を取ったのでしょう。視聴者にとってはブレイクできるので安心なのですが、医師の方にとっては忙しい時間の合間の出演なのに待たされるのはいい気分ではなかったと推測します。それでもいいから、正しいことをお知らせしたい、患者さんの命を守りたいという使命感があったのではないでしょうか。

 先生の解説はよかったです。わかりやすく、それでいて折れないところでは折れないものでした。

 重粒子線治療に関しては、保険で行われている放射線治療で対応できるとバッサリ。

 「標準治療こそ、科学的根拠をもって効果があると認められた治療方法である」

 「(自由診療は)効果を認められたいのであれば、臨床研究をするべき」

医療に、そして患者さんに誠実でありたいと嘘を言わず、本当のことをはっきりという姿勢は崩さないどころかだんだん強くなっていっていました。

 それに対し、スタジオのコメンテーターの方は、「でも、後悔したくないし、試してみたいじゃないですか」とか「とにかく治せそうなら治したい」と素直な感情をぶつけていました。医師が説明しても、「でも、でも」と聞く姿勢が終始見られなかったのが残念でした。

 

 さらに、途中でとある議員の地元説明会の中継をはさみ、先生の時間を奪ってしまっていることでした。その説明会は後でも放送できるのではないでしょうか。(本題と外れますが、「法律的に悪いことをしていないのだから、謝らなくていい。子育て政策でもいいことをしているのだから、国政の中心にいてほしい」と話す方がいるなど、終始議員をかばうモードでした。だった他余計に放送しないで、国民の忘却の彼方に持っていけばいいのに)

 

 ただし、宮根さんの発言でよかったのが、がん治療の自由診療を行っているクリニックに取材したものの取材拒否されたことを受けて「正しいんだったらテレビに出て答えたらいいんじゃないでしょうか」というものです。

 

2.NHKBS「がんを生きる新常識」

 途中までしか見ておりません。

 こちらは、実際にがんになって治療を行った医師を何名かスタジオに呼んでどういう治療を行ったのか放送するものでした。

 こちらも、標準治療と自由診療を同列に扱うという点では疑問の残る内容でした。

スタジオ出演の医師の皆さんも「効くかどうかはっきりしないものに大金を払うのは意味がない」「エビデンスがないものにお金を支払うのは無駄」とおっしゃっていました。

 それに対し、出演の芸能人の方は「患者に寄り添ってほしい」とか「可能性があるなら試したい」という素直な感情をぶつけていました。視聴者の中にはこういった感情を表に出せず悶々としている方もいるでしょう。それを言葉にできて、主治医に伝えられるだけでも少しは前にすすめるのかもしれません。そういうところの掘り起こしのために芸能人を呼んだのでしょう。

 特に、元プロボクサーの方はもともと勝ち気な性格にもかかわらず、ガン宣告された後は「シュンとなって、(医師が上から目線で喋るのに)やり返せなかった」とのことです。

 自分の思いを言葉にする習慣や技術がないので伝えられない

 思いはあるけど、人に嫌われるのを極度に恐れて伝えられない

それを伝えたらいいと思います。

 

 

 

 

 

がんのことで気になる方は後編掲載の3.の番組でも紹介されたこちらのサイトをご覧になってください!

(むしろここだけでいいです)

 

国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向け

http://ganjoho.jp/public/index.html

がんのことで直接相談できる窓口も紹介しています。

直接話しをしたい場合はこちらのサイトで調べて窓口にご連絡ください。

 

こちらに掲載されていない病院でも行われている場合があるので、大きな病院にある医療相談の窓口で相談する方法もありです。

例)大阪にある北野病院の場合

がん相談支援センター|北野病院

 東京にある三井記念病院の場合

www.mitsuihosp.or.jp

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

服薬指導後の薬を配送?

www.meti.go.jp

 

これについて、当ブログでも解説します。

当ブログでは「これにより新しいビジネスが〰」とか「これはネット処方箋→薬の配送への布石だ」という意識の高い人たちの高名な推測を一切無視して、現実的な側面より解説します。著者が難しい言葉を使うのが嫌い(難しい言葉を知らない)なので、簡単な言葉で説明します。

 

1.どういうことか?

処方箋原本を実際に薬局に提出する

薬の適切な服用に必要な情報収集と薬の使用方法の説明を一通り行う

処方箋の記載内容に疑義がないことを確認する(この処方内容でOK)

そのうえで、患者さんに後日薬を配送もしくは郵送する

というものです。

 

2.何が問題か?

 薬を適切な時期に飲み始めることができるか?

