リプロダクティブ・ヘルスという分野は、なぜか女性の先進的な人と守旧的な中高年男性の対立構造になりやすい。
1議論が喧嘩腰なので、普通の人が入りづらい。
特に女性側が勝ち気な人が多い印象です。戦略に工夫が必要に感じています。相手は年令が高く、批判される機会が減っている上に相手に気を遣われている側です。そういう相手に敵対的な接し方をしても硬直化するだけに思います。(そうでなくても喧嘩腰では周囲の敵でも味方でもない人の理解を得ることができないし、意見に支持してもらうどころかこの問題には触れないでおこうという意識まで持たれてしまいます。それでは、運動自体が封印されてしまいます。これでは自滅です。)
2.守旧派に足りないのは「言葉」
守旧派・権力側の人がんなぜこの規制が必要なのか、議論をしている相手ではなく傍観者に向かって淡々と説明すると事態は改善すると考えています。普段の立場のように、何も言わず「だめだ」と言っておけば乗り切れると思っているかもしれません。
しかし、相手は自分とか直接関わりのない人も含みます。
「どの内容を伝えれば傍観者が理解するのか」という視点が必須に思います。
3.緊急避妊用ピル服用に関して
ノルレボを適切な服用時間内(行為後72時間以内)に服用した場合の着床阻止率は85%(早ければ早いほど効果がある)
医師が疑問視するのは
1.服用して効果があったかどうか正確に調べられないのではないか
(子宮外妊娠のリスクも想定している)
→実際、最も確実な判断は受精卵がいるか子宮を診ることだが、
妊娠している場合、生理予定日付近に月経と同じぐらいの出血があり、
なおかつ妊娠検査薬(体外診断用医薬品)で月経予定日とその1週間後ぐらいに2回測定して陰性が出れば概ね心配はないと思われます。(いつもの月経にない症状があれば必ず受診)
2.実際に経験したことから患者の行動を信用していないが表に出しづらい内容
・犯罪(反社会的勢力とのつながりや、医師が身の危険にさらされる)
・薬の不適切使用(横流し、転売、連続服用(とその背景にある犯罪)など)
・妊娠しているのに受診しない
一般国民が悪者になることって、まず報道されませんし、そのために医療者が歯止めをかけているのって完全に医療者が悪者になってしまいます。
3.何かあったときの責任は
「自分でやりたいようにやる!」といって啖呵を切った場合、不測の事態が起こったときに責任の拠り所(言葉をきれいにしています)がないんですね。
パターナリズムへの反発で何かをした場合、結局責任を権威側に押し付ける事例もあったと思われます。
改革側は、誰が責任を取るのかを明確にするのがよいでしょう。
輪をかけて
ジェンダー問題で先頭に立つ人は特に「男性の権威による働きかけ」を「抑圧」と捉える人が多い印象です。そりゃ話になりにくいです。
価値観がが逆なのですから。
規制側は広く国民全体に規制の意味を説明して支持者を広げる方法を取るほうがベターだし、改革側も小さく問題点を切り分けて一つ一つ丁寧に解決していく方法を見い出せば時間はかかりますが前進すると思います。
(どちらも先に切るべきは先鋭化した仲間です)
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