「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

ダイアン津田さんの素朴な質問に答える

 

この質問の言葉選び、協力してあげようという気持ちになりますね。

一般の人もこういう疑問を持ち、こういう言葉を頭の中に思い浮かべながら疑問に思ってるのでしょうね。

 

歯科医の近くの薬局なら歯科の薬が揃うか?

歯科で処方されるといえば

痛み止め

抗生物質

口内炎の軟膏

口の中を清潔にするためのうがいぐすり

がメインですが、これだけでも非常に沢山の種類の薬が存在します。

大抵の薬局においている可能性は高いですが、現在上記のカテゴリの薬のメーカーからの出荷量が減っており(一部供給が止まってしまったものもある)、薬局に手に入りにくい状況となっています。

 歯科の薬は処方箋で出せるものが決まっているので、歯科の近所でなくても揃っている可能性が高いのですが、ある抗生物質の現役を作っている工場が申請とは異なる製法で作っていたのが発覚し、現在供給が止まっているものもあります。

 

「どこの処方箋でも受付ます」というのは事実です。持ってきた処方箋を正当な理由なく受けとらないことは薬剤師法で認められていません。しかし、すぐに薬を入手できるかどうかは別の話です。

日本で2024年現在薬価収載されている薬の数は約13、000(駐1)その中には注射剤の一部など薬局で調剤できないものもあります。薬局の店構えを考えると、そんな種類あるようには見えません。

 薬によっては薬剤師もeラーニングで講習を受ける必要があるものもあります。しかし、のでこのような記載になります。

 また、薬の使用頻度は薬によって大きく異なります。滅多にない病気の薬と、一般的な痛み止めでは使用頻度が違うのは当然ですね。

 薬局は営利企業ですので、店が潰れないような品揃えをします。動きそうにない薬は入荷せずに、動く薬は切らさないようにする。欠品した場合、その患者さんは来なくなる可能性が十分にあります。薬局が潰れないことが一番の患者サービスです。

 

 しかし、すぐ手に入るかどうかは処方箋に書かれている薬によります。病院の近くの薬局のほうが手に入りやすいです。その理由は「同じ薬がたくさん出るので、不良在庫になりにくい」からです。薬の包装は100錠、500錠などの単位になっていて、患者が1回の処方でのむ量とは一致していません。卸より納入した薬を箱から処方箋に記載された量だけ切り分けて出しています。包装を開けてしまうと返品できないので使い切れる可能性があるものでないと強気に納入はできません。使わなかった分だけ薬局が赤字になると考えていいでしょう。大きな企業体だと、支店同士で薬の融通を行い、薬のロスをなるべく減らす動きをしています。

 

 薬局の奥で患者さんのことを笑っているということはありません。むしろ薬を揃えることで一生懸命です。笑っていたら職場の人にしばかれます。ましてや、その患者さんがいる場所で笑うなんて論外です。

 

註1 

薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和6年5月28日情報追加)|厚生労働省

 

 

 

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