「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

保湿剤の適量

 保湿剤を塗ると、すぐになくなりませんか?

肌がテカテカに見えるぐらいが適量です。

塗り過ぎを気にして皮膚をこするのも肌によろしくないので、1回スッと伸ばす程度の使用量で概ねOKです。(薬によっては刷り込むよう指示がある場合があるので、その指示に従いましょう。)

 保湿剤はそれより多めの使用量でも構いません。白色ワセリンは硬いので一旦手で伸ばして塗るか、少しお風呂の湯で温めて柔らかくするといいでしょう。(レンジでチンして温めるのはおすすめしません)冬でも常温保存にしましょう。

www.maruho.co.jp

体表面積を計算できるサイトです。

それぞれの計算式の特徴

keisan.casio.jp

それぞれの計算式の特徴

デュポア式

欧米人の成人に向いている。

デュ・ボアの式 - メディカルウェア

新谷式

日本人に適した式として提唱された。

藤本式

日本人の体表面積を計算するのに一般的に使われる。抗がん剤の用量設定など。

 

 

上のリンク掲載の表で大まかに計算すると

全身に保湿剤を1日2回塗った場合、30日で消費する量は

 3-6ヶ月 255g

1-2歳 405g

3-5歳 540g

6-10歳 735g

 

3歳以上はワセリン/プロペトの大きな容器(500g入り)で処方されても1ヶ月持たないのですね。

 

 今の時期、急激に空気が乾燥していきます。その時期に肌を掻いて肌が荒れてしまいがちです。保湿も立派な治療なので、ガンガン塗っていきましょう。お風呂上がりで血行が良くて塗りたがらない子供もいますが、4-5歳ぐらいからは塗る理由を説明すれば受け入れてもらいやすいです(塗ることのメリットを全面に出した説明→塗ると痒くならない、痛くないことを説明するといいです。そして体感してもらえば自分で塗るようになる場合も)

 

 

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短い時間で知識になる!「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」

今回は、「立てよ!薬剤師」プロジェクトにも参加したFizz-DIさんのブログの書籍化「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」を紹介します。

 

オススメ読者層

 新人薬剤師、実務実習前・中の学生及び指導者、事情で一旦仕事を休んでいる方

パートなど時間の制限のある働き方をしている人、ブランクが開いて現場復帰をした(したい)方、知識の更新を効率的にやりたい方

薬剤師以外の医療スタッフ

 ホンマに細切れにしか時間がない方でも読めますし、知識がつきます。

 

www.fizz-di.jp

www.yodosha.co.jp

丸善・淳久堂などのネット書店「honto」

honto.jp

紀伊国屋ネットストア

www.kinokuniya.co.jp

 価格が3800円+消費税で、1-2回研修に行った場合の参加費用+交通費でカバーできます。(なお、紀伊国屋とhontoでは送料が無料になる価格です)

 

読み方

 非常に読みやすいです。1つの項目が4-5ページ以内で済むので忙しい人でも読めます。書いてある内容が簡単に頭に入るよう工夫がされています。短い段落で一つ一つの項目が整理されているのも特徴です。読み物型式がが苦手で「実践薬学」を読むのが大変だった人も、こちらはコンパクトにまとまっているのでわかりやすいと思います。

 一度に1項目進まなくても、一つの段落を読めれば確実に前にすすめる知識がるきます。数行読めば必ず1つは知識が身につきます。なにこの承認欲求満たされ具合!スーパーマリオブラザーズのボーナスステージ並みにコイン取れまくりじゃないですか!

 少し読めば前に進んだ気がしますので、挫折しづらいのも利点です。1項目じっくり読めば、それらの知識を結合させることができます。

 

 

 

www.fizz-di.jp

書籍にもある「ロキソニン」とボルタレンの違いの記事です。

こちらの記事に加筆された内容が書籍化されているので、ブログを読めば書籍の構成をイメージしやすいと思います。忙しければ一つの段落だけでいいですし、疲れていれば図に集中してもいいのです。

 

どうやって活用しよう?

