「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

【世界禁煙デー】禁煙ファシストにならない禁煙支援

 5月31日は「世界禁煙デー」です。

 

 タバコに含まれる化学物質は体に害を与えることが明白です。

「明白である」ことが証明できる時点で、かなり危険や物質です。

大抵の物質や習慣、薬は有害と有益の間のグレーゾーンを行ったり来たりしているのに(多くの研究結果があっても未だ白黒はっきりしないものがぎょうさんあります)、ここまで「有害です」とはっきり言えるものはそうそうありません。

 (食事などはっきりさせるための実験データが作れないものもたくさんあります)

 

 それらの根拠に関してはこちらのサイトをどうぞ

「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」資料

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-09-02.html

喫煙と健康 厚生労働省喫煙の健康影響に関する検討会報告書(平成28年8月)の概要を知りたい人のために-国立がん研究センターがん情報サービス

https://ganjoho.jp/reg_stat/cancer_control/report/tabacoo-report2016.html

 

 

ここで、医療関係者が意気揚々と「禁煙は愛」「受動喫煙は悪」などというので、ますます意固地になってタバコをやめない人が出てくるわけです。「医療者に屈服させられた」禁煙では禁煙が続かないし、別のところで医療者に対する憎悪が生まれてまた別の問題が起こりそうです。

 

 ところがいるんだよなあ・・・「何でもええから禁煙せえ」って人が。医療従事者に限らず。「こどもの受動喫煙を予防する」から「タバコ撲滅」に発展していったり、次は「アルコール排除」とエスカレートしていく人も。

 喫煙者の中には、「タバコは体に悪い」とわかっていても、そうした喫煙をやめるよう勧める人の「正義の暴走」が怖くて「ここで従ったらどんどんエスカレートする」とタバコをやめない人も出てきてもおかしくありません。もしくは、タバコ以外のことで禁煙を進める人を攻撃したり。

 

 禁煙を進める側は目標を欲張らないことが肝心です。相手の防御抑制をを呼び起こさないことが禁煙への近道です。喫煙者はタバコには依存性があること、健康に悪いことは百も承知です。しかし、たばこをやめると今までの生活が変わってしまうので言いようのない恐怖を感じている可能性もあります。

(ツイッター上でも禁煙ファシストと読んだり呼ばれたりして、双方ともに自己正当化が激しくなっている事例もあります)

 

 職場では喫煙者だけで集まって、喫煙所でリラックスしたムードの中重要な情報を交換している事例がままあります。禁煙したらそのような場に参加できなくなり業務に支障が出るのではないかと考えているかもしれません。

 

 そもそもタバコ仲間との関係が悪くなるかもしれません。

 

 禁煙したらタバコ代の分をそっくりそのまま家計に入れられて、自由がなくなることを恐れているかもしれません。

 煙草休憩が取れなくなるかもしれません。

 

タバコやめても、

楽しめる趣味があることや、

煙草を吸う人も吸わない人も自由に休憩が取れるような環境にすることや、

タバコ代をそのまま家計に入れないで様子を見ることや

彼らの不安を取り除いたり新しい安心を生み出して、自らの意思で禁煙できるよう周囲が支援することが大切ではないでしょうか。その時は、喫煙者を馬鹿にしたり、タバコを否定せず、禁煙しているその人を肯定すること。

 医療者は「まずは、命が助かってこそ」と正論で患者を殴りがちですが、命は助かっても心は死んでしまったり医療者への不信感だけが残ったなんてことがないようにしたいものです。

医療への不信感から、裁判を起こしたり医療側の人間の人権を無視した言動に出たりとんでも医療が流行ったりしている部分もあると思います。

 正論は言葉が強くなりがちです。

 

 

 

これ、医療者にも言えると考えます。

 

 屋内での禁煙を徹底するなら、相当な数の灰皿が必要だし、掃除する人も必要。

 実際、飲み屋の前に吸い殻が多量にあったのを目撃したことがあります。

コンビニエンスストアで灰皿を撤去する動きが目立ちますが、多分、灰皿を掃除するのが面倒だったんでしょうね。ゴミ箱を店舗内に置くなど、ゴミ箱を灰皿にされないよう対策がなされています。しかし、店の前に多量の吸い殻が放置されるのでしょうね(汗)

 

 自分をそうさせているのはあなたではなく、タバコであるというアプローチが必要で、じわじわと伝えるのがいいのでしょうね。ここ20年で若い人の喫煙率はぐっと下がりましたので。

 

 

 

すぐ禁煙..jp 禁煙に関する情報や禁煙外来も探せます。

https://sugu-kinen.jp/

 たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約
(WHO Framework Convention on Tobacco Control : FCTC)

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/who/fctc.html

 

参考にした本

 治療 Vol99 No11 禁煙 up to date

 

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