 風邪などの急性疾患や

 治療スケジュールの決まっている薬

 手元に薬が全く無く、早く飲み始めた方がいい疾患

 の場合、配送することで起こるタイムラグは避けたいです。

 

 このような場合は、後日配送という手段は取れません。

どうしてもの場合は、当日中に届けることになりますので、近隣の方へのサービスになるのが現実的です。

 

 また、慢性疾患で継続して飲んでいる薬であっても、

 患者と宅配業者のスケジュールの都合がつかず、手元にある薬が切れるまでに薬を受け取れない場合も発生します。

 

 さらに、薬によっては保管に配慮の必要なものや、誤配や紛失すると犯罪に使われる恐れのあるものがあります。

 

 受取に関するリスク対策としては

患者都合でポストに配達→受け取った時点で患者が連絡するもしくは送り主が電話確認をする

もともと配達した記録の残るシステムを使う

方法が挙げられます。

 

 誤配リスクについて

 個人情報保護法で定められた「要配慮個人情報」にあたるので、慎重にしなければなりません。

 1.宅配便を使わず、自社の社員による配送、患者個人への手渡しに限定する

→これは、品質の維持にもつながります。薬剤師による配送中の保管方法の指導、及び管理体制の制度化を行えば薬剤師以外の配送も可能と判断します。

 2.配送伝票の宛名を患者本人に書いてもらい、配送用の包装をその場で作る。薬を入れる時は複数で確認

 3.受取の確認電話を必須とする。どの配送方法であっても、受け取った後に電話をかけて直接受け取ったか確認する。携帯電話が普及してだいぶやりやすくなりました。次は、メッセージソフトの利用など、お互いの時間を奪わない方法の開発でしょうか。

 

品質の維持

 厳密な管理の必要な薬は配送の対象外とする。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の第一条に抵触してしまいます。これに触れない範囲の品質維持をしないといけません。いいかえれば、患者の手に渡るまでの品質の保証がされない配送はしてはなりません。

 

 第一条  この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。

 

3.費用について

 欠品していない場合など、患者都合によるものは患者負担でいいと考えます。勿論、送料無料サービスは適応させない。

 また、届ける場合も届けた人に対する人件費は発生しているの手数料を取るべきと考えます。

 

 4.配送業者の限界

 現時点で、通販での買い物が増えて配送業者も一杯一杯になっています。それに、誤配できない上に品質管理の必要なものを配送する手間が増えるのは大変ではないでしょうか。

 むしろ、ネットスーパーのように自社内に配送スタッフを持つほうが現実的と考えます。

 受け取る側の問題もあります。

 指定した時間帯に家にいない(いることができなかった)

 家に帰っていても、宅配ボックスやポストを開けない

 →結果として宅配ボックスが満杯になり、配送することが出来ない。

 このようなことがないように協力お願いします。特に、集合住宅の宅配ボックスは他の居住者と共有のものです。帰宅する際には必ず確認しましょう。

 

5.なぜ、この回答が経済産業省からあったのか?

 

産業競争力強化法に基づく「グレーゾーン解消制度」は、事業に対する規制の適用の有無を、事業者が照会することができる制度です。

事業者が新事業活動を行うに先立ち、あらかじめ規制の適用の有無について、政府に照会し、事業所管大臣から規制所管大臣への確認を経て、規制の適用の有無について、回答するものです(本件の場合、事業所管大臣は経済産業大臣、規制所管大臣は厚生労働大臣となります)。

 薬局を運営している事業者(たぶん、メディシス社が「在宅療養の患者向けに重い栄養剤やおむつを薬剤師による訪問の後に配達するビジネスのために質問したと思われます)問い合わせしたので、厚生労働省に確認した上でこのような見解をしています。もともとこういう制度です。はいこの件はおしまい。陰謀論や先のビジネスなどの意識高い系の意見はカット!解説するブログです!

 

 

 直接薬局で受け取って帰るのが一番早く確実に用事が完結する上に情報漏えいリスクが小さいので、相当時間のかかるものであっても、配送サービスを使わないほうが色々トラブルがありません。薬剤師としても直接渡すのが一番安全です。

 一包化など時間のかかるものについては、出来次第患者宅に持参する、出来次第取りに行くなど直接渡せるに越した事はありません。そのような薬の場合は、自宅の近くの薬局で調剤してもらうことを強くおすすめします。(薬の品質も維持できますし、患者に渡せたことを人の目で確認できます)

 立ち寄りやすいところにかかりつけ薬局を!