 書籍の内容を丸暗記して終わりにしないのが肝心です。

 参考文献が非常にわかりやすく記載しているのが本書の特徴です。文献のどの箇所を読めばこの情報を引き出せるのか、自分で考えてみましょう。

 わかった知識を他の医薬品(所属先の採用品など)に応用出来ないか検討しましょう。つまり、自分で「薬の比較と使い分け」を作るのです。その時に、自分はどう考えてこの答えになったか、残しておくとまた新製品が出ても過去の薬との比較ができます。

 インタビューフォームと添付文書で多くのことが解決するので、追加学習もお金がかからないのも本書の特徴です。

 

 書籍の文章を読めば明日すぐに役立ち、

 書かれている事柄の基本にある、情報の引き出し方を学べば普遍的な知識と技術になる

 一冊で二度以上美味しい「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」おすすめです!紙が軽いのでページ数の割には持ち運びも簡単です!

 

追伸

今度サインください! 

 

 

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これから医療情報ブログを書きたい方へ

 こんばんは。みやQです。

 まっとうな医療情報を提供したいと思う方へ、無理せず提供できる方法をお伝えるのが今回の記事の目的です。

 無理せず継続できる事が肝心です。

 

 対象を定める

 読者層の想定は「一般の人」を含めています。なるべく喋り言葉に近い言葉で書くようにしています。

 

 記事の信頼性を重視することから

 記事の信頼性を重視しましょう。きっちり調べ上げた記事なら、長きに渡って読まれます。

 引用した文献、一次資料を明示しましょう。当ブログが使っている「はてな」は引用や埋め込みの機能が充実しています。

 

 記事の更新頻度はあまり気にしない

 定期更新にしないと見てくれないとお思いかもしれません。だいたい1ヶ月に1回程度でいいと思います。よく調べたものは長いこと読めます。記事の寿命が長いです。

 といっても、記事の更新が半年に一回レベルになると読んでくれなくなります。当ブログのように「調べたこと」と「感じたこと」「解説」を掲載して更新回数を増やす方法もあります。調べる記事ばかりになると、引用文献を読むだけでしんどくなります。その場合は、自分が参加した勉強会の報告でもいいです。市販薬の解説でもいいです。

 予約投稿機能を使うと、定期的に記事を更新しているように見えます。最初に集中して記事を書いて、燃え尽きないようにするための手段にもなります。

 

 記事を書く以外の負担を軽減するなら

インターネットサービスが提供しているブログのプラットフォームを使うのが簡単です。ワードプレスなどを使うのは慣れてからでもいいと考えます。

 

 以上、簡単にまとめました。

 

 

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NHKニュースウオッチ9のがん治療特集について

 「明らかに正しくないものと、効果があるといろいろな場所で証明されているものを同列に扱うべきではない」

 

 今回は、NHKに対してはこれに尽きます。どうしても持っている知識と技術の上で医師と患者は不均衡なのは仕方ないです。だからといって、メディア(特にNHK)にとってのお客さんである患者さんにの肩を100%もつ報道のあり方はいかがなものかと思います。最終的に患者さんが望むのは、今よりいい状態になることであり、その場その場の感情のまま動いて納得することではありません。そして、それがかなわないとされたところで、仲違いとか混乱などが起こって患者さんが死んでも死にきれない状況にならないようにするように持っていく手助けをメディアはするべきではないでしょうか。

 

 ただ、インチキ代替療法に走る人の感情がわかったのは良かったです。

 「納得行かない。納得して行った医療を受けて死ぬのならそれを受け入れる」

患者さんの言葉です。

 生前、夫に代替療法を受けさせて、夫をがんで亡くした妻は言います。

「夫はその治療に乗り気ではなかったが、私がやりたいと願った。今思えば、夫は自分のことを思いやって治療を受けたのだ。治療している時に夫と向き合えていなかった。」

 

