「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

中小病院・薬局が提供できる薬剤師のキャリアパスって?

  「新卒はすぐに大手に取られる」

と嘆いている中小病院・薬局の運営側の人間のが嘆き声が聞こえてきます。

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 それは、「ここの病院、薬局で働いていて、どんな自分になるのか」という視点で求人PRをしていないからです。

 

 仕方ないんですけどね。

 地域住民のために活動する。

「自分が働きかけることで、地域住民が変わる(健康状態や生活の質の向上など)」

視点で自分の施設を紹介しているから、すれ違うのは当たり前です。

 

 大手は業務の幅が広いことが見た目に明らかなので

 これ、規模の問題ではないと考えます。

 中小の施設でも、「地域住民に働きかけることで、自分がこれだけのことができる人になれる」という視点で求人広告を打てば、若い人が入ると思います。

  たとえ、やってることは周りの薬局とさほど変わりがなくても。

 

 難しいのが、薬剤師の6割(薬局・医療施設に至っては3分の2を超えています)を女性が占めること。(厚生労働省薬剤師調査より)

 

 20代の頃は自分のために働けていても、結婚したら家族のために時間を割くことが増え、自分の一存だけでは職場を、働き方を決めることができなくなってしまいます。ゆえに、キャリアパスの形が変わってきます。どんな自分になる、という視点よりも、家族との時間を取れる、という視点に変わってきます。これを、やる気がなくなったと認識してはなりません。働ける時間、場所が限られていても最大限の力を発揮できるようなキャリアを与えることができれば人は集まると考えます。

 

 この業界、転職は当たり前です。生活のあり方によって、転職できるのも業界全体での福利厚生策ではないかと考えます。結婚までにできる限り多くのことができるように頑張り、結婚後はその能力を活かしながら家庭と両立できる環境で暮らすキャリアを考えている人も多くいます。一つの職場でできるようにするのは意外と難しいです。最大限の能力を持っている人にセーブした仕事の振り方をするのは難しいです。周囲も「あの人はもっとできるのに・・・私の仕事が増えてつらい」となってしまうかもしれません。勿論、人間関係が良好であればその問題もクリアします。

 

 それにしても、24時間対応だ地域活動だなんだと働く人も顧客も介護や育児の問題を抱えているのに脳天気な経営者・幹部とお役人さんは何を考えているんでしょう。先日参加した某学会のシンポジウムでは「24時間対応している俺えらい!当然でしょ」という態度が全面的にでていた上に、それを「美しい(思考停止」したり「がんばりましょうよ」と言ってる壇上の偉い人は介護も育児も人に押し付けて知らんぷりしてるんでしょうね。それで、自分の老後は住み慣れた家で家族に囲まれて暮らそうだなんて(怒り心頭)

 

 

 

 

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