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

正しい情報の扱い方

 

 某有名健康食品(機能性食品として認められている)のテレビCMを見て、

「これ高くね? これに支払うお金があったらスポーツジムの費用出せるよ」と思ったので、軽い気持ちでその商品の公式サイトを検索しました。

 すると、有効成分の効果を示す根拠となった論文が紹介されていました。

 

 速攻で検索しました。

www.ncbi.nlm.nih.gov

PMID: 24153020 

 英語ワカランチンなので、速攻でgoogle chromeの翻訳機能を使用。

P:関節炎の既往歴がなく、安静時の関節痛がないが、身体活動と関節の不快感を経験した健常者(標準化された運動試験をして膝の痛みを感じた人)

E:非変性Ⅱ型コラーゲン製剤の服用

C:プラセボ

O:平均膝伸展の改善はあったか

ちゃんとランダム化比較試験となっています。(症例数が少ない気も)

製品による有害事象は発生せず。(有害事象の発生はあったが、プラセボでも起こっている)

 この実験、色々検討されていますが、有意差がなかったもの

1.運動後、最初の関節痛が発症するまでの時間

2.最も痛い関節痛が発症するまでの時間

3.膝関節の痛みの初期改善までの時間

4.膝関節痛の完全な消失までの時間

5.6分間の歩行歩数、1日の歩行歩数

しかも基準もしっかり定義しています。

 

痛い時に痛み止めを飲んでるのでは?と思った方もいると思います。

飲んじゃいけない薬及びサプリメントのリストを被験者に配り、報告させています。

きちんとした研究がなされていますし、読みやすい論文でした。

 

 しかし、この研究結果を元に出された広告の出し方には突っ込みどころがあります。

 研究では 「関節炎の既往のない、運動後に膝の痛みを感じる人」が対象でした。広告では「膝関節の動きが気になる人」という括りになっていました。効能に関しては正確に「膝の可動域を広げる」とありました。

  自分が飲んで効果が期待される人かどうか、わかりにくい記載です。

 既に膝が痛い人や関節炎を起こした人に対して、この論文の結果は該当しません。

 可動域を広げる効能のみの健康食品に、月1万円を支払う価値があるか?と立ち止まって考えましょう。膝の曲げ伸ばしだけが日常生活なのか、関節の動きだけで足の運動は完結するのか。

 整形外科に相談すると、専門的な解説を得られるでしょう。相談した方個人の状況に合った解説がされると思います。(自分にあったアドバイスはネットでは得られません)

 

広告の見せ方としてどうかとは思います。効果がある対象が(今のところ)限定されるものの扱いは慎重にしてほしいと考えます。

論文に書かれたからといって、すぐさま正しいと考えるのは早計です。

 対象となる人は誰か

 対象となる症状は何か

に自分の症状があてはまるかどうかをまずは吟味しなければなりません。

 正しい情報であっても、載せ方によっては不適切になりかねないという事例でした。

 

なお、同じメーカーのヒアルロン酸に関する研究の論文


鶏冠由来ヒアルロン酸含有加工食品の膝関節の自覚症状に対する
長期摂取時の有効性および安全性の評価
―プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験―

 Jpn Pharmacol Ther 2016 44(2)207-17

こちらについては資料がないので判断は保留。

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

薬剤師ブロガーが集まってきたよ

こんばんは。

先日、

 

miyaq.hatenablog.com

 で薬剤師のブロガーを募ったところ、早速記事を書いた方がいらっしゃるので紹介します。みなさん「記事の書き方」について書いておりますので参考になさってはどうでしょうか。

 

www.yossy-ph.com

現場の薬剤師のよっしーさんのブログ。

正確な情報提供をしつつも、人の目を引きやすい記事にするために実践することが書かれています。人目につくようにマメな更新にする方法を選び、いろいろ工夫したことも書かれています。

 

 薬剤師ときどき父(やくちち)さんのブログ。

「やくちち」と検索すると一番に出てきますよ!

yakuzaishi.xn--tckwe

yakuzaishi.xn--tckwe

味見体験や後発品情報をマメな更新で書いてくださるブログです。

実体験物が多いので、かゆいところに手が届く内容ですね。あと、言葉遣いもきつくないので読みやすい。

 

なお、当ブログは「はてなブログ」(Pro)です。広告が入っておりません。

(自分で広告を入れることが出来ます)

hatenablog.com

こんな機能です。維持するためのお金自分で払っております。

 

 

オチに使わせてもらおうw

黒の薬剤師会

このタイトルの時点で突っ込みたくなります。

しかし、ちゃんとした記事を書いているのですよ。JJCLIPのまとめなんてすげえよこれ。

ph-lelouch.com

ブログを書くに当たり、敷居を非常に低くなるよう呼びかけております。

人の道に反しなければ

「今日学んだこと」という数行の内容でもOK。(患者情報は外して)