 納得したい。

 

 

 その場の感情に沿って、生きたい。

 自分のしたいことをしたい。

 自分を受け入れてほしい。

 根本にあるのはそんな本能なのでしょうね。

 

 最後のキャスターの言葉には怒りを覚えました。

「医療を施す側は、患者さんの気持ちに寄り添ってほしい」

 

 その「気持ちに寄り添う」は「患者さんの言うことに従う」という意味に捉えられたんです。希望を与える言葉をかけてほしいというのなら、納得するまで話し合いたいというのなら、それができる環境(場所、時間、人員、お金、時間・心身の余裕)を与えてほしいと思うのです。

 インチキ代替療法の場合、患者さんが次々に来る状況ではありません。予約制だったりして、時間的に余裕があり、自由診療でお金もある状況で、責任を取ろうという意志があまりないから甘い言葉を話すことができる。

 そういうことを頭において、医療を受けてほしいです。

 

 標準治療に血が通っていないわけではないです。患者さんの状況によってどのように治療をアレンジしていくかについてもやり方が確立され、進化を続けています。

 カウンセリングの部分に費用と時間を割けるようになれば、がん治療に限らず、信頼性の低い自由診療を受けて悪化する患者さんはだいぶ減るのではないでしょうか。

 

 

 

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立てよ、薬剤師プロジェクトは続く

10/6(金曜日)21:00に同時にアップしたブロガーの皆さんの記事です。

ph-lelouch.com

www.fizz-di.jp

blog.kumagaip.jp

blog.hidexp.net

drugstore.hatenablog.com

xn--y8j8gp40ggidz8shppfgfrm3b7bq.com

manabunoda.cocolog-nifty.com

yakuzaishi.xn--tckwe

www.yossy-ph.com

keisyuke-blogyakkyoku.xyz

ph-minimal.hatenablog.com

phmumu.blog79.fc2.com

このプロジェクトについて掲載した記事

熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」
薬剤師が正しい情報を発信し続ける重要性

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/kumagai/201710/553176.html

さらに続いて立ち上がった皆さん

zuratomo4.hatenablog.com

pharmacist753.hatenablog.com

cotsubu.info

blog.hidexp.net

wruskniph.blog.fc2.com

 

随時追加予定なので、薬剤師の情報発信の必要性について書いた記事があればお知らせください。


 

 

 

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インターネットで医療情報を検索するとえらいことになった

 今回は、インターネット上の医療情報を検索するのはいかに難しいかについて記事を書きます。

 最近、Googleで医療情報を検索するとまっとうな情報にアクセスしやすくなりました。やはり、昨年のWELQ問題(真偽が定まっていない医療方法を掲載したとして、サービス自体を止める羽目になった)でGoogleも「まっとうな情報を載せないと会社の信用に関わる」と思ったのでしょう。

 

「花粉症」で検索しました。

f:id:miyaq:20171001080013p:plain

 

  花粉症の薬を発売しているメーカーのサイトが上位に来ています。

公共機関よりは信頼度は落ちるとはいえ、全くの嘘は掲載していません。

 疾患名単独で検索すると、個人のブログなどは上位に上がりにくくなりました。去年までは当ブログも「ノルレボ錠0.75mg」で検索すると

 

miyaq.hatenablog.com

 が1ページ目に来ていたのですが、今は公共機関のものが上位に来るようになっています。

 

 ただ、「疾患名+食事」など、単語を複合するとまだまだと言った印象です。

 前回の記事にも登場したのですが、今回のテーマにも合致するので、もう一度登場いただく論文があります。

 肺がんについてインターネット検索したところ、日本とアメリカでは大きな差があった。アメリカでは標準治療を勧めるサイトが80%以上(代替医療は10%未満)に対し。日本では標準治療を勧めるサイトが50%未満だったという論文が2009年に発表されています。

www.ncbi.nlm.nih.gov

全文もフリーなので是非お読みください。

 これだけまっとうではない情報が溢れています。

 「インターネットに医療情報を掲載してはいけない」という規制はできません。医療情報が医療従事者だけのものに限定する、という発想は楽かもしれませんが、そうはならないです。ならば、専門家が正しい情報を発信するのが良いと考えます。 

