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「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ

お得・簡単・基本に忠実。主婦パート薬剤師におすすめの「薬局で使える 実践薬学」

  • 各所で評判の通称「鈍器」A4版448ページ:「ポリファーマシー解決!虎の巻」の倍のページ数)こと
  • 「薬局で使える 実践薬学」を紹介します。

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  床を掃除していないという指摘は受け付けません。

 厚さ約3cm重さ約1kgでダンベルにも撲殺用にも使えます(汗)

 こちらからも購入できます。↓

ec.nikkeibp.co.jp

 著者の山本雄一郎さんにに「レビュー書きます」と言った以上、書かない訳にはいきません。(ヲイ)しかし、普通のレビューでは面白くないので、何かテーマを考えましょう。

 

 あ、そうそう。私、今年からファーマトリビューン(Web版)にコラム書いてます。

一般の方も会員登録なしに読めますのでよろしくお願いします。

ptweb.jp

 こちらのコラムでも題材にしている「家事や子育てに忙しい女性薬剤師が本書を活用する方法」の提案をしましょうか。現場で働いている半分の薬剤師は家事と子育と両立している主婦ですからね!

 お金・時間・環境(家族が突然用事を言いつけてくる、PC使えない、書店遠いなど)に制限のある状況でどこまで活用できる書籍かどうかで、真の「実践薬学」と言えましょう。

 本書の値段は5800円(消費税抜き)。彼女たちには簡単に出せる額ではないかもしれません。ただし、これぐらいの額だとどこのショッピングサイトでも送料無料(少なくとも日経BP書店は送料無料)で買えるので、専門書を買いに行くのが地理的に厳しい方でも入手はしやすいかもしれません。書店が近くにある場合は書店取り置きもお薦めです。むしろ書店存続のためにじゃんじゃん取り置きしてもらいましょう!

 

1.時間がないけどどうやって読もう?

 約3センチと非常に分厚い書籍ですが、実は12ヶ月の大項目と数ページのまとまりで構成されています。しかも、一つ一つの文章のテンポが良く、頭に言葉がスラスラ入ってきます。マニュアルではなく読み物としての構成なのがいいですね。マニュアルだとそれぞれの文字の羅列を覚えていく学習になってしまい、却って頭に入りません。

 

 よほどご自身が読みたいテーマがある場合を除いて、著者も言及していますが、最初に一冊通しで読むのであれば最初のページから読んでみてはどうでしょう。集中して読んだほうがいいのですが、家族の事情で集中していても妨害されるかもしれません。そんな状況でも内容が頭に入る仕組みは評価するところです。毎日学習できる時間がない方でも、前の項目をざっと見返してから学習できる構成です。

 

 書籍なので、パソコンやスマートフォンが使えない状況でも読めます。わからない単語を検索しながら読む必要性も感じませんでした。家族との関係上、親もスマートフォンやパソコンの使用を制限されることがあっても学習できます。

 もしあれば更に楽しめるのが、「書籍に登場する医薬品の添付文書」です。職場で余っていれば持ち帰ってもいいですし、職場のPCでPMDAのサイトから検索してはどうでしょうか。

www.pmda.go.jp

を覚えておくと、書籍内に登場する「審査報告書」もダウンロードできます。もちろん職場はPMDAメディナビに登録しているよね?

 紙ベースで学ぶので、PCの利用に制約がある方でも学習できますし、どんな場所でも学習できます。

 

2.本当に業務に役に立つの?

 役立ちます。

 薬物動態、薬剤学、化学構造式・・・薬学部でそれぞれ独立した学問として学んでいた事柄が、読んでいるうちに頭の中で自然にスイッチしていきます。「今は動態をやっている」「今は薬理をやっている」と簡単に切り替わります。わざわざそれぞれの学問の解説書(だいたい1冊3000から5000円程度)を買わなくていいので非常にお買い得ですね!

 

 基本は添付文書との主張通り、添付文書を基にどこを読めばどんな情報が得られるのかストーリー形式で書かれています。現場で働いているならば、職場から添付文書を持ち帰ることが出きます。紙ベースの添付文書ならば書き込みも可能です。

 

 また、応用としてPMDAのサイトの活用も提唱しています。無料で薬に関する基礎的な情報は得られます。すぐに検索できることから、大切な情報を得る方法も説明しています。

www.pmda.go.jp

 薬のことで調べたいことがあればまず添付文書を読むでしょう。そこから何がわかるのか解説し、わからなければどの資料を調べればいいのかも書かれています。このあたりが非常に実践的です。他の薬でわからないことがあれば、本書で行われていることのまねをすれば、確実に答えにたどり着く仕組みになっています。いきなり論文を調べろPubMed検索しろではないので業務が忙しい店舗でも活用できます。

  薬局や病院で働いていれば、添付文書を紙ベースで手に入れるのは簡単です。

 

3.思考をまねよう

 家事や子育てをしながら仕事をしている方は、もともと非常に真面目な性格という印象があります。本書の内容を真面目に一語一語覚えようと考えるかもしれません。しかし、ここでマスターするのは「思考法」です。書籍で紹介されているのと同じ症例が目の前に現れるなんてことはありません。

 

 本書において、著者は自身の思考を言語化(まずここが難しい)して、他人にわかりやすいように伝えるという非常に難しいことをしています。

 

 現在起こっている問題に対し、患者さんにとって最も適した答えを導き出せるか。どの思考プロセスの型を身につけるのが本書の目的と考えます。薬歴も薬剤師が見たこと聞いたことと、それを見て薬剤師がどのように思考し判断し実行したか(次回以降の観察や確認ポイントも含める)を記録するものです。

