「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

小児科往診はニーズかウォンツか?

 少し前に、「交通費少しだけ払えば小児科医が自宅にやってきてくれる」というビジネスが母親に好評というつぶやきがあって、子育て中の人を中心に絶大な支持を受けていました。医療従事者から見れば「個人的な事情で往診を使うのはどうか」という意見が多かった印象があります。

 

 往診の対象者は「医学的な見地から、患者の家に出向いて診察する必要がある人」である。これをどう捉えるか。

 寝たきりで医療機関まで搬送するのが困難な人(寝台車が必要な程度)というイメージになる。

 しかし、多くの小児を抱える親からみれば、そのような人の看護や介護をした経験がない人が多い。自分たちの状況も深刻だと認識している。

 一人子供を小児科に連れて行くだけで、親にとっては大変なのだ。

 

 ・小児科の予約(このおかげで闇雲に小児科の待合室で待つ時間は短くなったが、予約枠が埋まってしまうと受診できなくなるか、急患枠に入ることになり、待ち時間が目なくなる)

 ・ぐずる子供を外に出せる服装にする

 ・家から出る

 ・自転車や車、ベビーカーに乗せる、そして下ろす(徒歩の場合は途中で歩みを止

  める場合も)

 ・他の兄弟がいる場合はさらにぐずる人数が増える

 ・家をあけるのでその間積み残しになるであろう家事のフォロー

 ・小児科の待合室で待っている間に他の疾患に感染するリスクがある、他の兄弟が

 感染してしまう場合がある

 ・働いている場合、職場への連絡

 

 医師が往診に来るならば。これらの不安の多くが解消されます。

 

 しかし、医師が移動する時間を考慮すると診察できる患者さんの数は減ってしまいます。診られる患者さんが減る=助けられる患者さんが減ることになります。

 

 現時点ではネットによる予約システムが患者と医療者の妥協点ではないでしょうか。

もしかしたら、遠隔診療の精度が上がれば、自宅のPCから小児科の診察ができるようになって、病院に行くまでに抱えるリスクが解消されるかもしれません。

 件の往診の医師は薬をその場で渡していましたが、小児の薬は散剤や水剤が多く、事前にどこかで作っていると思われます。小児の場合、体重と症状に合わせる必要性が成人に比べて高い分、オーダーメイドとなる度合いが高いです。これを持参する場合、やはり時間がかかります。薬をできるたびに持参すると、現時点ではかなり非効率的です。これも遠隔服薬指導をすれば配達員のみが非効率的になります)

 

 親の苦労を軽減するがニーズとするならば。往診でなくてもいいのではないでしょうか。

 

 

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