 

 

 

1.医療情報を検索する人へ

検索する際に、この方法を試すとまっとうなサイトが見られる方法

「検索する単語 ”go.jp" "ac.jp"

ポイントは「 ” 」を使うことです。

すると、こんなことに。

f:id:miyaq:20171001084259p:plain

 葉酸の記事の時に参考にしたサイトがたくさん出てきました。

 ページのタイトルのすぐ下にある「アドレス」をみて「go.jp」「ac.jp」のものからページを読んでいく方法も簡単です。

 

 広告は避けるのも簡単な方法です。

f:id:miyaq:20171001081951p:plain

「葉酸」で検索すると、このように「広告」と明記したサイトが上位に出てきます。

このページを飛ばし、官公庁や公共機関のサイトを見るとまっとうな情報が入りやすくなります。

 

こちらに、インターネットで医療情報を検索する時のコツ(一般の方向け)が掲載されています。ご参照ください。

www.asahi.com

 

 面倒なのでネットで検索をしない、となった場合は、医療機関や薬局に相談ください。できないことをプロにお願いするのは悪いことではありません。

 

 

2.医療情報を提供する人へ

 1.で検索するのが面倒になった人、検索したが何がなんだかわからなくなった人がやってきます。その場合に嘘を教えない方法を、それ以外の手段でも嘘を発信しない方法を身につけましょう。

 必要とされる能力は

「関連した用語を用いた検索能力」

「嘘を嘘と見抜ける能力を」

「自信がない場合は、ちゃんとしたサイトもしくは専門家を提供できるようになる」

でしょうか。

 専門家とされる人が書いた記事でも、

過去の知識で書いた物や

巧妙に本当と嘘を混ぜているものもあります。

前者は悪気はなかったのだと思います。後者は明らかに悪意があります。

前者は生涯学習の大切さを学べば更生できます。学びましょう。

いずれにせよ、その職業に対する信頼を落としています。

 

 ブログに書く場合は、自身が書いた記事に参考文献を記載することを強くおすすめします。それどころか必須です。どの記事を読んだかについて記載があれば、更に学習ができますし、間違ったことを書いちゃいけないな、と慎重になると思います。

  

 検索する時は、関連する単語の選択が重要になってきますので、専門知識が必要です。どの単語を組み合わせれば自身の意図する情報を検索できるか、学習することもおすすめします。専門用語同士の組み合わせだと、精度の高い検索ができると考えられます。

 

 同じ医療に関わる人であっても、分野が違うと門外漢になります。自分の仕事がどんな仕事なのか把握した上で、患者さんに相談された内容が他の職種に聞いたほうが詳しいもの、自分がやってはいけない判断(診断になってしまうもの)だと思ったら安心して紹介できる関係先を構築することもおすすめします。

 

 そこで。当ブログを読んでいる薬剤師の皆様!

同じ薬剤師が書いているブログの中でこれは信頼できると思った記事を拡散していただけると助かります。

 検索の上位に公共機関→医療機関公式サイト→医療従事者によるブログ記事の順で最初の数ページを埋めてみましょう。さすれば、非常によく検索する人以外はその情報だけ見ればいい状態になります。(非常によく検索する人は、医療従事者を含めた他人にも相談しそうです)

方法は、Twitterによる拡散、FBによる拡散→ご自身のフォロワーに対する啓発

はてなブックマークによる拡散→これだと設定次第ではSNSに同時に拡散できます。

 触発されて学んだことを記事にされる方も歓迎です。

 

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がん治療に対するここ最近のテレビ番組について(2)

がん治療に対するここ最近のテレビ番組について 後半です。

 

