「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

たとえ重大事件の容疑者であっても

 

 とある重大事件の容疑者が瀕死の重症でした。助かる可能性はごくわずかでしたが、必死の治療の結果、なんとか一命はとりとめました。そして、裁判の結果、死刑判決が出ました。

 

 裁判する前に死ぬのと、判決が出て死刑になる。被害者やその家族、被告だけでなく、治療に携わった医療者にとってもこの2つは大きく意味合いが異なります。納税者からすれば、自分の支払う税金が被告に使われる分が他のことに使われるからいいのかもしれませんが、正当な裁判を経て刑の執行がなされることの意味は大きいです。

 被害者やその家族にとっては、刑をもって責任を果たすことや、被告が何を思って罪を犯したかわかることで少しは救いになるでしょう。

 被告にとっても、話したくないであろう自分の罪を突き詰められることで、自分のしたことの大きさを思い知ることになります。

 

 もし、重大な犯罪者だから助けなくていいということがまかりとおるなら、医療者は気に入らない人を殺めることができるようになります。医療者に必要以上にひれ伏す人が出るでしょうし、いわゆる無敵の人に医療者の命が狙われるリスクが大きく高まるでしょう。

 

 医療者は、どのような人でも命の状態に応じて医療行為をすることで、心身への侵襲を許されています。(実際に危害にあったり、そのすれすれの場合は治療はなされません) 誰にでも公正にということを最も重く感じているのは医療者です。

 

 

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