「新発売商品情報」とか「包装変更」「発売中止」でもOK。(むしろ個人薬局では毎日製薬会社のサイトを巡回しないと入手できないような事柄なので、それだけを上げていくブログがあれば大助かりです)

 

そんなことを言っていたら医療に関するネット記事に関する大きなニュースが入ってきました。

www.buzzfeed.com

バズフィードジャパンが提供する医療情報専門サイトです。「信頼でき、わかりやすく、患者の心に寄り添う記事」を配信していくとのことです。ここを見れば全部わかるから医療従事者がブログを書く必要はないという考えになりがちですが、グーグル検索の最初のページすべてを正確な記事にしようと思えば、正確な記事の発信者はたくさんいるに越したことはありません。一つのサイトだけであらゆる分野の情報を網羅することは不可能です。

 

www.buzzfeed.com

 こちらの記事でもあるように、「正確な情報にたどり着く方法」を解説することも一つの手法と考えます。

 こういったところで記事をかけるようになればいいなとは思っています。

 

  

 色々記事の書き方があるので、躊躇なく発信してはどうでしょう?

 諸事情で本名を出せなくても書ける(ただし、記事の信頼性は必須)のがブログの良いところです。

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

薬剤師ブロガー集まれ!

 表題のとおりでございます。

 

 そもそも、くすりやが現場で考えたこととしてこのブログを立ち上げました。

医療を提供する側と提供を受ける側でのギャップが少しでも縮まればいい

医療に対するまっとうな情報を提供したい

という願いを持って現在はこのブログを運営しています。

 しかし、少ない人数では伝わりきりません。

 そこで、情報を伝達している側の人が連携するのもありなのではないかと考えます。

 バーチャルなつながりならば

  お互いのブログの紹介

  ブログの書き方を紹介するブログを書いて、それを紹介して新規ブロガーを集める。

 ブロガーを集めたサイトを作って「ここに認証されていることならば信用できる」という認識を広める。

 

 実際にあってつながるのならば、

 その場の話し合いで楽しいことが生まれてきそうです。

 ブログの書き方講座でも書籍やブログよりも実際にレクチャーしたほうがうまくなりそうですし。 

できることは色々あります。

 集まるメンバーによって、バーチャルな個人のつながりから新しいものを生み出せそうです。

 ただ、内輪受けだけに終わってしまうのは望んでいません。

 個人的に他のブロガーの方がどんなふうに記事を書いているのが気になります(笑)

 

 薬剤師がブログで情報を提供するメリット

1.間違った情報に振り回されてやってくる人が減る

 →薬局のカウンターでの情報提供における負担が少しだけ軽くなる。

 →間違った情報による健康被害が減る。

2.情報提供の範囲が格段に広がる。

→薬局に来ない、来る暇もない人にもネットで検索で調べることができる。

→これから、行政にとって負担になるのは「孤立化した人への対応」なので、そういう人でもブログなら見る可能性があります。

 

 検索しても、まっとうな医療情報の方が多ければ、根拠のない医療情報のサイトがあっても「この人は異端だ」で済ませることはできる可能性が高くなります。それでも100%ではありません。まっとうでない情報を掲載するのを禁止するのがいいのですが、容易ではありません。心身ともに弱っているところに共感的な言葉を見聞きしたらそっちに行ってしまうのは自然なことです。弱っているところにつけこんでお金を儲けようとする人は雨後の筍のように出てきます。お金と名声を強く求める人、お金と名声のためなら人の道に反したことでも容易にできてしまう人は少なくありません。

 共感を得る言葉がけを強く求めるのであれば、対面のほうが向いていると考えます。

しかし、対面が苦手な薬剤師もいます。また、対面が苦手な患者もいます。彼らを適切な距離にするのがネットの特徴です。

 それぞれが得意な方法で情報を提供したり、情報を得ることができれば、自分の好きな方法で健康被害を避けることができるのではないでしょうか。

 

 

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

副鼻腔炎受診体験記

 先日、副鼻腔炎をこじらせて耳鼻科を受診しました。

 受診のきっかけは、実家のトイレが臭わなかったことです。

 

もともと後鼻漏がもとで咳が出ていて、それがおさまっても臭いが戻らない感覚はありました。しかし、お恥ずかしいことにあまり気にならなかったので放置していました。

 過去に実家に行った時は、トイレが非常に臭ったのです。猫を飼っていて、猫のトイレの汚れもトイレに流しておりますので、臭わないほうがおかしい状況です。それなのに臭わなかった。これはまずい。

 早速受診したところ、

「少し鼻水が出ている。鼻水が喉に降りている。薬を5日間出しときます。飲んだら治るでしょうから、飲んでよくならなかったらまた来て」

と医師に言われました。

ここで気になったことを挙げます。

 薬を飲んだらいつ治るのか?