3.毎日放送 映像’17「がんとネット」

深夜なので録画しました。

 非常に淡々とした作りで、画面に集中できました。正確に物を伝えたいならば、一つの画面で伝える情報量を最小限にすると効果的。

 腫瘍内科医の勝俣先生の取り組みを紹介するのが主な話です。それに、正確な情報を伝えることの難しさについても紹介しています。

 ある患者さんは、がんが見つかってから自費の治療を行って数百万円を使ったところで、勝俣先生のところを訪れます。先生から伝えられた受容の言葉で、初めて医療を信じることが出来たと患者さんは言います。それからは、勝俣先生を信じて治療を継続しています。

 自由診療のクリニックでは、患者さんの自己責任とする、クリニックを責めないようにする数々の仕掛けがあったと聞きます。甘い言葉をかけつつ、書面ではそういうことは書いていない。悪化してもクリニックを訴えないように署名させられたと患者さんは言います。

 過去にかかった医師は、良い治療を受けたくて他の治療もあわせて受けたいというと冷たくあしらったと患者さんは言います。それは、医師から見れば当たり前のことを言っただけなのかもしれません。患者さんには冷たく受け止められたのでしょう。医師は、どうしても正確に物事を伝えようとするあまり、感情が乗りにくい説明になってしまうのでしょう。感情に載せた言葉で話しても、嘘であれば意味が無いのも事実です。

 

勝俣先生は言います。「エビデンスが大事。」

  

「エビデンス侍」と呼ばれたことがあるほどです。

 

 がんのインチキ医療はなぜ減らないか?

 美容整形はすぐに結果がわかる。だからリスクが大きい。

 しかし、がん治療の結果は患者からはわかりにくい。しかも、失敗とわかった時には患者さんは亡くなっている。訴えられるリスクが低い(家族も疲弊している。お金もない)

 

 勝俣先生の取り組みは多岐にわたります。SNSによる情報発信、患者さんに対するよろず相談、果ては患者さん同士の交流会(自らギターを演奏)

  

 

 医療法が改正され、医療機関でのネット上での広告における誇大表現が禁止されることになりました。「絶対効く」といった広告はできなくなります。

 医療法改正を前に、そのような広告をしている医療機関については、誰でも厚労省に報告することができるようになりました。

 

iryoukoukoku-patroll.com

こちらのページのフォームから報告できます。

国立がん研究センター がん情報サービス  

HOME:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

こちらのサイトは、科学的に根拠をもった文献を、誰にでもわかるような表現で書くために細心のチェックをしています。サイトの原稿を見る限り、細かいチェックは行われていました。このサイトの編集作業に携わるスタッフは5名しかいません。記事の更新にかかる時間は最短でも半年、長くて3年かかるとのことです。まっとうな情報を伝えるのにかかる手間はこんなにかかるのです。

 誰もが同じ解釈をすることができる表現

 内容が正確

多くの人が見るサイトなので、どんな状況の人にとっても同じ解釈ができるようにすると、どうしても平坦な表現になります。

 

国立がん研究センター 中央病院 呼吸器内科  後藤 悌医師によると、日本とアメリカのがんについてのインターネット掲載情報では大きな違いがあるそうです。

 肺がんに関して、アメリカでは標準治療のサイトが8割掲載されているのに対し、日本では5割以下しか掲載されていません。日本の場合は2割が、科学的根拠のない自由診療のサイトだったそうです。

www.ncbi.nlm.nih.gov

こちらがその論文です。PMID: 19550244

全文見られます。

 

メドレーの紹介

medley.life

医師たちが集まって、医療に関する記事を書いています。インターネット版「家庭の医学」を目指しています。

 

 

 

 

 

 

感想)

