「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

ICT時代の学会参加のあり方

 先日、日本薬剤師会学術大会に参加してきました。

 研修会の内容をアップするのは非常に難しいです。限られた人間のみに公開する場合は、「どんな話があったか」というのを知らせるのは非常に簡単です。それでも、話すことができない内容もあります。

 

 1.現在進行中の研究のコアな部分(他の人の同様な研究にヒントを与えてしまう)

 2.著作権上問題のある箇所

 3.参加者のみのオフレコな話題(その場で直接会うからこそ話題にできる内容)

があったりするので、学会での発表内容が幅広く伝わらない部分があります。そもそも会場内で講演したりポスターの内容は撮影禁止ですので(発表者及び主催者の許可があれば別)

(ゆえに、研修会や学会に行ってきたという写真が、会場前の案内ポスターと一緒に移した写真だったり、食事の写真だったりする。)

 

こういう何日も連続で開催される大会は参加できる人が限られてきます。

連休をフルに使うことがままあるので、前後に自分の職場に穴を開けずに参加できるか、代替要員が取れる職場か。普段から休みの日にたまった家事をしている人だとその分のしわ寄せが確実に来るので参加できない人も多いです。それとばかにならないのが学会登録費と交通費と宿泊費。

 今回は大阪から参加したのですが、新幹線のネット割引を使用しても新大阪からの交通費だけで3万円ぐらいかかります。正規運賃だと4万円超えます。宿泊費が1日8000円として、おみやげ代などを入れると5万円は軽く超えます。これを自費で賄ったわけですが、薬剤師の給与は30代以降だと大企業の総合職よりは安いので捻出するのは難しいです。(特に子供がいると) 大阪なので全国どこでも行きやすいのは助かります。

 

 学会といえば研修に参加した証明のシールを貰ってあとは観光という人もいます。忙しい方の場合は、シールとめぼしい発表のみを見て業務という方もいらっしゃいます。(開業されている医師の場合は、専門医更新に単位が必要なのでとりあえず近場の学会に少しだけ顔を出す方もいます。診療を休む訳にはいかない状況だからです。)

 逆に、学会や研修会に行きたいけど時間とお金の都合で行けない方もいます。FBでも地域の健康まつりに参加したり休日診療所の当番なので学術大会に行かない方もいらっしゃいました。そういう人に対しても一部はネット配信して自宅にいながら学会の雰囲気を味わえるようにしてはどうかと思います。

 

 実際に会って話していると、その場で化学反応のように話し合いが盛り上がり新たな動きに繋がることもあります。これが実際に顔を合わせることの長所に思います。興味のある発表を見に行き、発表者と名刺交換をして今後も話し合いをするのはどうでしょう。

 

 というわけで、必要なのは名刺!会社が作ってくれない場合は自作でもいいので持って行きましょう!自作だと好きに連絡先を作成できます(個人の業務用アドレスを作るなど。会社を辞めても関係を構築できます。)

 上記のことを考えると、職場の人でまとまって学会に参加して皆で一緒の発表を見るのはもったいない気がするなあ。本当に見たい発表がないようなら、会社からの参加だと観光で終わりました、になりそうです。

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