今回は薬局新聞2020年3月25日号掲載の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。
「新型コロナウイルスに振り回される私たち」②
前回から引き続き、緊急企画として「新型コロナウイルスが薬局で何を
引き起こしているのか」について、現場発の状況をリアルタイムでお伝えしたいと思います。
・通院が不安な患者さんもいる
私の周りでは「処方情報を医療機関もしくは患者から得て直接対面することなく
患者さんに薬をお渡しする」事例はまだありません。しかし、病気の感染が不安で受診されない患者さんもいます。内服薬の手持ちがぎりぎりしかない場合は不安になるでしょう。高齢になると、こういった病気だけでなく、身内の看病や葬儀などで受診が遅れることは珍しくありません。医療費削減のための残薬調整が謳われていますが、ただ薬の数を調整するのではなく、なぜ薬が残ってしまうのか、どんな背景があるのか、それを改善する、阻害しているものを取り除くにはどうすればいいのかについて焦点を向けるべきではないか、と再度自分の業務を見直すきっかけになりました。ただ単に余っているものについては緊急時の予備にもなります。
・医療従事者がしている特別なこと
医療従事者は風邪を引かないけど、なにか特別なことをしているの?よよく聞かれます。
別に特別なことはしていませんよ、と返答しますが、この新型コロナウイルス感染症の流行で気づきました。
医療従事者はとにかく手を洗っている、と。
業務中、事あるごとに手を洗います。特に粉砕調剤の際はとにかく手が粉だらけになるのでまめに手を洗います。一日中粉砕をしたら、ペーパータオルの袋を使い切るぐらいです。
手を洗うなんて日常のことだろう、と思っていたら、医療従事者でない人は水でざっと洗って終わりだったり、トイレの後もほとんど洗わなかったりと、学校の洗面所に掲示されている「手洗いのしかた」ポスターのとおりの手洗いを行っていないことを知ります。
同程度行っているのは食品を扱う職業の人でした。
医療従事者が行っている特別なことは「入念な手洗い」だったと気づきました。来シーズン以降はこの「特別なこと」が特別でなくなりますように。
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