「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

薬剤師フィールドリサーチ夏の特別編「コロナ禍に面薬局を船出して着実に地域で支持を積み重ねる令和の開局者を訪問」

今回は2023/7/26発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。

 

 今回の「薬剤師フィールドリサーチ」夏季特集号企画では、将来的に薬局は淘汰の時代を迎えるとも指摘される厳しい経営環境のなか、逆に『門前に医療機関は存在しないけれど、地域の住民や医療機関の支持を地道に得て着実に成長している』という新しい薬局経営者の方をSNSで拝見し、実際に訪問させていただくことになりましたのでご紹介します。
大阪市中央区に2020年開局した『たから薬局』を運営する株式会社スリーピース・代表取締役の松本慶子さんにお話を伺いしました。

 

――たから薬局は医療機関の門前ではなく、面分業での対応となっています。立地環境としてはビジネス街と住宅街の間ですが、このような場所に薬局を構えようと思った理由を教えてください。
noteとかにも書いてるんですが、もともと主人の両親がこの場所で別の商売をしておりまして、そこを薬局に改装して使わせてもらってる形です。中心地で家賃がかからず、薬局を作れることに可能性を感じて始めました。

 

――利用される方は近くに会社のある方と、近隣の住民の方のどちらが多いですか?
体感としては半々くらいですね!住んでる場所は県外とかかなり遠い方も多いです。
――開局する際にこだわったところを教えてください。
最初は自分の好きなテイストで居心地の良い空間にしました。3年半経った今は薬で溢れかえってるので落ち着いたらまた綺麗な薬局に戻したいです(笑)

 

――完全面薬局ですが、差し支えのない範囲で1ヶ月に応需する医療機関の数と居宅の件数、処方箋枚数、スタッフ数を教えてください。
医療機関はあまり意識していませんがだいたい100前後、居宅訪問の件数は100件ちょい、処方せん枚数は250枚前後、スタッフは現在私と正社員の薬剤師1人です。在宅が多いので、居宅療養薬剤管理も含めた処方せんの技術料単価は普通の門前薬局の倍以上はあると思います。

 

――居宅100件!となると一日外に出ているようなこともありますね!忙しいように見えますが、どのようにスタッフ間で連携して運営していますか?
6月は居宅39名、124回でした。基本的にどちらかが訪問に行っている感じです。スタッフ間はLINEでこまめに連絡を取り、他職種も含めた患者ごとのグループLINEやMCSで情報共有も行っております。

 

――大阪の中心部に構える面薬局の可能性としてはどのようなものを考えていましたか?
中心部であることは狙っていたわけではなく、使える場所がたまたま中心部だったので最初は特に深く考えずに始めました。やっていくうちに地域のリーズを少しずつ掴んで、それにそって動いていった形です。

 

――面薬局だと薬の在庫がないことも少なからずあると思いますが、どのように対応していますか?近年の医薬品供給不足もあり、難しい対応に迫られることがあると思います。
在庫は最初のうちは分譲に走り回りましたが、2年くらいすると大概揃うようになりました。
もちろん出荷調整品には苦労していますが、幸い連携先の先生は快く変更に応じてくださるので助かっています!
――開局して3年、地域住民や医療機関の支持を着々と得ている様子がTwitterから伝わってきますが、どのようなことを工夫されていますか?
工夫というか心掛けていることは、相手が何を求めているのか察知して、それに沿って行動することです。プラス即レスポンスフッワーク軽く動いていれば自然と支持していただけるようになりましたね。

 

――Twitterからは休みなく働いて、子育てをしている様子が伝わってきますが、心身のリフレッシュはどのようになさっていますか?
休みはあまり取れてないですね・・・。土日は臨時以外はお休みのことが多いので、朝はゆっくり家のことをして、午後から家族でお出かけすることでリフレッシュしています!家族で過ごす時間を何より大切にしています。

 

――2号店を近々開局するとお聞きしました。場所はどのあたりで、店の概要を教えていただけますでしょうか?
場所は大阪の本町駅の近くです!在宅に力を入れていらっしゃるクリニック様で、在宅や発熱外来対応で一緒にお仕事をさせていただく機会が多くこの度ご縁があり門前薬局として出店することになりました。

 

――これから独立開業される方へのアドバイスをお願いします。
独立される方へは、受け身にならず自分からどんどん行動することが大事かと思います。基本的なことですが、相手の立場に立って考え、自分がどう動けば相手にとってベネフィットが生まれるかというテイカーの精神で行動することが大切だなと日々感じています。
    ◆
松本さん、お忙しいところ取材に応じていただき本当にありがとうございました!

もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
にほんブログ村 

 にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村