 ネットの情報は怪しいと言うならば、テレビこそまっとうな情報を楽しく伝えて信頼性があることを主張すればいいのに。そのチャンスを自ら潰した場面のある番組作りが見られました。やはり、まっとうなことをまっとうに報道するのは視聴率が取れないのでしょう。ゴールデンタイムと呼ばれる時間では難しいのでしょう。視聴率をあまり気にせず放送できる深夜になってしまうのでしょう。

 

 患者と医療者の認識の差は大きいものだと感じました。
 患者「とにかく治したい、何が効いたかはどうであれ治ればそれでいい」

  医師「安全に、確実にいい状態に持っていきたい。(治せないものであっても、人生の質を高めたい)何故効果があったかわかれば、もっと他の患者も助けられる。」

 患者は自分の今の状態に集中してしまっています。

まあ、だいたい人間は喉元過ぎたら忘れてしまっています。今の感情をその場に放り捨てながら生きています。今の感情を解決させることの繰り返しなんです。

 

 それを、落ち着いて将来のことまで考えてもらうように持っていくのが医療者の役目です。そうです、生きるための医療。

 

 お金をかけて治したはいいが、職や貯金がなくなったり挙句借金したのではその後の人生の質は低くなってしまう。→生き残った場合にもお金は要る!そして無念にも亡くなった場合も残された家族はお金が要る。シビアなんだけどこれが現実。

 

 自分が治ればいいと思っているが、効果が何故あったのかわかれば、他の人にも応用できる。その「他の人」の中には自分の家族、友人、そして将来の自分自身も含まれる。

 

 気持ちに寄り添うことも大事だが、効果があることが信頼の基礎となる。そのためには知識が必要。少なくとも、医療者は嘘は言ってはいけません。そして、患者さんは医療者が「わからないから調べる」と言ってもがっかりしないでください。嘘を言うまいとしています。

 

 がんの根拠のない治療に走った人は「そういうのに走って、命が縮まったもしれないが、そこのクリニックの人は皆優しかった。暖かかった。後悔はしていない」とおっしゃるネット記事を見た。個々人の患者にとっては「その場の気持ちを否定しないでほしい。受容してほしい」という気持ちが先なのでしょう。

  しかし、そうは行かないのが医療の残酷なところ。いや、残酷じゃないんですよ。一見残酷なように見えても、長い目で見て好きな様に生きるためにはここは我慢しなきゃいけない場面ってあるんですよ。ガンの治療はそういう場面が目立つのです。ここで治療を始めないと効果が出ないことがしばしばおこる疾患なのですよ。

  医療者にできるのは「少なくとも、その場の感情を否定せずに、事実とより良くする提案を伝える」ことぐらいしかないのかもしれないと思っています。

 そのためには、情報媒体の使い分けが必要です。

 ネットやテレビ:広く広報する。誰が見てるか把握できないので、誰にでも分かる表現で記す必要あり。

 直接医療従事者が相談を受ける型式:相談者に合わせることができるが、直接感情をぶつけられるので心身の負担が大きい。長い時間をかける必要が有るため、効率的ではない。診療などの業務にかける時間が削られる。

 多くの医療者が、患者さんとの面談に充てられるようになれば、インチキ医療に走る人も減るのではないかと考えますが、限界はあると思います。一時的に不安になって揺らいでいる方の場合は、その気持ちに配慮した言葉掛けして支援すればどっぷりはまらないで済む可能性があるけれども、しょっぱなから拒否していたら難しいでしょう。

 

がんのことで気になる方は3.の番組でも紹介されたこちらのサイトをご覧になってください!

(むしろここだけでいいです)

 

国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向け

http://ganjoho.jp/public/index.html

がんのことで直接相談できる窓口も紹介しています。

直接話しをしたい場合はこちらのサイトで調べて窓口にご連絡ください。

 

こちらに掲載されていない病院でも行われている場合があるので、大きな病院にある医療相談の窓口で相談する方法もありです。

例)大阪にある北野病院の場合

がん相談支援センター|北野病院

 東京にある三井記念病院の場合

www.mitsuihosp.or.jp

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