「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

医療者の倫理観や良心に頼るだけでいい?

 

 某病院で点滴混入事件の容疑者が逮捕されました。

丁寧に物証を集めて、確実な証拠を集めて捜査したため、時間がかかったのでしょう。

 

 報道によると、容疑者が動機として話していることが「自分が勤務している時に入院患者が亡くなった場合、説明するのがしんどいから」とのことです。

 

 ここで私が思ったのは、

 ・容疑者個人に問題があったということで捜査を終わらせてしまわないか

 ・病院の、医療の運用システムに無理がなかったか

 です。

 

 気になるのは、医療従事者を含めた世論の反応です。

 やはり、容疑者個人の問題としている人が大勢でした。

 確かに、一線を越えてしまう行動をしたのは容疑者の問題。しかし、容疑者をそこまで追い詰めてしまったシステムは何であるか、調査する必要があるのではないかと考えます。それぞれの問題を個人の問題として片付けてしまえば早く処理することはできるし、誰も反省する必要はありません。

 医療事故でもそうです。個人の問題として片付けてしまえば簡単です。医療従事者だけに頼ればいいのですから。それでは脆弱ではありませんか?しかし、どんな人が関わっても事故が起こらないようなシステムを作ることで、人の命は守れるのではないでしょうか。

 医療従事者が「倫理観がない」と同じ医療従事者を叩いて終わるのも違和感を感じました。心身ともに疲れてしまえば、倫理観は簡単に崩れてしまいます。もしかしたら自分もこのようなことを起こすかもしれない。それぐらいマンパワーが足りない。患者が多い。ミスが許されない。

 こういったことも背景にあったり、医療は医療従事者がギリギリの良心でなんとか回している状況です。それぞれの国民が、命とその限界、医療とその限界を自分の問題として向き合ってくれれば解決に近づく問題もあるのではないかと感じました。

  

要約すると

 どんな理由であっても、患者を故意に傷つけることは許されない

 医療従事者の倫理観を守る方策はいくら用意してもいい

 倫理観の壊れた人が関わっても患者が傷つかない対策も必要

 

以上です。

 

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