「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

薬剤師フィールドrリサーチ(125)「零売は本当に悪か」

今回は2023・9・27発行の薬局新聞掲載の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。

 

 第8回医薬品の販売制度に関する検討会でまあいろいろあったようです。医療用医薬品はすべて医師の指示のもとに置きたい医師側の発言に「まずは現場で患者から出ている問い合わせを聞いてからにしてほしい」と思った次第です。

 

 これらは実際にあった患者さんからの問い合わせです。問い合わせは薬局の開局時間外にも来ることがあります。

 

1.気がついたら明日からの薬がない。病院もしまっているのでわけてくれないか。

(過去多数)

→他の薬局で調剤しているうえにお薬手帳による記録もない事例やその中に処方箋医薬品など分譲できない医薬品が含まれている)

 

2.子供が熱を出した。小児科に行くと風邪を移されるので過去にもらった薬で対応したい。

→調剤した記録もあるが、いかんせん他の症状で処方されている薬である。

 →本人に過去処方された薬の場合も多いが、兄弟に処方された薬を飲ませていいかという問い合わせもあった

 →問い合わせ対象の薬が内服の場合は、処方された薬を飲んでいないという問題も発生している

 

 すべて医師の指示通りにしたいと言うなら、せめて時間外でも問い合わせに対応できるような体制を敷いてほしいと思います。そうすれば、お医者さん寝る時間短くなりますね。

(今回の話題ではありませんが、緊急避妊薬も医療機関が24時間365日まんべんなく対応できれば解決する部分が大きいと思いますが、医師の体が持たないと思います。)

 

  1. は患者さんの服薬情報が薬局で閲覧できるようになっていれば最低限の日数の調剤ができたかもしれません。
  2. はOTCのように説明書と照合して条件に合っていれば服用できる医薬品があれば、医師を時間外に呼び出すことなく当座をしのげるのではないでしょうか。

 

 零売薬局の広告が「処方箋なしで薬をもらえる」と商売っ気あふれる文言になってしまっていたのも問題に思いますが、市販薬と医療用医薬品の間を零売で埋める、という方法は残すべきと考えます。もちろん、そうするからには安全に管理できる基準を作り、実行していくことが必須です。

 

 

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