「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

一般名 と 商品名 なんのこっちゃ

 薬剤師ではない人

 医療従事者ではない人

 向けの話題です。

 

医療機関で処方され、薬局で調剤される医薬品の名称の種類

1.商品名

2.一般名

3.化学名

 

そのうち、化学化合物としての名前である化学名は一般の方が薬を飲む上であまり関係がないとして、今回は商品名と一般名についてお伝えします。

 

商品名:ロキソニン(錠。細粒)

一般名:ロキソプロフェンナトリウム水和物(錠・細粒)

化学名:Monosodium 2-{4-[(2-oxocyclopentyl)methyl]phenyl}
propanoate dihydrate

構造式:

f:id:miyaq:20180429170956g:plain

 

★一般名、商品名って何?

厚生労働省による一般名処方の定義が

「一般的名称に剤形及び含量を付加した記載」

です。

なお、これまた厚生労働省による商品名の定義は

「薬価基準に収載されている品名」

です。

 

★一般名処方って?

例)

ロキソニン錠60mg 1錠 痛い時 1日3回まで 6時間以上あける 20回分

 

という処方を一般名処方にすると

 

【般】ロキソプロフェンナトリウム水和物 60mg錠 1錠 痛い時

 1日3回まで 6時間以上あける 20回分

になります。

この場合、ロキソプロフェンナトリウム水和物を含有する錠剤で薬価基準に掲載されている薬(保険で使える薬)ならば、なんでも使うことが出来ます。

 

 ただ、国としては後発医薬品の使用を促進しています。

www.mhlw.go.jp

そして、保険医療機関及び保険医療養担当規則の第二十条の二のニ

ニ 投薬を行うに当たつては、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第十四条の四第一項各号に掲げる医薬品(以下「新医薬品等」という。)とその有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一性を有する医薬品として、同法第十四条又は第十九条の二の規定による製造販売の承認(以下「承認」という。)がなされたもの(ただし、同法第十四条の四第一項第二号に掲げる医薬品並びに新医薬品等に係る承認を受けている者が、当該承認に係る医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一であつてその形状、有効成分の含量又は有効成分以外の成分若しくはその含量が異なる医薬品に係る承認を受けている場合における当該医薬品を除く。)(以下「後発医薬品」という。)の使用を考慮するとともに、患者に後発医薬品を選択する機会を提供すること等患者が後発医薬品を選択しやすくするための対応に努めなければならない。

とあり、

保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則では


(調剤の一般的方針)
第八条 保険薬局において健康保険の調剤に従事する保険薬剤師(以下「保険薬剤師」という。)は、保険医等の交付した処方せんに基いて、患者の療養上妥当適切に調剤並びに薬学的管理及び指導を行わなければならない。
2 保険薬剤師は、調剤を行う場合は、患者の服薬状況及び薬剤服用歴を確認しなければならない。
3 保険薬剤師は、処方せんに記載された医薬品に係る後発医薬品が次条に規定する厚生労働大臣の定める医薬品である場合であつて、当該処方せんを発行した保険医等が後発医薬品への変更を認めているときは、患者に対して、後発医薬品に関する説明を適切に行わなければならない。この場合において、保険薬剤師は、後発医薬品を調剤するよう努めなければならない。

とあります。一般名処方のように、後発医薬品の調剤を認めるものの場合、後発医薬品を調剤するよう努めなければならないとあります。

 

 勿論。患者さんが希望して、先発医薬品にしてもいいのです。その分負担は高くなります(薬価が高いので)

 

★一般名処方加算

処方した医療機関にかかる加算です。一般名処方で処方した場合に、医科の加算が尽きます。(平成30年4月1日以降)薬局では加算がありません。

 一般名処方加算1(すべての薬について一般名処方)  6 点
 一般名処方加算2 (1種類でも一般名にした場合) 4 点

3割負担だと10-20円患者負担が増えます。そして、1日40枚処方箋を発行した場合

一般名処方加算1だと 1日2400円 2だと1日1600円 医療機関の収入が増えます。

これが1年だと1万人以上になりますから。40-60万円の収入増になります。

 

★余談

一般名処方にすると

【般】ロスバスタチン錠 5mg 0.5錠 1日1回 朝食後 30日分

という処方の場合

クレストール5mgだと1錠110.30円です。 半分に割るので 55.15円

この場合、クレストール錠2.5mgは使えません。1錠57.60円になり、

却って高くなります。

ロスバスタチン5mg「DSEP」だと1錠41.40円で0.5錠20.70円となり、

ロスバスタチン2.5mg「サワイ」だと1錠21.70円となります。

安くなる方向への調剤はOKです。

 

さらに、ロスバスタチンには普通錠と口腔内崩壊錠があります。

そのどちらも使うことが出来ます。

 

患者さんの指定がなければ、早く在庫の揃う薬を出していいのです。

 

 

参考文献

ロキソニン(錠・細粒 テープ/パップ)の添付文書

www.mhlw.go.jp

 

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