 次回受診する場合、いつまで判断すればいいのか?

と思いました。

 でも、これぐらいの簡単な説明になってしまうことも多いですね。端的に説明したほうが頭に入ります。

 

 「少しでも気になるなら受診して」という説明のほうがわかりやすい患者さんもいますね。実際に効果が出ていないのか副作用なのか別の疾患なのか素人目にはわかりませんし、それを判断する技能があると認められているのが医師なのです。

 この説明の時点では、飲んでいる途中に何か起こるかもしれない、というのは思いだにもしません。 

 

 その後、薬局に行きました。処方箋の用法で飲めそうな生活を送っていましたし、初診で問診を書いた上にお薬手帳を出していたので、あまり説明がなくても何とも思いませんでした。大抵の人は食事をある程度の感覚を開けて飲んでいるため、食事が取れなかった時の対応はその時点では想定していないと感じました。

処方元の説明で薬を飲みきる必要性があることはわかっています。 受診した時刻もちょうど昼食前であったため、昼食食べたら飲むのだという認識はできていました。

 

それを踏まえた上で説明すると嬉しいのは

初回問診票、お薬手帳を確認した旨伝えてほしい。

(食事と外れた時間に薬局に来た場合)今日はいつ飲めばいいのか。

食事を3食取れているかどうかの確認→服用時間の設定
(1日2回のむ薬の場合はそれが朝晩なのかどうか)

この説明で薬を飲めそうか。

です。

 

 これを踏まえて、上記の処方医の診断が変わってくる可能性がある基準を説明してくれるとなおいいなと感じました。副作用のことなど想定の範囲外にあるので、説明するのが難しいと感じました。しかし、これも医師の診断が変わってくる事柄なので、服用途中の体調変化の一つとして紹介すると不安は軽減されるのではないかと考えました。

 

 その後

薬を飲んでいるうちに明らかに症状は軽快し、飲みきった時点で完治はしていないもののだいぶ匂いを感じることができるようになりました。服用終了後も良くなっている実感があるので、受診しなくていいと判断し、現在に至っています。

 

 

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

妊娠中の葉酸摂取が小児喘息に関連する?

最初に現時点での結論から。

現時点では関連があるとはいえない。

ただ、限られた数のデータしかないので、さらなる研究が必要。

 

ソースはこの論文。

Prenatal folic acid and risk of asthma in children: a systematic review and meta-analysis.

PMID: 24004895

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

こちらの研究で服用されている葉酸サプリメントの量が400μg程度ということで、一般的に販売されているサプリメントに含まれている葉酸の量です。

 こちらの研究は、類似の研究のデータを纏めて分析し、本当に「この結果でよいか」と検討するタイプの研究です。(メタアナリシス)

 こちらの研究でまとめられた研究のうちの一つで、

Folic acid supplements in pregnancy and early childhood respiratory health.

www.ncbi.nlm.nih.gov

「妊娠初期の葉酸摂取で、小児の時期での呼吸器感染症および喘鳴のリスクがわずかに上がる(ただし、その全てが慢性化するものではない)。」とあります。ノルウェーの研究。

 しかも、そのメカニズムもある程度わかっています。

 小児におけるこれらの疾患は、よくあるもので、大抵は一時的なものなのですが、心配な人にとっては心配なものです。

 ただ、葉酸摂取で得られるメリットは大きいです。(神経管閉鎖障害のリスク軽減)

 

 それを含めても、最初に紹介したメタアナリシスでは「関連があるとは言えないが、さらなる研究が必要」とあります。

 

 さらなる研究は大変でしょうね。我が子の健康をかけて研究に参加する人が出てくるのかという問題がありますし。

 

参考にしたサイト

 

国立健康・栄養研究所 「健康食品の安全性・有効性情報」葉酸

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail652.html


平成 15 年度厚生労働科学研究費(効果的医療技術の確立推進臨床研究事業) 日本人の水溶性ビタミン必要量に関する基礎的研究

http://www.shc.usp.ac.jp/shibata/4-7.pdf

胎児の正常な発育に役立つ「葉酸」を摂取できるとうたった健康食品 国民生活センター

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110526_1.html

神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性
等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について

http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1212/h1228-1_18.html

 

www.afpbb.com

 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は米国医療研究・品質調査機構(AHRQ)の独立委員会で、検診や予防医療の研究レビューを行って米国政府の推奨グレードを作成します。

 

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村