「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

そら薬剤師足らんわ

 多くの薬局が、「薬剤師が足りなくて在宅など手を出せない」「薬剤師が辞めてしまって、求人を出しても来ない」と嘆いている状況ですが、これを浮き彫りにした資料が発表されました。

 

薬局・薬剤師に関する情報 |厚生労働省

の中の

・平成29年度かかりつけ薬剤師・薬局機能調査・検討事業
  かかりつけ薬剤師・薬局に関する調査報告書(pdfファイル)

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/H29tyousahoukokusyo.pdf

です。

 調査対象は

抽出後の都道府県ごとの薬局数の構成割合が母集団(全国値)とできるだけ同様になるよう、都道府県ごとに無作為抽出した 5,000 薬局。

 回収数は2315薬局(46.3%)

 自記式の紙調査票

 配布・回収は郵送

調査時期は平成 29 年 11 月 22 日〜平成 30 年 2 月 9 日

 

 薬局の職員数(薬剤師)については、常勤職員の平均値が 2.2 人、非常勤職員(実人数)
の平均値が 1.6 人、非常勤職員(常勤換算)の平均値が 0.6 人であった。
常勤職員と非常勤職員(常勤換算)の平均値を合計すると、2.8 人であった。

 

薬局の職員数(その他職員)については、常勤職員の平均値が 1.1 人、非常勤職員(実
人数)の平均値が 0.6 人、非常勤職員(常勤換算)の平均値が 0.3 人であった。

 薬局数について

www.mhlw.go.jp

の平成28年度末の薬局数を用います。

 薬剤師数について

www.mhlw.go.jp

を用います。

薬局数 57734

開設者が管理をしている薬局 5661

開設者が管理をしていない薬局 52123

 

薬局の開設者又は法人の代表者 17201 

薬局の勤務者 154941

薬局の勤務者で管理薬剤師 52123

薬局の開設者で管理薬剤師ではない 11540

薬局の勤務者で管理薬剤師でない 102818

 

常勤薬剤師の人数:非常勤薬剤師の人数=2.2:1.6 =11:8=1.375:1

薬局の勤務者で管理薬剤師でない人数 平均1.2名(常勤)+1.6名(非常勤)=2.8名

労働時間で言えば2.6名分

非常勤薬剤師の勤務時間 1.6名で0.6人分(週24時間)なので、非常勤薬剤師1名あたりの労働時間は平均週15時間

これでは、外来を回すだけでいっぱいいっぱい。在宅で患者さんの都合に合わせて出動するのは難しいでしょう。

 その問題を解決するには・・・

 薬局数を減らす→浮いた薬剤師を集約させる→外に出られるのではないか

 

と考えますが、外来の患者数は減らないと考えられるので少しは改善するぐらいではないでしょうか。

 そして頭数以上に大切なのが、一人外に出ていても店が回せるか、トラブルに対応できる人物を常に薬局内に配置できることです。女性が7割、子育てや介護などの問題を抱えた人が5割いる職種では大きな障壁だと思います。しかし、24時間対応をする人を薬局の中で支えて、外の仕事に集中させるためにも家事や育児介護などをしながらはたらく人の活用は必須です。  

 

 

 そして気になったのが、回答率の低さ。 

「なんで回答しないんだ!薬剤師の意識が低い思われるぞ!」と意見が出そうな雰囲気ですが・・・

 この調査の
同一経営主体による薬局店舗数については、平均値が 100.7 店舗、中央値が 5 店舗であ
り、「1 店舗」が 24.5%、「50 店舗以上」が 22.6%であった。

 実際はもう少し大手の寡占が進んでいないと考えられます。

 もしかしたら、回答できていない薬局は

「人がいなくて、回答できる時間がとれなかった」 

 可能性が考えられます。

 

 

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