とある学術大会に参加して、薬局薬剤師が研究する難しさを感じた話をお伝えします。
ある研究発表で、若手のホープとされる人が発表していました。発表するためのデータを取っているときの所属薬局と、発表する時点での所属薬局が異なっています。おそらく、優秀であるがゆえに異動になったのでしょう。
チェーン展開している薬局ではよくあることです。研究などで良い成果を持つ薬剤師は、業務に疑問を持ち、解決していく力があります。その能力を店舗運営に使われてしまうのです。安定して現場業務をこなし、よい研究を続けていく環境に置かせてもらえません。マネジメントに携わる能力のある人材が少ないからです。
ここで継続して良い研究を続けられれば本社の教育部門に上がっていくのでしょうが、そこまで勤務を継続できるのかが課題です。また、教育部門に上がるとどうしても現場感覚との乖離が生まれてきます。「動きながら考えるのなんて当たり前」という意識になってしまい、そうでない人との溝が生まれます。
学会そのものに参加するメンバーも気になりました。
おそらく、所属企業からの動員と思われます。入社して期間の短い社員が研修として受講しているようです。同期同士集まって講演を聞いています。他の企業の人とは絡まないようです。学会の活用方法を教える人がいれば、興味のある発表があれば質問してみようとか教えられるのではないか、と思うのです。そして、彼らの多くも学会になにも感情を持たず業務に忙殺されるのかと残念に思います。
以前聞いた、元サラリーマンの人からの発言が重いです。
「営利企業である限り研究は無理でしょ」
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