 

 読みながら、今自分が何を考えているのか意識し言語化する(服薬指導シミュレーションにもなる)ことで、服薬指導や薬歴の質が大きく上がると思われます。

 応用として、自分が今何を考えているのかだけでなく何を思っているのか頭の中で意識することで自分を俯瞰して見ることができるので冷静でいられる手段ではあります。ただし、感情があまりにも溢れるタイプの人は思考を言語化するところまででとどめておいたほうがいいと思います。感情に巻き込まれて自分が潰れてしまいますので。

 

 思考の型を身につければ、さまざまなことに応用できます。調べる項目と適した資料、確認する箇所を押さえる技術も同時に身についています。

 

 

 薬剤師、薬学生。それぞれの知識を統合してく初めての書籍のような気がします。(特に、薬学生のうちに読むと自分が学んだ学問がどう実践で使われるのが知ることができ、学ぶモチベーションが保たれます)

 

4.(経済性)これ一冊で大丈夫? 

ほぼ大丈夫です。

 添付文書の構成がわかっていれば、問題なく読むことができます。

略語の意味がわからない場合は検索して調べましょう。(ただし、最初に略語は書いてある)薬学部で学んだことがあれば、一度は聞いたことのある言葉ばかりです。ブランクのある方も、本書を読んで意味がわかれば現場復帰はできると考えていいです。

 むしろ、同じ時間を消費するならば、各論を話すだけの研修会に行くよりは、本書の「○月」の項目を一気に読んだほうが実力がつくと考えます。薬の情報の扱い方を総論的に書いた書籍だからです。バラバラになった各論よりも、その各論をどう扱えば飲む人(患者さん)、処方する人(医師)の利益になるのか理解できる方が薬剤師としての(薬剤師独自の)実力はつきます。

 

 薬物動態学、薬剤学、化学構造式、薬理学・・・大学ではそれぞれの教員がバラバラ教えていたのを書籍を読みながらにしてそれぞれの学問がつながるすぐれものです。しかも、読んでいくうちにそれぞれの学問への視点が自然に切り替わるようになります。

 そう考えると、本書の副読本は薬学部時代の教科書とも言えそうです。ただし、利用範囲も単語の定義を調べるぐらいで済みそうなので、ネット検索できそうならば調べればいいでしょう→追加で購入する書籍はいりません。追加料金不要です。

 

 消費税(8%)込み6264円ですので、研修会の参加費用と交通費を考えるとむしろ安いのではないでしょうか。(少なくとも座学の研修会12回分と考えると)

 休みの日に一人で出かけるのにも家族のお伺いを立てる必要があるストレスからも解放されます!

 配偶者が子供を見る約束をすっぽかして予定を入れるリスクも避けられます!

 お子さんが小学生だと習い事の補助で土日も外出ばかりで働けない場合がありますからね!

 午後に研修会に行ったらそのぶん普段仕事でやり残している家事も溜まって疲れますから、その分本を読む時間に充てると有効です!

親御さんが本を読んでいるのを見て、子供が本を読み出すかもしれません。

子供は親の言うことを聞きません、親そっくりの子になります。

 

 本書をほしいと思うかどうかで、働く意識が見えてくるのではないでしょうか。

 本書を買いたいと思わない、買うのがもったいないという時期は買わないでもいいと思います。多分、今は薬剤師として働くよりも母親としての気持ちが強いのではないでしょうか。本書は薬剤師として働きたいか気持ちを測る分水嶺でもあると感じます。

 

 

5.最後に

 

 著者と一般読者の距離感がいいです!

 この手の書籍は何かしら著者と読者に距離が生まれがちです。

「こんなことができるのは特別な人達だけだ」という思いが生まれるのでしょう。本書に関しては、現場で実践できることに視点を合わせている上に、著者にかしこぶったり、上から物を見る姿勢が見られません。

 一緒にやりませんか、というほどほどの熱さです。(熱すぎるとやはり引いてしまう、ひねくれた目で見る人がいるのも計算されているのでしょう。非常にフラットです。)そういう意味でもとっつきやすい書籍といえます。哲学的なのにとっつきやすいスマートさ。書籍の厚さはスマートではありませんが。

 また、素晴らしいのは構成とレイアウト。非常にまとまった図表。これを編集した方も非常に血のにじむ努力をしたと想像されます。

 

 一冊で何役も!学んだことが明日すぐに役に立つ!って可処分所得の少ない主婦パートの薬剤師にとっては願ったり叶ったりです。まどろっこしいと敬遠されがちな哲学や概念と言ったところも読み物にすることで説教臭くなく身につくのも長所です。どうしても最短距離で学びたいと各論から入りがちですが、思考の基本骨格を先に身に着けたほうが効率がいいのです。

 

 何日も、何ヶ月も、何年もかけていいので一冊読み切ったら業務能力が格段に上がっていると思います。例えば「1ヶ月」を本当に1ヶ月かけて熟読してもいいです。書籍に書き込みをしてもいいです。添付文書に書き込みをしてもいいです。どのようにして添付文書を読み、どういうデータを導き出せるか。目の前の人と会話観察してどのような問題があって、それに対するアセスメントをして、患者さんにフィットした言葉を選べるか。これが薬剤師の対人仕事の骨組みになると考えます。

 

追伸

3月に出たのが厳しいなあ~

(薬学生だと適しているのだが、卒業入学進級で物入りなのですぐには手が出ないかもしれません)

もし、この値段がネックの場合は、今から月2000円でいいので貯めて、3ヶ月後に買いましょう!

 

 

 

 

 

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