「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

薬剤師フィールドリサーチ「コロナ禍に取り組み続ける学会活動のカタチ 薬物治療の専門家として全人的医療を」服薬ケア大会第10回大会

こんにちは。今回は薬局新聞10/21号に掲載された「薬剤師フィールドリサーチ」特別編を掲載します。

会場の感染予防策

会場は400人程度入れるホールだったのですが、参加できる人数を100名程度に抑えていました。参加者のマスク着用を必須とし、手指消毒をアナウンスしていました。

 さすが参加者の多くが薬剤師なので、マスクをしないで大声で喋りませんし、ランチョンの弁当も手短に食べてすぐにマスクをしていました。
 発表に際しても、壇上で発表するときは座長と距離が開いていたのでマスクを外していましたが、ディスカッションではシンポジスト同士の間にアクリル板を置くなど0感染対策をしっかり行っていました。

 

ネット配信との同時開催


 また、今大会においては初めてZOOMによる配信が行われました。服薬ケア研究会では以前よりウェブ配信による研修会も行われていましたが、今回はCOVID-19感染予防も兼ねて大規模で配信することになりました。配信での参加者は約200名とのことです。
 1日目は音声や画像が途切れる、2日目はウェビナーのアドレスが無効となってサイド作成したため開始自体が遅れるトラブルがありました。なお、2日目は音声や画像が途切れることなく進行し、トラブルを乗り越えていきました。
 研修シール発行のためのキーワードは、本当にランダムに出ました。ずっと真剣に聞いていないと反応できないようになっています。どの講演も視聴側が入り込むほどの濃い内容だったので、キーワードに気づかないままスライドが過ぎてしまうのではないかと心配するほどでした。

 

 予期せず発生?Twitterとの連動


今回の大会では、思わぬ現象が発生しました。Twitterのハッシュタグ「#服薬ケア研究会」を用いて配信参加者同士、配信参加者と会場参加者で繋がり、会場外で盛り上がっていたのです。会場の様子や配信の様子を連絡し合ったり、発表の感想を共有したり、新しい学会の盛り上がりを見せました。もともとフォロワー同士だった人たちもいるのですが、そうではない人も繋がれるのがハッシュタグによるタイムライン。会場にいなくても会場にいるかのような臨場感を味わえます。
また、ネット配信参加者の中には2画面を用いて、配信を見ながら演者の発表に関する予備情報(演者の所属する団体や発行した書籍の紹介)をTwitterで提供する方もいました。これは、会場にいる人では実行が困難なことです。スマートフォンやパソコンを触っていると遊んでいるように見えるためです。しかし、ネット配信では多少の自由が利くため発表内容でわからないことがあったらその場で調べることも容易です。
会場でのトラブルや当日の時間変更に関して、会場でアナウンスされたことを参加者が自主的にTwitterで発信し、オンライン参加者に届くようにしている場面もありました。

 

とにかく愛ある大会


 服薬ケアの根本は「医療とは与える愛の精神で」です。その概念が講演だけでなく、会場全体にあふれていました。
 他の薬学系の学会でもおなじみの方の講演がありました。講演の大筋は他の場と同じ内容ですが、講演の端々で失敗談や苦労話と言った、他の場よりも現実的・参加者の背中を優しく押すような言葉が多かったように感じました。私は学会に行ってやたらと前向きな発言を聞き、「自分には到底できない」と却って落ち込んで帰るのが常でしたが、この大会では「ここなら真似できそう」と思えました。
 医療に関係するさまざまな立場の人が話をするというのがこの会の特徴です。発表者は、医療従事者だけでなく、患者や介護者家族の方もいました。薬剤師には知識や技術だけでなく接する人の感情に添ったアプローチをしてほしいという服薬ケアの精神によるものです。
 講演だけでなく、企業・団体ブースでも「愛のある支援」が起こりました。当コラムでも何度かご登場いただいた「ドーピングガーディアン」開発者のみどりや薬局清水雅之さんですが、出店の予定が事情で叶わなくなりました。その旨大会長の比留間康二郎さんに伝えたところ、大会参加者のスポーツファーマシストの有志の笠原靖幸さん、新井田純坪さんが設営、ブースでの説明を買って出ることになりました。当日、ブースは大盛況。密になるので近寄れないほどでした。清水さんによると、当日に届くようブースに資料を送付しましたが、それは実際展示されている資料の3分の1ぐらいで、他の資料も有志の方が提供されたそうです。

 来年は10月10(日)11(祝)日、愛知県名古屋市での開催予定です。今回の開催形式が、どんな形に発展していくのか、期待できますね!

 

 

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