今回は、SNSで医療情報について伝えるときに必要な要素についてお伝えします。
何がすごいって、ほむほむ先生の「SNSを見る人全方位に向けた配慮」ですよ。
SNSのやりとりを見る人は誰か
やり取りをしている当事者同士だけでなく、そのやり取りを見る人がどう受け止めるかについても配慮をする必要があります。
やりとりをする相手の面子を潰さないこと
やり取りを見る人が落ち着いた気分でやり取りを見ることができるようにすること
この両方が大事です。
専門家ではない人は、情報の正誤を見極めることは難しいです。事実だけでは響かない人もいます。感情に訴える言葉で心を鷲掴みされる人もいます。
今回のほむほむ先生はその両方を備え、その上わかりやすい例えを使って正確に伝えていました。
前線で仕事をしている小児科医です。
— ほむほむ@アレルギー専門医:『小児のギモンとエビデンス』重版決定 (@ped_allergy) 2022年12月30日
武井さんの疑問はとても重要でもっともだと思います。
いつも理性的な発信の武井さんの疑問なので、私は、武井さんがすでにご承知おきいただきながら、あえて投げかけておられるのだと感じました。
ですので、段階をおって説明させていただきたく存じます😌
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このツイートで前置きし、武井壮さんの尊厳を守っています。
おそらくは、武井壮さんも「自分はわかっているけどわかっていない人もいるから代わりに声を発した」という意図でのつぶやきと思われます。
その後、ほむほむ先生は連続ツイートでわかりやすく解説していきます。周りの外野の人も、穏やかな反応をしています。医療関係者の情報に対しては不穏なツイートも付きますが、ほむほむ先生のつぶやきに対するリプライも概ね穏やかです。これは普段のほむほむ先生のつぶやきが穏やかなので、そんなフォロワーがついているのでしょう。長年の丁寧な情報発信の積み重ねです。
SNSで医療情報を伝えている人は数多くいますが、ここまで全方位に配慮した発言ができるのは非常に少ないです。
SNSとはどういうものかを理解していること
医療従事者と一般の人両方にバランスを取った立ち位置をとること
医学的に確かな情報であること
全部が必要です。
嘘をつかないということは大前提です。しかし、正論で叩いてしまっては一般の人の行動変容に繋がりません。反発と断絶しか生みません。感染症でなければ、医師の言うことを聞く患者だけついてくればお互いwin-winかもしれませんが、相手は感染症です。人類全体でウイルスの増殖を抑えないと流行は抑えられません。
SNSで医療情報を伝えるときに意識しておかないといけないことは「フォロワー以外の一般の人が見てどう思うか」ではないでしょうか。正しい医療情報を伝えて最も効果があるのが「普通の人」ですので。公衆衛生の向上には、普通の人の行動変容をもたらすのが最も効果的です。
ああ、こういった配慮が必要なのか、と恐れ入った次第です。
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